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嵐、YouTube配信に登場し全国にエール 人々の希望を呼び起こす“国民的アイドル”の力

2020年04月02日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 嵐が、ジャニーズYouTube公式チャンネルにて配信された『Johnny’s World Happy LIVE with YOU』に登場。「ジャニーズみんなで音楽だったり、パフォーマンスだったり、みなさんが笑顔になるような、勇気が出るような、楽しい気持ちになるような、そんなものをこれからもお届けしていきたいと思っております」(櫻井翔)とエールを送った。


(参考:嵐が“5人”であることの重要性 『ARASHI’s Diary -Voyage-』から見える“嵐イズム”とは?


 『Johnny’s World Happy LIVE with YOU』とは、新型コロナウイルスの影響により、コンサートが次々と中止になる中、「感染予防を呼びかけると共に少しでも笑顔と元気を届けたい」という思いから実現した特別配信。当初、3月29日から31日までの予定だったが、急きょ日程を調整し、嵐が大トリを務めることになった。


 Sexy Zone、HiHi Jets、SixTONES、なにわ男子、ジャニースWEST、関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、山下智久、Travis Japan、Hey!Say!JUMP、King & Prince、A.B.C-Z、KAT-TUNと、3日間に出演したアーティストたちのダイジェスト映像が流れると、「どうもどうも」と嵐がリラックスした様子で登場した。


「スケジュールもなかなかない中で、こういう時間を取っていただきました。ありがとうございます。このタイミングですから、自分たちにできることを精いっぱいファンのみなさんに届けられたらなと思って、ここに立ってます」と松本の挨拶でスタート。「どうですか?」と振られたのは、相葉雅紀だ。


 先日、日本中が悲しみにくれた志村けんさんの訃報。『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)で長年共演していたことから、相葉の悲しみは計り知れない。「こんな僕を志村さんが見たら落ち着いてお休みできないのもわかります。でも、悲しすぎます…。志村さんにゆっくりお休みしていただけるように、今は少しでも前を向こうと思います」とコメントを発表していた相葉。


 きっと松本は、そんな相葉を心配している多くのファンを思って声をかけたのではないだろうか。「いやいやいや、楽しみですよね。嵐がこういうのに、なかなかやらせていただけてなかったから」と笑顔で答えようとする相葉に、「久々にライブ会場で歌うからね」と合いの手を入れる二宮和也、「たしかに」と相槌を打つ大野智、「今の嵐をお届けしたいですよね」とアシストをする櫻井翔の姿に、メンバーがしっかりと相葉を支えていることが伝わってきた。


 本来であれば、失われなかったことが、あまりにも多い。うららかな春の日差しの中、花々を愛で、多くの人とふれあい、人生の節目を迎えていたであろう季節のはずだった。大好きな人たちと作られるべき記憶が、健康と共に蝕まれている今、私たちにできることとは……。今回、嵐が見せてくれたライブパフォーマンスは、いつ終わるかわからない困難に立ち向かう一人ひとりに改めて“ひとりじゃない“ということを教えてくれるようだった。


 桜の映像をバックに披露されたのは〈思い出を抱きしめながら 僕たちは歩いてゆくよ〉と歌う「season」。大きな不安を抱えながら、卒業や新生活を迎えた人たちに向けて、笑顔のエネルギーを届けようとする5人の姿が印象的だ。くるりと振り返ると、誰もいない客席が映し出される。だが、次の瞬間ペンライトを思い出させるような光の海が広がる。その流れは、直接会えなかったとしても、思い出が人と自分をつないでいることを教えてくれるようだ。それは、ファンとアーティストだけではなく、会いたい人がいるすべての人たちにも通じる。例え、会えずに離れ離れになったとしても、心の中でいつもそばにいるのだ。


 「それじゃ行ってみようか、We sre 嵐!」続く2曲目は、彼らのデビューシングル「A・RA・SHI」だ。1999年にリリースされたこの曲は、何百回、何千回と歌われてきたにも関わらず、彼らの歌う姿は今も変わらずフレッシュで楽しそうだ。20年、振り返れば様々な困難があった。そのたびに、ジャニーズは手を繋いで助け合うことを呼びかけてきた。今回は、あえて距離を取ることで、乗り越えていける。そんな呼びかけに聞こえてくる。


 「これを見ているあなた! あなたの笑顔を我々は見たいんだ! 歌えっ!!」という二宮の力強い煽りに、ライブ会場にいる感覚に引き込まれる。聞こえてきたのは、おなじみの「Happiness」だ。大野と櫻井は肩を組んで見つめ合い、相葉と二宮がキャッキャしながら、少し離れたところにいる松本に手を振る。そんなおなじみの嵐の姿に、私たちは心底ホッとする。この混乱の時期に、嵐が活動を休止していなくてよかったと、胸をなでおろす気分だ。アイドルとは笑顔の伝播を起こす原動力。そして〈止めないで 止めないで ずっと信じる気持ち〉と人々の希望を呼び起こす存在だと改めて実感した。


 ライブパフォーマンスのあとは、手洗いの歌とダンスのレクチャー、そして5人がしっかりと手洗いを実践する映像も添えられていた。「なかなか自分のやりたいようにできない日々かもしれませんが、今できることは自分たちで自分の身を守ってほしいなと思います」と松本が語りかけたように、この厳しい状況を少しでも良い方向へと導くのは、私たち自身。自分にできることから、ひとつずつ。彼らの歌を励みに、取り組んでいこう。


(佐藤結衣)