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気球で西ドイツへ亡命を図った家族の実話 『バルーン 奇蹟の脱出飛行』今夏公開決定

2020年03月26日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『バルーン 奇蹟の脱出飛行』(c)2018 HERBX FILM GMBH, STUDIOCANAL FILM GMBH AND SEVENPICTURES FILM GMBH

 ドイツ映画『Balloon(原題)』が、『バルーン 奇蹟の脱出飛行』の邦題で今夏公開されることが決定した。


参考:今まで知らなかった“東ドイツ”を目撃するーーベルリンの壁崩壊30周年に公開された2作品に寄せて


 ドイツが再統一されてから30年が経った2020年に公開される本作は、東西に分断されていた1979年に実際に起きた実話をもとにしたサスペンス。1979年、東ドイツ・テューリンゲン州の電気技師ペーターとその家族は、手作りの熱気球で西ドイツを目指すが、国境までわずか数百メートルの地点に不時着してしまう。東ドイツでの抑圧された日常を逃れ、自由な未来を夢見ていたペーターは、準備に2年を費やした計画の失敗に落胆の色を隠せない。しかし、妻とふたりの息子に背中を押されたペーターは、親友ギュンターの家族も巻き込み、新たな気球による脱出作戦への挑戦を決意する。ギュンターが兵役を控えているため、作戦のリミットは6週間。ふたつの家族は一丸となって不眠不休の気球作りに没頭するが、国家の威信を懸けて捜査する秘密警察の包囲網が間近に迫っていた。


 ハリウッドのアドベンチャー映画さながらの脱出劇を実行し、本当に成功させてしまったのは、特殊技術も持たないごく平凡な一般市民で、総勢8名のメンバーの半分は幼児を含む子どもだった。そんな彼らは、当時のメディアに「東ドイツからの最も華々しい亡命」と世界的に報じられた奇蹟の脱出作戦をいかにして成し遂げたのか。国家の裏切り者として逮捕、投獄されるリスクを知りながら、命を危険にさらしてまでも、なぜ一か八かの亡命を決断したのかを解き明かす。


 監督を務めたのは、『ドリームシップ エピソード1/2』『マニトの靴』のミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ。『ルートヴィヒ』のフリードリヒ・ミュッケ、『ガーディアン』のカロリーヌ・シュッヘ、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『タクシー運転手 約束は海を越えて』のトーマス・クレッチマンらが出演する。(リアルサウンド編集部)