首都圏の各知事が相次いで外出自粛を要請したのを受け、スーパーなど小売店で食料品の品薄状態が発生している。マスク、トイレットペーパーなどに続く再三の品薄状態に、既視感を覚えた人も多いのではないだろうか。
各局の情報番組では3月26日から、映像やインタビューを交えて品薄の様子を報道。だが、ネット上では「テレビが買い占めを助長している」と指摘する声が多くみられた。
全国スーパーマーケット協会は同日、ツイッターに「『メディアが煽るようなことは、どうぞお控えください』というようなお話しをしています」などと投稿。キャリコネニュースでは、同協会にツイートの真意を聞いた。
「買い物客のインタビューはどれも不安を覚える声が中心」
「百聞は一見に如かず―とも言いますが、文字よりも映像、視覚はより強い印象を与えます」
こう話したのは同協会の担当者。カップラーメンや袋麺、パンなどのスカスカになった商品棚の映像が相次いで流れたことに言及したものだ。
「あとは買い物客のインタビューでも、どれも不安を覚える声を中心に報道しているように思います。結果的に消費者の不安をあおるような報道には配慮してほしい」
冒頭のツイートには27日正午時点、6.3万件のいいねが付いている。担当者は「反響の大きさはそのまま共感の大きさだと捉えています。それだけ、報道に不安を煽られた方が多かったのではないでしょうか」と続けた。
「外食需要が落ち込んでいる影響で、小売業者に回ってくる商品はむしろ増加」
その上で「商品の生産、流通は止まっていません。一斉に店頭に殺到すると感染リスクも高まりますので、冷静にお買い物をしてください」と強調する。さらに、
「現在は一時的に品薄の商品もありますが、週明けには徐々に店頭の在庫が回復する見込みです」
と呼び掛けた。品薄状態が長期化しているマスクなどの影響で、トラウマから買い占めに走ってしまった人もいるだろう。実際に2月下旬から品薄になったトイレットペーパーや米は「大きい製品で陳列棚が空くと目立つので、見ると心理的に不安に駆られますよね」と推察している。
同担当者は「状況はマスクとは違います。慌てなくてもまったく食料品がなくなる事態は起きないので安心してほしい」という。
「食料品は生産量も足りており、外食需要が落ち込んでいる影響で、むしろ小売業者に回ってくる分量も増えています」
と明かした。
農林水産省、経済産業省、消費者庁の3省庁は3月26日、店頭掲示用のポスターデータを連名で作成。ポスターには
「食料品は、十分な供給量を確保してるので、安心して落ち着いた購買行動をお願いいたします」
と記載されている。