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新型コロナウイルス治療薬を作るパズルゲームへの参加を、ワシントン大学が呼びかけ

2020年04月03日 14:31  Techable

Techable

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20種類のアミノ酸を組み合わせて、ウイルスの棘を覆ってしまうタンパク質を作る——専門家もプレイするこんな3Dパズルゲームへの参加を、米ワシントン大学が呼びかけている。

目的は、新型コロナウイルスの治療薬を実際に作るためだ。
・コロナウイルスの棘を覆ってしまう科学者が抗ウイルス薬を開発するときに使っているその3Dパズル「Foldit」は、ワシントン大学ゲームサイエンスセンターが運営するオンラインゲーム。誰でも無料でアプリをダウンロードできる。ゲームのゴールは、新型コロナウイルスの治療薬完成だ。

新型コロナウイルスには、「コロナ」と呼ばれる棘がたくさん付いている。同センターによれば、ウイルスはこの棘を使って人間の細胞に感染していくとのこと。棘はタンパク質でできており、それにピタリとまとわりついて離れない別のタンパク質があれば、棘を無効化できる……つまりそれが薬になるという。ゲーム「Foldit」では、プレーヤは20種類のアミノ酸を組み合わせて、棘のタンパク質と形が嵌り合うタンパク質を作る。
・完成したパズルは実用実験へタンパク質は膨大な数のアミノ酸が結合したもの。小さなタンパク質でも100以上のアミノ酸から出来ている。アミノ酸は20種類あり、その組み合わせを考えると、作ることができるタンパク質の種類は無限にあるといっていい。

それらを全て試すことはできないので、薬を開発する科学者は勘に頼って「Foldit」をプレイし、薬となるタンパク質を探している。だが新型コロナウイルス蔓延の現状を見ると、今は急を要する事態だ。そこで大学は、世界のパズルゲームファンの手を借りることにした。

大学のニュースリリースによれば、ゲーム(インストラクションも含めて英語)には練習モードがあり、一般の人にも始めやすくなっている。

ゲームの中で完成させたタンパク質(=薬の候補)のうち有望なものは、ワシントン大学タンパク質設計研究所(Institute for Protein Design)でサンプルが作られ、実用実験が行われる。

Foldit