トップへ

『キミだけにモテたいんだ。』ハイスクールチルドレン・富園力也が声優としての第一歩を振り返る

2020年03月26日 18:02  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
●緊張で体が動かなかった初アフレコ
昨年に公開されたオリジナルアニメーション『キミだけにモテたいんだ。』のBD&DVDが2月26日に発売された。今回、本作で声優&アーティストデビューを果たしたハイスクールチルドレン・富園力也に焦点を当てる。

俳優を目指して17歳で地元・神戸から単身上京したという富園は、2018年に行われたオーディションで過酷な選抜を勝ち抜き、石橋弘毅、高橋奎仁、田淵累生、福井巴也とともにハイスクールチルドレンを結成。アニメに限らずドラマ、2.5次元舞台、音楽など領域を超えてマルチに活躍できるグループとして、のスタートラインに立った。

現在、様々なフィールドで経験を積みながら邁進中の彼に、インタビュー前半では『キミだけにモテたいんだ。』について、後半では上京のきっかけや夢を語ってもらった。
○●僕が女子だったら、幸太郎と付き合います

――まず『キミだけにモテたいんだ。』に対して、どんな第一印象を抱かれました?

モテの頂点を目指す“モテメン甲子園”が題材になっているので、「モテメン甲子園って何だ!?」というところから始まりました(笑)。インパクトがありましたね。

――そんな中で、富園さんが演じられた戸島幸太郎は「かわいすぎて逆にモテない」という役どころでした。

最初オーディションのときは(モテメン部の)5人のセリフを練習していたんですけど、そこから幸太郎役に選んでいただいて。幸太郎は容姿も仕草もかわいくて、あざとい部分もあるから、なかなか女の子との距離が縮まらないんです。

――告白して振られるシーンもありましたもんね。もし富園さんが女の子だったら、幸太郎に告白されたら付き合いますか?

付き合いますね。

――どんなところがいいと思います?

かわいいところ。あはははっ(笑)。作品に関係なく、僕が女性だったらかわいい系の男性を好きになるとは思うんですけど。幸太郎はとにかくかわいいです。

――アフレコは今からちょうど1年前ぐらいの出来事になりますが、メインキャストが斉藤壮馬さん、内山昂輝さん、松岡禎丞さん、梅原裕一郎さん、石川由依さん、と大先輩に囲まれての初アフレコはいかがでしたか?

本当に体が動かなかったです。カッチカチになってしまって。ちゃんと声が出せるか怖かったんですけど、そこは事前に声出しをして、なんとか……。
○●7テイクぐらい録り直したセリフ

――公開当時のインタビューではマイクワークを褒められていました。レッスンの成果がうまく出せたと語っていましたね。

はい。オーディションに合格してから、ボイストレーニングやいろんなレッスンを受けさせてもらっているんですけど、マイクワークもそこで学んで。初めて実際の現場に入って、やっぱり空気を読むことと気を使うことが大事だなと感じました。

――演技のほうはどうでしたか?

大変でしたね。7テイクぐらい録り直したセリフがあるんですよ。先輩がいる中で録り直すのでガチガチになってしまって、「1回ちょっと楽にしよう」ってストップがかかって。そのときは冷や汗がすごかったです。(ハイスクールチルドレンの)メンバーが別室で演技を聞いてくれていたんですけど、良いとも悪いとも言われなくて逆に不安になることもありました。

――無事に完成してよかったですね。

本当に安心しました。完成した映像を見返したとき、自分の演技が慣れてないなと思ったんですけど、その慣れてない感じがむしろ幸太郎らしいというか、そこも踏まえて起用していただけたんだなと感じて。告白のシーンは特に、僕自身の緊張感も相まっていい雰囲気が出ていると思います。

――共演したキャストの皆さんとのエピソードについてもぜひお聞きしたいんですが、2018年末に「気になる男性声優」として挙げられていた松岡さんとの共演がさっそく実現しました。

感動して、お話している間もずっと鳥肌がたっていました。

――気になっていた理由というのは?

あの時期は『Re:ゼロから始める異世界生活』や『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』などを観ていたんですけど、そこで「すごいな」と思って。ほかの作品でも様々なキャラクターをやられていて。それで気になっていました。

――松岡さんとの最初の会話って覚えていらっしゃいますか?

禎丞さんの誕生日が9月17日なんですよ。僕は9月16日生まれなので、「誕生日が1日違いなんです」って言いました。ふふふっ(笑)。あとはもう、「『ソードアート・オンライン』とかをずっと見させていただいてます、すごくかっこいいです」っていうのをお伝えして……(笑)。アフレコ中もアドバイスをいただいたり、役作りについて教えていただいたりして、ただ声色を変えればいいんじゃなくて、内側の性格や呼吸があってのキャラクターなんだということがすごく伝わってきました。現場でたくさん勉強させてもらいましたね。

――ハイチルメンバーの4人も出演されていますが、その印象についても教えてください。

4人ともビジュアルを見ながらそれがどんな人物なのかを考えていて、巴也くんは地声は低いんですけど、その絵に合わせて優しく柔らかい声にしているので、「しっかりこの人を演じてるな」っていうのは伝わってきました。いつもと違う声なので見ていて面白かったです(笑)。
○●主題歌はずっと口ずさんで練習していました

――主題歌「ハイスクールプリンセス」は富園さんにとって初めてのキャラクターソング、そして初めてのレコーディングでしたが、どのような思いで歌われましたか?

モテメン甲子園に出場したことで友情が深まったり、本当の恋の気持ちを知ったりしたあとの成長した幸太郎を表現できるように、キラキラしたところを見せたいなと思って。だから、「キラキラしてるぞ!」という気持ちで歌いました。

――CDにはハイスクールチルドレンver.も収録されていますが、そちらのほうは? ソロパートはモテメン部ver.と同じく「24時間 僕はそれだけ想い続けるよ」というフレーズでしたね。

(そこだけ切り取ると)超重たいですよね(笑)。どんな歌い方をしたらそれが伝わるだろうかって考えたときに、幸太郎とはまた違って、僕だったらその気持ちを思いっきり伝えたいなと思ったんです。このワンフレーズにはその思いを込めました。

――挿入歌の「愛の鎖」については後半でお伺いするとして、先日、『キミモテ』のBD&DVDが発売されました。どんなところを見てもらいたいですか?

まずは絵、ですね。すごくきれいで、感情の描写も繊細に描かれているので、まずそこを見てもらいたくて。あとは本当に幸太郎を見ていただきたいです。僕のお気に入りは振られたときの「どうして」なんですけど、一番見てもらいたいのは、ラストの告白シーンです。

――ありがとうございます。ちなみに、もしモテメン甲子園が実在したら、出場してみたいですか?

出場してみたいです。やっぱり楽しそうだなーって見ていて思って。

――ご自身のモテ要素で何か自信のあるところはあります?

そうですねぇ……。僕、食べることが好きなんです。だから、いっぱい食べるところかな。そこを見てもらいたいですね。

●学生時代に好きだった子を見返したくて
○●「俺はもっとかっこよくなる、小栗旬さんみたいになる」

――ここからは富園さんご自身とハイスクールチルドレンのことをお聞きしたいです。まず気になるのが、プロフィールに書かれている「17歳のときに上京してお芝居を勉強していた」という一文。何がきっかけで高校の卒業を待たずして上京することにしたんですか?

学生時代に好きな子がいたんですけど……。芸能界に憧れていた子だったのでまったく僕自身に興味を持ってもらえなくて、見返すために俳優になろうと思って上京しました。

――なるほど……。なかなかの行動力ですね。

「俺はもっとかっこよくなる、小栗旬さんみたいになる」と。上京してからは一人暮らしをしながら養成所に通って、いろいろなオーディションを受けていました。

――『キミモテ』オーディションも、役者になれるチャンスだと挑戦されたわけですね。声優という仕事にはいつ頃から興味を持っていましたか?

中学3年の頃に『進撃の巨人』や『ソードアート・オンライン』を見て「うわ、アニメってこんなにすごいんだ……!」「エレンになってみたい!」と思って、そのときから声優をやってみたいなという気持ちはありました。

――あ、それで富園さんの紹介テロップがあんなことに。オーディション番組中盤まで「梶裕貴の大ファン」とだけ書かれていましたよね(笑)。

確かに(笑)。ずっと「かっけぇ!」って思っていたんです。

――オーディションの最終審査は合宿形式で10日間ひたすらロッジを作るという内容で、表現力を問われる場面がほとんどありませんでしたが、それまでの段階で演技や歌の審査は……?

ありました、ありました(笑)。でも確か審査内容が直前まで知らされていなかったので、「歌唱審査!?」ってびっくりした記憶が。ふふふ(笑)。僕は「366日」を歌ったんですけど、すごく緊張しました。
○●自分自身でメンバーを選んだ気の合うグループ

――毎日「同じグループで一緒にやっていきたい人」を投票し、最下位となった参加者が一人ずつ脱落していく。そんな見ていて胃が痛くなるような最終審査を経て、ハイスクールチルドレンが結成されました。

自分自身で選んだメンバーなので、やっぱり気が合いますね。

――合格後すぐに始まったという5人での共同生活はいかがでしょう?

寂しくないですし、苦手だった幽霊とか暗いところが苦手じゃなくなりました。あと、喧嘩っていう喧嘩もなくて、たまにちょっとした言い合いが起こるぐらいなんです。リビングが散らかされて汚くなっているとそれは少しイラっとするんですけど(笑)、とても居心地がいいなとは思います。

――確か、高橋さんが掃除担当っていう……。

あ、掃除担当です。そこをしっかりカバーしてくれるのが奎仁くんで。きれいになってますよ、次の日には。

――ありがたいですね。せっかくなのでまだ名前が出てきていないメンバーのお話もいただきたいんですが、最年長の田淵さんは?

累生くんは最初、『キミモテ』で言うと駿さんみたいなかっこいい憧れの存在だったんですけど、すごい独特というか。だんだんいろいろな面が見えてきました。昨日もふたりでいたら「クレープ食べようよ!」って言い出して、お店のほうにばーっと行っちゃったんですよ。それで顔くっしゃくしゃにしてニヤけながら食べてて(笑)。そういうところは年上でかっこいいのにかわいいなって。

――末っ子の石橋さんについては。

弘毅はすごく弟感があって、寝転んでいると体の上に頭を乗せてきたり、「今日ご飯食べに行きましょうよ」ってご飯に誘ってきたり、甘えん坊でかわいいですね。100人いたら100人が「弟にしたい」って言うと思います。

――『キミモテ』挿入歌の「愛の鎖」がハイスクールチルドレンのデビュー曲となりましたが、レコーディングはいかがでしたか?

二組に分かれてのレコーディングで、僕は累生くんとブースに入ったんです。サビは「盛り上げるぞ!」「いくぞ!」という気持ちで目を合わせながら一緒に歌って、とても楽しかったですね。

――ミュージックビデオのダンスについてもぜひ。Dance Shot ver.が公開されたとき、1番Aメロでの富園さんの腹チラと、サビ前でやっている鎖ダンスに衝撃を受けたんです(笑)。

へへへっ(笑)。ソロパートは自分でアレンジすることになったんですけど、「ノーノーノーノー」というフレーズに色気を感じたので、腹チラを入れようと思って。いろんな僕を見せていきたいので、キレも意識しながら、ずっと鏡の前で見せ方を研究していました。

――昨年末の初舞台(『DRAMAtical Murder』)やVOYZ BOYでの活動でも、キレッキレでしたし体の軸がしっかりしている印象があって。そのあたりはスポーツ経験が生きているんでしょうか。

野球とかテニスとか、スポーツはいろいろやってたんですけど、……あ、空手! 空手ですかね? その経験は関係していると思います。

○●役のためだったら裸にもなるし何だってする、それぐらいの気持ちで

――オーディション合格から1年半ほど経ちましたが、役者としての目標は?

上京したときからずっと僕の芯になっているのは、「日本一の映画俳優になる」という目標です。気持ちがブレそうになってもその思いが僕を支えてくれていて。役のためだったら裸にもなるし何だってする、それぐらいの気持ちでお芝居をやっていきたいです。

――声優として演じてみたいキャラクターはありますか?

声のお仕事では、本当に松岡禎丞さんが憧れで。(『Re:ゼロから始める異世界生活』の)ペテルギウス・ロマネコンティみたいな狂気を持ったキャラクターや、かっこいいキャラクターを演じてみたいなと思っています。あとは耳元でささやくセリフとか……。ダミーヘッドマイクを使ってみたいんですよ。

――かなり具体的な夢が(笑)。ぜひそこを目指してこれからも頑張りましょう。ハイスクールチルドレンとしてはどんなグループになりたいですか?

「こいつら何でもできるよな」って思われるグループになりたいですね。

――13日に公開された映画『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』の話になるんですが、先月その完成披露試写会&ファンミーティングに出演されていたじゃないですか。

緊張を通り越して舞い上がるぐらい、お客さんの熱量や歓声に感動しっぱなしの楽しいイベントでしたね。もうほんっとにすごかったです。

――代々木第一体育館という大きな会場でしたが、「いつか5人であれぐらいのステージに立ちたい」というような。

はい。リハーサルのときにも会場を見渡して「ハイチルで立ちたい!」って考えてました。

――その日を楽しみにしています! 最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

『キミモテ』は僕の声優としての第一歩の作品。1回は見てほしいなと思うので、まだ観ていないはもちろん、すでに観た方ももう一度見ていただいて、キュンとしてもらえたら嬉しいです。僕自身としては、これからいろんな僕を見ていただきたいなと思っているので、よろしくお願いします!
○●『キミだけにモテたいんだ。』Blu-ray&DVD

発売日:2月26日
【Blu-ray】6,000円(税抜)
【DVD】5,000円(税抜)
(本編ディスク+オリジナル・サウンドトラックCD)(友安美琴)