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『デカダンス』『バック・アロウ』『転スラ』など、注目アニメの最新情報を総括!

2020年04月02日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『デカダンス』(c)DECA-DENCE PROJECT

 世界各国で猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症の影響を受け、現在国内でも人が集まるような大型イベントや施設などの中止や延期が余儀なくされ、エンタメ業界は大きな損害を被っている。その波は言わずもがなアニメ業界にまで影響を与えることとなり、2020年3月21日から24日の3連休を含めた4日間開催される予定だったアニメイベント「AnimeJapan 2020」も中止が決定。毎年国内外から多数の来場者が訪れているとあって、アニメを愛するファンにとっては悲しいお知らせとなってしまった。


 しかし、その状況下においても制作陣は本来の予定通り情報発表を行い、3連休中に2020年~21年にかけて放送予定の新作アニメーションの情報やPVなど新情報が続々と公開された。今回は、Anime Japan中止のなか発表されたニュースから、とりわけ注目すべきものをいくつかピックアップして紹介する。


参考:『映像研には手を出すな!』の美術における“日常”と“日本” アニメの世界は新たなフェーズへ?


 この期間発表されたビックニュースといえば、『名探偵コナン ゼロの執行人』の立川譲監督が手掛けるオリジナルアニメーション『デカダンス』だろう。『幼女戦記』を手掛けたスタジオNUTによる完全新作となっており、昨年7月に制作が発表されて以来続報が待たれていたが、新たに2020年の夏に放送されることが発表された。スタッフにはそうそうたる顔ぶれが揃い踏みだが、なかでも『モブサイコ100』や『ヴィンランド・サガ』『ドロヘドロ』で近年評価の高い脚本家・瀬古浩司とのタッグにも注目が集まっている。現時点(2020年4月1日時点)ではストーリーの詳細やキャストなどは明かされていないが、ティザー映像を見るに、荒廃した壮大な世界を舞台にSFバトルが繰り広げられる予感満載で、アクション性の高い作品になりそうだ。今後の続報に注視していきたい。


 さらに、もうひとつアニメファンが心待ちにしていたニュースが飛び込んできた。『BLEACH』の久保帯人による新作『BURN THE WITCH』のシリーズ連載開始、そして劇場中編アニメーションで公開されることが21日放送の「『BLEACH』20周年プロジェクト公式生放送」内で発表された。本作は、2018年に『週刊少年ジャンプ』50周年号にて読切作品として掲載されており、2020年夏開始予定の連載では読み切りの後日譚が描かれるとのこと。


 あわせてアニメのキャストも発表され、ニニー・スパンコール役に田野アサミ、新橋のえる役には山田唯菜が抜擢。監督には『PSYCHO-PASS サイコパス 2』や『甲鉄城のカバネリ』で作画監督を務めた30歳の若手アニメーター川野達朗が起用され、制作には劇場アニメ『ペンギン・ハイウェイ』のスタジオコロリドが手掛けるなど、他にも新気鋭なスタッフ陣が名を連ねる。アニメは2020年秋を目途に放送開始予定となっており、漫画とアニメのストーリーの違いにも注目したい。加えて、アニメ終了から8年越しとなる『BLEACH』の最終章「千年血戦篇」のアニメ化や『BLEACH』原画展開催が発表されるなど長らく待ち続けてきたファンにとって望外の喜びと言えそうな情報が多数発表された。


 また、KADOKAWAのYouTubeチャンネルで21日に放送された『KADOKAWAアニメチャンネル 春の特番ライブ&トーク!』では、2006年に1期、2007年には2期が放送された『ひぐらしのなく頃に』新シリーズの放送日とキャスト情報も公開された。2020年7月放送予定となっており、メインキャストは前原圭一に保志総一朗、竜宮レナに中原麻衣とメインキャラクターは当時と同じ声優陣が続投する。これにはファンも歓喜というところで、Twitterやコメント欄ではオリジナルキャストによるリメイク版への期待をあらわにする声が多数見られた。


 さらに、大人気作品の続編も多数発表された。2018年10月から2019年3月にかけて放送された人気アニメ『転生したらスライムだった件』の第2期の放送が1部は2020年10月、第2部が2021年4月に決定。2021年1月に累計50万部突破のスピンオフ漫画『転スラ日記』のテレビアニメ化も発表されたことで、異例となる関連作品3クール連続での放送となったのは興味深い。『転スラ』ファンにとっては、至極ともいえる9カ月間を過ごすことになりそうだ。


 3月21日にAbemaTVで放送された『アニプレックス48時間TV』内で、清水茜原作によるアニメ『はたらく細胞!!』の2期が2021年1月に放送されることも発表。人間の体内にいる赤血球や白血球といった細胞の生活を描いた奇異なストーリーが魅力の本作は、2018年7月に1期が放送されていた。2期の放送に先駆けて2020年9月5日には「『はたらく細胞!!』最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!」が上映されることも発表されているので要チェックだ。


 同じく『アニプレックス48時間TV』で公開されたニュースで、個人的に注目したいのは、『コードギアス 反逆のルルーシュ』の監督・谷口悟朗と『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』のシリーズ構成などを手掛けた中島かずきがタッグを組んだオリジナルアニメ『バック・アロウ』だ。主人公のバック・アロウを梶裕貴が演じることはすでに決定していたが、追加キャストとして洲崎綾や小野賢章、杉田智和など豪華声優が新たに発表されたほか、映像が公開となった。キャラクター原案には『マギ』の大高忍ということで、ヒット作品を生んできた3人の織りなす相乗効果に期待したい作品だ。


 3連休中に『KADOKAWAアニメチャンネル 春の特番ライブ&トーク!』や『アニプレックス48時間TV』など多くのアニメの特番が組まれていたことで、続々と明るい話題が飛び交った日本のアニメ業界。Anime Japanという一大イベントが中止に追い込まれてしまったことは残念だが、20年~21年にかけて期待がふくらむ発表が多かったこの3日間だったように思う。


■川崎龍也
音楽を中心に幅広く執筆しているフリーライター。YouTubeを観ることが日課です。