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チャールズ皇太子、病院の“バーチャル開設式典”に参加 スピーチで「この病院が希望の光に」

2020年04月04日 11:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

初の“バーチャル開設式典”に参加するチャールズ皇太子(画像は『Clarence House 2020年4月3日付Instagram「“It is symbolic of the selfless care and devoted service taking place in innumerable settings, with countless individuals, throughout the United Kingdom.”」』のスクリーンショット)
英王室チャールズ皇太子が現地時間3日、ロンドンに開設された「ナイチンゲール病院」のオープニングセレモニーに出席した。滞在中のスコットランドよりビデオ電話経由で開会挨拶を述べたチャールズ皇太子、遠隔地からのこのような公務参加は英王室にとって初の試みとなった。

新型コロナウイルス患者への医療提供体制の改善を目指し、現地時間3日に「ナイチンゲール病院」が開設した。東京ドームの約8.7倍の広さを誇るロンドン東部の国際会議場「エクセル・ロンドン(ExCeL London)」を、わずか10日間で病院に改装した同施設。そのオープニングセレモニーには、新型コロナウイルス感染を公表していた英王室チャールズ皇太子やマット・ハンコック保健・社会福祉相らが参加した。

今月1日に動画を通じて元気な姿を披露したチャールズ皇太子は、現在も引き続きスコットランドのバルモラル領地、バークホール邸に滞在中だ。そのためこの日のオープニングセレモニーにはビデオ電話を介しての参加となった。このような正式公務への遠隔地からの出席は英王室にとって“初の試み”であったため、チャールズ皇太子によるスピーチはメディアからも大きな注目を集めた。

挨拶のなかでチャールズ皇太子は、「ナイチンゲール病院」の開設を10日という早業で実現できた事実を「目を見張るような、大変素晴らしい功績」と称賛。そして改装工事に携わった人々や英軍隊、医療器具の寄付に貢献した企業・組織などこのたびの開設に関わったすべての人々に対し「人間の強い意志や想像力をもってすれば不可能も可能になる、想像すらできなかったことが実現できる―という手本を示してくれた」と深い感謝の意を述べた。

またチャールズ皇太子は自身の体験を踏まえ、

「私は比較的軽症で幸いでしたが、なかには重度の症状に苦しむ方々もいらっしゃいます。ですからこの新施設の開院が、専門処置の受診や日常生活への復帰を可能にし、国民の皆さんに安心を届けるお手伝いができることに、私は安堵しています。」

と語りかけ、未曾有の非常事態に奔走する現職の医師や看護師、そしてコロナクライシスに立ち向かうべく復職した医療従事者、ボランティアらを称賛した。

連日160名の建設員や、陸軍から動員された200名ほどが作業にあたり、着手から10日ほどで開院にこぎつけた「ナイチンゲール病院」。現在は500床のベッドが設置されているが、将来的に必要であれば4000床を確保する受け入れ態勢を整えているという。

チャールズ皇太子は英国の医療体制の改善と発展に大きく貢献した看護師フローレンス・ナイチンゲールの名を挙げ、“ランプ(灯)を掲げる貴婦人”として知られる彼女のように、この病院が「国家クライシスにおける希望の光となることでしょう」と述べ、一日も早い事態の収束を願った。

画像は『Clarence House 2020年4月3日付Instagram「“It is symbolic of the selfless care and devoted service taking place in innumerable settings, with countless individuals, throughout the United Kingdom.”」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)