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『オオカミちゃん』『ドラ恋』『さよプロ』……いま見たいAbemaTVオリジナル恋リア4選

2020年03月26日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『月とオオカミちゃんには騙されない』(c)AbemaTV

 出会いと別れの季節、春ーー。そんな今だからこそ見たい、AbemaTVオリジナル恋愛リアリティーショーのオススメ4作品を紹介したい。


(関連:ナナ、復活なるか? イレギュラーな事件連発の『月とオオカミちゃんには騙されない』第12話


■『月とオオカミちゃんには騙されない』
 女性陣の中に決して恋をしない“オオカミちゃん”が最低一人混ざっている恋愛リアリティーショー『月とオオカミちゃんには騙されない』。真実の恋をしたい男女が、恋の駆け引きやデートを繰り返しながら、本気の恋に落ちていくまでを追う。「女子高生の3人に一人が見ている」と言われるほど、絶大な人気を誇る『オオカミ』シリーズの最新作にして、7作目となる。


 シリーズ史上最多となる11名の男女が参加している今回。見どころは、何と言っても“最後までわからない恋の行方”だろう。6名の女性メンバーの中から“オオカミちゃん”が誰なのかを推理する難しさと面白さはもちろんのこと、今シーズンは歴代で最も展開が読めなかったように思う。


 たとえば、視聴者が最も怪しいと思うメンバーに投票する“オオカミちゃん投票”や、脱落しないでほしいメンバーに投票する“落ちないで投票”の結果だ。今回は一番疑われているメンバーがこれまで以上に予想しにくく、脱落&復活ともにまさかの結末を迎えた。


 さらに、序盤から安定しているカップルは“そたりこ”のみ。後半からはルーク&りおんも急接近しているが、他のメンバーはまだ気持ちが固まりきっていなかったり、想いが一方通行だったり、すれ違ってしまったり、多角関係に発展していたりと、回を重ねるごとにそれぞれの気持ちが複雑に絡み合っていく。最終回を目前にしてもまだ、こんなにも恋愛模様の行方が予想できないことが過去あっただろうか。運命に翻弄されながらも、彼(女)ら11名が下した決断。衝撃のフィナーレが待ち受けているはずだ。


■『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』
 “恋愛ドラマをきっかけに本当の恋は生まれるのか?”を検証する、恋愛リアリティーショー『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』。若手俳優が、毎話様々なキスシーンが用紙されている恋愛ドラマの撮影に挑み、その過程で本気の恋が芽生えていくかを映し出す。番組内の恋愛ドラマで各回の主役を演じられるのは、選ばれた男女1組だけ。回ごとにペアが変わり、役を勝ち取るために相手役と稽古やデートを重ねながら、関係性を深めていく。


 今回、用意された台本は、“主演が毎回変わる連続ドラマ”。「血の繋がらない兄妹たちの禁断の愛」をテーマに、過激でディープな世界観を描く。そして、シリーズ史上初の試みとなるベッドシーンも。


 親の再婚によって兄妹となった“神谷大樹”と“神谷恵子”を軸に物語が紡がれていくのだが、好きになってはいけない相手に恋をしてしまった罪悪感と葛藤、だけど抑えられずに膨らんでいってしまう想いといった二人の感情の揺れが、とても丁寧かつ繊細に表現されていて、恋愛ドラマとしても秀逸だ。そんな二人と彼(女)らを取り巻く人物たちの役が、毎回オーディションによって選出されていくのだから、実に斬新である。同じ役なのに、違う役者が演じるだけで、見る者に与える印象はこんなにも変わるのかと驚くと同時に、誰が演じても、違和感なくしっかりとその役になるのだから、不思議だ。


 そして、恋愛ドラマの内容と現実の彼(女)らの恋愛模様がそれとなくリンクしてくるのもまた面白い。それは、役に入りすぎるあまりの錯覚なのか、それとも役を通すからこそ解放される本心なのか……。回を重ねるごとに、役者としての顔だけでなく、メンバーひとり一人の人間性や性格など芯の部分も垣間見えてくるため、ある意味では究極の“リアリティーショー”(人間観察)なのかもしれない。


■『いきなりマリッジ3』
 初対面の男女が結婚式を挙げ、そのまま30日間の新婚生活を送る結婚リアリティーショー『いきなりマリッジ3』。30日後、本当に婚姻届を提出するか、新郎新婦がそれぞれの決断を下す。


 今回の新婚夫婦は、内装業/ダンサー・ジュンペイ(39)×モデル・ヒナ(24)の“年の差夫婦”と、ヘアメイクアップアーティスト・タケル(33)×フィットネストレーナー・ナツキ(29)の年収1400万円“ハイスペ夫婦”という二組。それぞれ結婚相手への“トキメキ”が鍵となった。


 今や恋愛リアリティーショーと呼ばれる作品は、数多く存在するが、その中でもこの『いきなりマリッジ』は、かなり特殊ではないだろうか。


 まず、複数の男性(女性)の中から運命の相手を選び出す……といった恋愛リアリティーショーの一つの醍醐味とも言えるイベントが発生しない点である。登場するのは、男性1名と女性1名の2名のみ。もちろん、事前のアンケートやスタッフとの面談などで、相性の良いとされるカップリングになっているのだが、全くの他人同士、ましてや初対面の二人が30日間生活を共にするのは、かなりリスキーではないだろうか。次に、ゴールが恋人になることではなく、“結婚すること”という点だ。生涯のパートナーを決めるのだから、一つひとつの選択が慎重になるし、様々な場面での基準も厳しくなる。些細なことも気になるし、壁にもぶち当たる。付き合ってみたらやっぱり違ったから別れます! なんて簡単にできない。だからこそ、番組自体の内容も重く、味わい深い。


 そんな二人を通して、私たち視聴者は様々なことを考えさせられる。相手への思いやりの定義や、価値観、考え方の違い、求めること……など、人それぞれによって違うことなんて当たり前だが、それを改めて気づかされる。そして、自分にとっての結婚に必要な条件も浮き彫りになってくるはずだ。


 「恋愛と結婚は違う」とよく言われるが、本作を見ていると、その意味を痛感すると同時に、結婚するには“恋愛感情も重要”だということが伝わってくる。


■『さよならプロポーズ シーズン2』
 結婚するタイミングを逃したカップルが、7日間、恋人として最後の旅に出て、結婚か別れかを決断する結婚リアリティーショー『さよならプロポーズ シーズン2』。今回の旅先は、メキシコ。異国の地でたくさんの人に出逢い、様々なものに触れることで、恋人たちの運命が動いていく様を収めている。


 “男女の出会い”をプロデュースするのではなく、前にも後ろにも進めないカップルに今後を決断せざるを得ない状況を与える本作。つまり、“恋人からの別れ”を描くのだが、彼(女)らにとっては、今後の人生を左右する大きな選択になるだけに、この7日間がなんとも濃厚で妙に生々しい。そして、結婚もできないし別れることもできないカップルたちが、それぞれ抱えている問題の根幹とその真相が炙り出されていく。彼(女)らの間には、常に“価値観”という壁が大きく存在してるように思う。


 結婚とは何か、恋人とは何か。自分にとって最も大切なもの、失いたくないものは?……様々な“幸せの形”を知ることができる『さよならプロポーズ』。本作は、私たちにとって最も身近かつ、出演者と視聴者がリンクする恋愛リアリティーショーなのではないだろうか。(文=戸塚安友奈)