2020年04月08日 12:12 弁護士ドットコム
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、客が持ち帰りできる「テイクアウト」を導入する飲食店が目に見えて増えている。
【関連記事:37歳彼氏「ごめん。オレ、本当は50歳」 年収&年齢を大幅サバ読み、絶対に許さない!】
コロナショックの影響はすさまじい。不要不急の外出自粛や「3密」の回避が叫ばれる中で、飲食店は相当のダメージを受けていると言われる。
飲食店リサーチを展開する「シンクロ・フード」が実施したインターネット調査によると、約6割の飲食店が前年同月と比べて「売上が減少した」と回答したという。
そんな状況の中、都内のある飲食店は、もともと夜に飲み食いできる店だったが、現在は、テイクアウトの弁当・惣菜のみを提供するようになった。
また、別の飲食店は、夜の飲み食いだけでなく、昼のランチやテイクアウトもはじめた。
テイクアウトを導入して、生き残りをはかっているようだ。緊急事態宣言も発令されたこともあり、しばらくはこのような状況がつづきそうだ。
ところで、飲食店がテイクアウトをはじめるにあたり、許可などは不要なのだろうか。石崎冬貴弁護士に聞いた。
「基本的な考え方としては、適法な『営業許可』を受けた飲食店が、店で提供しているメニューを店頭で売る場合、テイクアウトそのものの許可は不要です。
ただ、最初からテイクアウトのつもりで調理する場合は、飲食店の営業許可では足らず、メニューによって個々の『製造許可』を得る必要があります。
たとえば、ハムなどの肉や、ケーキなどの菓子、アイスなどの乳製品などは、それぞれ独立した『製造許可』が必要です。
要は、店で出すつもりで作って、結果として持ち帰りを認めるのと、最初から持ち帰りを目的として作るのは、違うということです。
都道府県や各保健所によって、どのような許可や設備が必要かは異なりますので、かならず事前に、管轄の保健所に相談してください」
そのほかに注意点はあるだろうか。
「テイクアウトを認めると、提供後に店内ですぐ食べる場合と比較して、どうしても、喫食までの時間が長くなります。そのため、食中毒のリスクも高まりますから、食品の衛生管理には万全を期すようにしましょう。
また、お店で作ったものをテイクアウトやデリバリーする場合、原則として、表示義務はありません。ただ、これだけテイクアウトが増えると、最低限、アレルギーについては、わかるようにしておくことをおすすめします」