ブラック企業で働く多くの人は、低い給与額に不満を抱いている。キャリコネニュース読者からは、ブラックな実態を明かす中でも、低い手取り収入もともに申告する声が多く寄せられている。
「18時間くらい毎日仕事。残業代出ない、手取り16万」(30代男性/技術職)
「1日14時間労働、保険一切なし。手取り13万ちょっと」(40代男性/販売・サービス職)
「ほぼ毎日2~3時間残業。残業代込手取り12万円」(30代男性/クリエイティブ職)
いずれも労働時間に見合わない金額が並ぶ。給料が安すぎるブラック企業経験談はこれにとどまらない。(文:林加奈)
「生徒に教えている時間以外はすべてサービス残業。手取り14万」
営業職の20代女性は過去に勤務した会社で「4年目になっても手取りは15万円以下」だったという。その実態は典型的なブラック企業そのものだった。
「休日にマラソン大会や社員旅行に強制参加。昼夜休日問わず会社携帯が鳴り対応を余儀なくされる。会社携帯がつながらなければLINEが来ることも。土曜日は隔週で出勤していたが休日手当はなし」
さらに、社有車で地方に移動するため、早朝に家を出ても「勤務時間になるのは2~3時間後の現地到着時間から」という。女性は「若手が生活が苦しいと言って毎年退職しています」と明かす。
パソコンインストラクターをしている20代の男性は「生徒に教えている時間以外はすべてサービス残業。手取り14万。1年間で社員の1割が何らかの理由で辞める」という。給料が低く、離職率が高いのがブラック企業の特徴のひとつだ。
勤続12年、24時間365日電話に対応せざるを得ない状況でも「手取り17.5万円」
30代男性は「従業員が私一人」という自動車整備工場で新卒から12年間働いていた。カレンダーの赤い日は休みだが24時間365日、客から電話がかかってきたら対応せざるを得ない。
そのため、お酒を飲めない、遠くに遊びに行けない、トイレでも風呂でも携帯を手放せない生活を続けたという。
「休日や夜間などの勤務時間外の仕事は『お前が勝手にやったこと』と手当が出ない。指を切断しようが勤務中にぎっくり腰をやろうが労災は絶対に使わない上に、仕事を続行させられる。年間数千万円私一人で稼いでいて12年目の給料は17.5万円でした」
最終的に会社とトラブルなり、労働審判をすることになった。
「未払い賃金請求と、労災隠しやパワハラの慰謝料請求をしました。裁判で『零細企業はこんなもんだ!』と調停員や裁判官に食って掛かっていたのは笑えました。今は金額が高いのに何も対応してくれないと、だいぶお客様が減っています」
と綴る。
過酷な仕事内容に見合わない低い給料なら、人材が流出するのは自然なことだ。どの業界で人手不足が続いているが、会社側は従業員が満足できる待遇を用意しなければ、存続が危ぶまれる可能性もあるのではないだろうか。
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