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ディズニー休園延長、キャストは悲痛「夢と希望のためだけに働いてるんじゃない」 休業補償はどうなる?

2020年04月01日 10:41  弁護士ドットコム

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新型コロナウイルスの影響で、臨時休園している東京ディズニリゾート。運営するオリエンタルランド(千葉県浦安市)は3月27日、休園を4月20日以降まで再延長すると発表した。


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今回の再延長決定で、多くのキャストは1カ月以上の自宅待機となるが、現在の休業補償では「生活ができない」と引き上げを求める声が上がっている。



キャストとして勤続7年の30代女性の時給は1100円。普段は時間帯手当がもらえるよう、早朝や深夜を含めて月180時間ほど働いている。しかし、4月25日に振り込まれる3月の総支給額は、14万円ほどになる見込みだ。



現在は貯金を切り崩しながら生活しており、「夢と希望のためだけに働いているんじゃない。給料の補償の話をして欲しい」と会社の対応に不信感を抱いている。



●「夢を見たいなら働かない方がいい」

ディズニーリゾートは当初、2月29日から3月15日までの休園を予定していた。2月28日に報道発表があったが、女性によると、それまで従業員に一斉連絡はなく報道で知った人もいたという。



初めて従業員全体に連絡があったのは、4月上旬までの休園延長を発表した3月11日。オリエンタルランド人事本部長から全従業員に一通のメールが届いた。



「ゲストをお迎えできない今だからこそ、ゲストとの再会に向けて、新たなハピネスを生み出す大切な期間だと思っています」

「暗いニュースが多い中、いかに世の中を元気にできる話題を提供していけるか、本来の私たちが持つ多くの人をしあわせにしたいという思いと、それを形にできる力を発揮するチャンスだと思います」


メールの趣旨は、「一丸となってこの状況を乗り切ろう」と従業員を鼓舞するようなものだったが、休業補償に関する話題はなかった。女性は「従業員のことは二の次。やっぱりなという感じ」とメールの内容にがっかりしたという。



また、再延長が決まった3月27日には、上西京一郎社長から「キャストの皆さんへ」と題した一斉メールが届いた。



メールには冒頭、「キャストの皆さんも、東京ディズニーリゾート事業のことや日々の生活のことで不安を感じている方も多くいらっしゃるのではないかと思います」と書かれていたが、その後も休業補償に関する話はやはりなかった。



●休業補償はどうなる?

労働基準法26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の6割以上)を支払わなければならないとされている。



キャストが加盟する労働組合「なのはなユニオン」は3月19日、「そもそもOLCの基本時給は低賃金で、生活もできない」と会社側に10割補償を要請。



会社側は3月31日、ユニオンに対し、「キャストの方々には、労働基準法26条の休業手当以上の金額となる手当のお支払いをさせていただいております。したがって、要請には応じかねます」と回答したという。



●ユニオン「会社は改めて説明をすべき」

女性はシフト通りであれば、3月は時給1100円で月185時間ほど働き、時間帯手当などを含めた総支給額は約23万6200円となる予定だった。休業手当として平均賃金の6割が支払われた場合、総支給額は約14万1700円となる。



もともとディズニーが大好きで、働き始めたという女性。「ディズニーでしかできない仕事だけど、憧れだけじゃできない仕事とも思う。夢を見たいなら働かない方がいい」と今回の会社の対応に嘆く。



ユニオンは「一体どのような休業補償がなされるのか。不安を感じている従業員に対し、会社は改めて説明をすべきではないか」と話している。



オリエンタルランドは弁護士ドットコムニュースの取材に「社内規定に基づいて休業補償を行なっている。規定については、入社時に一人一人に伝えている」と話した。