ポルシェ・ファクトリーモータースポーツのディレクターを務めるパスカル・ズーリンデンは、ABBフォーミュラE選手権に参戦しているポルシェチームの経験がライバルたちよりも少ないことを念頭に、新型コロナウイルス(COVID-19)によるシーズン中断のインパクトがより大きく感じられると示唆した。
2019/2020年シーズンよりタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームの名で、フル電動フォーミュラカーシリーズへの参戦を開始したポルシェ。
チームはワークスドライバーのニール・ジャニと、アンドレ・ロッテラーというふたりのル・マン24時間ウイナーを擁してデビュー戦に臨むと、開幕戦ディルイーヤePrixでロッテラーが2位表彰台を獲得。また、ロッテラーは第4戦メキシコePrixではチーム初となるポールポジションを獲得してみせた。
その一方、決勝レースでは安定感に欠け入賞はチームとしてわずか2回に留まる。シリーズランキングはロッテラーが12位、入賞0回のジャニは23位と思わしくない状況だ。
シーズン中盤戦に向けて巻き返しを図りたいポルシェだったが、中国・武漢に端を発した新型コロナウイルスの世界的大流行“パンデミック”によって三亜、ローマ、パリ、ソウル、ジャカルタの5レースがキャンセルに。2019/20年シーズンは6月のベルリンePrixまで中断されることとなっている。
この中断によって、レースのなかでパワートレインに関するデータを収集していたポルシェは開発面で打撃を受けることになった。
「それは今回のシーズン中断のなかで、もっとも打撃を受けるもののひとつだ」とズーリンデンは認めた。
「(フォーミュラEでは)シーズン中にテストを行うことが不可能なので、(今季は)各トラックすべての特性を学ぶことが我々の目標だった」
「これで私たちの目標は少し試されるものになった。しかし、その分シミュレーションなどを強化して、以前よりも強くなるように努力していくつもりだ」