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新型コロナで生活できなくなる前に! すぐに使える支援制度まとめ

2020年03月31日 16:52  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
日本中で拡大を続ける新型コロナウイルス感染症。一向に収束の兆しが見えず、予想される経済的なダメージも計り知れない。

日本政府はコロナ騒動が本格化し始めた2月上旬から、企業などへの支援策や相談窓口の設置などを継続的に行ってきた。もちろん重要な政策ではあるが、今、一般の人がもっとも気にしているのが、社会人にひとりひとりに対する補償や支援だろう。

○すぐに使える支援制度まとめ

このコロナ騒動で勤め先の経営が傾き、給与や雇用形態への影響を心配している人は多い。また、安倍政権は働き方改革の一環としてフリーランスという働き方をうながしてきたが、景気が悪くなって真っ先にダメージを受けるのがフリーランスである。

さっそく仕事に影響が出ているという話も聞くが、このまま騒動が落ち着かない場合、一体どうやって凌げばいいのか? すでに利用できる貸付制度などを比較して見てみよう。
○■「生活福祉資金貸付制度」=最大で80万円を無利子・保証人なしで貸付(場合によって償還は免除)

この制度を実施しているのは都道府県社会福祉協議会で、対象は「新型コロナウイルスの影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯」。

該当者には「緊急小口資金」として、「緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に、少額の費用の貸付を行う」としている。その融資額は20万円で、償還期限2年以内。無利子で保証人も必要ない。

さらに、「総合支援資金」として、より逼迫した「収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯」には、2人以上の世帯で月20万円、単身者の場合は月15万円を最大で3カ月にわたって貸りることができる。償還期限10年以内で、やはり無利子・保証人も不要となっている。

「緊急小口資金」と「総合支援資金」を組み合わせて利用すれば、最大で計80万円の借り入れが可能。貸付としては破格の待遇で、特に利子や保証人が必要な銀行や金融、クレジットカードで借金を考えている場合は生活福祉資金貸付制度の利用をおすすめしたい。

20万円(緊急小口資金)+20万円(総合支援資金)×3カ月分=計80万円

しかも、償還時にまだ所得の減少が続いている場合は、返却免除されるので、実質的な給付措置となっているのも大きなポイントだ。

すでに受付は始まっているので、問い合わせは各自治体の社会福祉協議会まで。詳しくは全国社会福祉協議会のWebサイトで確認できる。
○■「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」=1日当たり4,100円を支給

コロナ騒動を受け、全国の小学校などが臨時休業となったが、その影響で急遽仕事を休み、子どもの世話を余儀なくされた家庭は多い。

そんな子育て世代を支える厚生労働省の支援金制度が「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」である。

これは、臨時休校の影響で契約した仕事が遂行できなくなったフリーランスに向けた支援制度で、2020年2月27日から3月31日までの間で、就業できなかった日に関して、1日あたり4,100円が支給されるというもの。支給対象者は、次の(1)から(6)のすべてに該当する保護者である。

(1)次の(A)または(B)の子どもの世話を行うこと

(A)新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども
(B)新型コロナウイルスに感染した、または風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある、小学校等に通う子ども

(2)小学校等の臨時休業等の前に、以下の業務委託契約等を締結していること

契約を締結している本人が、個人で契約に基づく業務を行うこと
契約において、業務従事や業務遂行の態様、業務の場所・日時等について、発注者から一定の指定を受けていること
業務遂行に要する日や時間等を前提とした報酬となっていること

(3)小学校等の臨時休業等の期間において、子どもの世話を行うために、業務委託契約等に基づき予定されていた日時に業務を行うことができなくなったこと

(4)雇用保険被保険者でないこと

(5)労働者を使用する事業主でないこと

(6)国家公務員又は地方公務員でないこと

受給には、「臨時休校以前に業務委託契約等を締結していること」が要件で、ここに含まれるの「業務委託契約等」の定義については、「発注者から仕事の委託を受け、業務遂行等に対して報酬を支払われることを内容とする契約のこと」を指す。

申請には、「契約書や電子メールなど、何らかの書面等により、発注者からの指定の内容や報酬が確認できるもの」が必要で、すでに受付もスタート。6月30日までとなっている。詳しくは厚生労働省のWebサイトで確認できる。
○■「新型コロナウイルス感染症特別貸付」+「特別利子補給制度」=3000万円まで無利子・無担保で融資

新型コロナによる影響で業況が悪化した事業者(フリーランスを含む)に対し、日本政策金融公庫が融資枠別枠の制度を新設した。

信用力や担保の有無に関わらず3,000万円まで一律金利の特別貸付とし、融資後3年間まで0.9%の金利の引き下げを実施する、という内容だ。3月17日から適用開始となっている。

融資対象は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来たし、かつ次の(1)、(2)に該当する者である。

(1) 最近1カ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した人
(2) 業歴3カ月以上1年1カ月未満の場合等は、最近1カ月の売上高が、a~cのいずれかと比較して5%以上減少している人

a 過去3カ月の平均売上高
b 令和元年12月の売上高
c 令和元年10月~12月の売上高平均額

ただし、経産省は「個人事業主(事業性のあるフリーランスを含み、小規模に限る)は、影響に対する定性的な説明でも柔軟に対応」するとしているので、具体的な数字で示すことは難しい場合でも相談する価値はある。

この制度で3,000万円まで貸し付けを受けることができるが、フリーランスを含む個人事業主、売上高が急減した事業者などに対しては、利子補給を行う「特別利子補給制度」も開設。新型コロナウイルス感染症特別貸付」と併用することで、借入後当初3年間は、実質無利子で融資を受けることが可能となった。詳しくは日本政策金融公庫のWebサイトで確認できる。
○黙っていては恩恵は受けられない? 今後の動向にも注目

安倍総理は3月28日に会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、過去最大規模の緊急経済対策を策定するよう指示したと発表。自民党は緊急経済対策の規模として、「『財政措置20兆円、事業規模60兆円』、GDP(国内総生産)の10%を超える対策を講じる」としている。これはリーマン・ショック時を上回る経済対策だ。

現金給付は所得減で生活に支障が出ている世帯や個人に絞られることになりそうで、まだ具体的には決まっていないことも多いが、今後、個人への現金支給や利用しやすい貸付制度なども充実してくると思われる。今後の動向にもしっかり注目してほしい。(猿川佑)