2020年04月06日 10:11 弁護士ドットコム
上司の指示でレンタカーを「駐車禁止」となっている場所に停めたところ、切符を切られましたーー。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられています。
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車がレンタカーだったため、警察に出頭せざるを得なかったという相談者。点数は減点され、反則金を支払うことになりました。
しかし、指示をしたのは上司なので、相談者は納得いかない様子です。支払った反則金を上司に請求することは可能なのでしょうか。鬼沢健士弁護士に聞きました。
ーー相談者は、上司の指示で「駐車禁止」となっている場所に車を停めています。このような場合、上司に反則金を請求することはできますか。
「原則的には、反則金は運転者が負担します。しかし、今回のような場合は、上司にも責任があると考えられます。
上司がおこなった『駐車禁止場所に車を止めろ』という指示は不当であり、無効な指示といえます。そのため、労働契約上、この指示に従わないことが可能であると考えられます。
こういった指示があり、かつ駐車場代を支給されていないなどの事情が重なると、相談者は会社から駐車禁止場所への駐車を強要されたといえそうです。他方で、たとえ上司の指示があったとしても、駐車禁止場所への駐車が許されないのは当然であり、そのことは容易に分かることです。
そうなると、たとえ上司の指示に基づいて駐車禁止場所に駐車したとしても、その責任全てを上司のものとすることはできないでしょう」
ーー相談者と上司ともに責任を負うということですね。その場合、負担の割合はどうなるのでしょうか。
「決まった割合はありませんが、反則金の一部を上司に負担してもらうことによる解決が妥当であると考えます」
ーー今回のように、上司に不当な指示を受けた場合、トラブルに発展することは十分に考えられます。トラブルを避けるために、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。
「『上司の指示があったから』と盲目的に従うことは控えるべきでしょう。上司の指示よりも、法律などの一般的なルールが優先されるのは当たり前のことです。
もし、上司から不当な指示があった場合は、指示に従う前に社内の別の人に相談することも1つの方法です。また、こうした指示が習慣化している場合には、警察などの外部機関に通報するなどの措置をとった方がいいでしょう」
【取材協力弁護士】
鬼沢 健士(おにざわ・たけし)弁護士
詐欺サイト被害救済、交通事故、労働、家事問題(離婚・相続)を取り扱う。
事務所名:じょうばん法律事務所
事務所URL:http://www.jobanlaw.com/