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WHO&ゲーム企業「ゲームは“健全な活動”」 新型コロナのパンデミック受け、共同キャンペーン実施

2020年04月02日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

#PlayApartTogoether

 Riot Games等、アメリカを中心とした複数のゲーム関連企業は、世界保健機関(WHO)と共同で「#PlayApartTogoether」というキャンペーンを開始した。日本語にすると「離れて一緒にプレイ」という意味になる。


(参考:「SNS中毒」「スマホ依存」「ゲーム障害」への対策は世界中の課題に デジタルウェルネスの重要性と現状


・距離保つことで99%の感染抑止
 現在、新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的大流行(パンデミック)になっており、各地で不要不急の外出自粛から外出禁止令まで、それぞれ対策が行われている。


 『VentureBeat』は、社会的な距離を保つことで、99%の感染拡大を防ぐことができると伝えている(参考:https://venturebeat.com/2020/03/28/who-and-game-companies-launch-playaparttogether-to-promote-physical-distancing/)。


 WHOのグローバル・ストラテジー・アンバサダーであるレイ・チェンバーズ氏は「私たちは、このパンデミックの結果を決定づける局面にあります。困難な時期にあり、新型コロナウイルスとの闘いを支援する全てのパートナーを称賛します 」という声明を発表した。


 外出せずに、人々とのつながりを維持し、時間をやり過ごすのに、ゲームはまさにうってつけ。なお、「#PlayApartTogoether」に参加している企業は、Riot Games、Activision Blizzard、Unity、Kabam、Snap Games、Amazon Appstore、Maysalward、Twitch、Big Fish Games、Playtika、Dirtybit、Pocket Gems、Wooga、Glu Mobile、YouTube Gaming、Jam City、 SciPlay、Zyngaの18社で、大手ゲーム企業ら錚々たる名前がラインナップされている。


 Activision Blizzardのボビー・コティックCEOは 「人々が安全に繋がり続けることが、今ほど重要な時はありません。ゲームは、喜び、目的、意味を通して人々を繋ぎ、完璧なプラットフォームです。このような価値ある取り組みに参加することを誇らしく思います」と述べる。


・WHOへの批判強まり、ゲームが復権
 WHOが、中国の新型コロナウイルス対応を称賛し、パンデミックに指定する動きが遅かったことに批判があると『USA TODAY』は報じている(参考:https://amp.usatoday.com/amp/2932976001)。


 WHOは2018年、ゲームに夢中になり過ぎて、日常生活に支障が出る状態が12カ月間以上続くことを「ゲーミング障害」と認定して、国際疾病分類(ICD)に追加した。アルコール中毒、薬物中毒、ギャンブル中毒と同様に、ゲーム依存症が正式に精神障害として指定されたことを受けて、ゲーム業界からは、行き過ぎではないかとの反対意見も聞かれた。


 WHOとゲーム産業の対立を生みかねない状況にあったが、今回は一転して「#PlayApartTogoether」キャンペーンで、共にゲームをプレイしようと呼びかけている。ゲーム会社としてはゲームの復権、そしてWHOとしてはパンデミック対策を行っていることをアピールすることができる。


 いずれにしても、これらWHOのゲームに対する扱いから分かることは、ゲームが人々の生活や健康にいかに密接に関連しているか、ということだろう。


(Nagata Tombo)