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サンダンス映画祭短編グランプリ受賞作が長編映画に 『サンダーロード』6月19日公開決定

2020年04月03日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『サンダーロード』

 2016年のサンダンス映画祭で短編グランプリを受賞した短編映画をもとにした長編映画『サンダーロード』が6月19日に公開されることが決定し、ポスタービジュアルと予告編が公開された。


参考:映像はこちら


 妻と別居中、仕事も空回りでトラブル続きの警察官ジムが、親権争いの渦中にいる幼い娘との距離感に苦しみながらも、親子の関係を築いていく。不器用で憎めない男と、おてんば盛りな娘の不揃いな愛を描くロードムービー。


 監督・脚本・編集・音楽・主演を務めたのはジム・カミングス。本作のもととなった短編『Thunder Road(原題)』が 2016年のサンダンス映画祭で短編グランプリを獲得。愛する母の葬儀で悲しみに暮れる警察官ジムが、娘のラジカセで母の敬愛したブルース・スプリングスティーンの名曲「涙のサンダーロード」を流しながら踊るという、たった1テイクで撮られたコメディタッチの12分の短編が、映画祭で圧倒的支持を受けた。


 たちまち複数の映画制作会社の目にとまり、その後6本の短編を立て続けに発表し、アメリカのインディー映画界を中心にその名が知られるようになったカミングス。その後資金を集め、自身の原点である短編『Thunder Road(原題)』を長編化。2018年SXSW映画祭グランプリを受賞し、同年カンヌ映画祭 ACID部門に正式出品。シアトル国際映画祭、ナッシュビル映画祭などで戴冠、ドーヴィル・アメリカン映画祭では『ブラインドスポッティング』『アメリカン・アニマルズ』を打ち破ってグランプリを受賞するなど、世界中の映画祭で13冠を獲得している。


 アメリカを代表するロック・ミュージシャン、ブルース・スプリングスティーンのアルバム『明日なき暴走』の冒頭を飾る「涙のサンダーロード」がストーリーの起点となり、映画タイトルの由縁となっている。また『ブルー・リベンジ』『ローガン・ラッキー』のメイコン・ブレアや、『6才のボクが、大人になるまで。』のビル・ワイズをはじめ、アメリカインディーズ映画の名脇役たちが、監督主演はじめ5役を務めるカミングスを支える。


 公開されたポスターには、棺の前で両手を掲げるカミングスの姿が。「踊っても、踊っても、切ない。」とコピーが添えられている。


 あわせて公開された予告編では、私生活では妻と別居し、仕事も空回りでトラブル続きの警察官ジムの姿が。親権争いの渦中にいる小学四年生のひとり娘クリスタルとは週3回だけ会う生活。葬儀では遺族を代表してスピーチを任されたジムだったが、うまく話せず、母が好んだブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」を涙ながらに踊り出す姿がコミカルに切り取られている。(リアルサウンド編集部)