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外出禁止のスペインで「つらい時だからこそ音楽を」バルコニーで即興デュオ<動画あり>

2020年03月24日 06:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

バルコニーで即興デュオが実現(画像は『InspireMore.com 2020年3月19日付「Spanish Neighbors Join Together For Epic Céline Dion Concert On Balconies.」』のスクリーンショット)
スペインの第2の都市バルセロナで、自宅隔離を強いられている男性がアパートのバルコニーでピアノ演奏を披露したところ、これに気付いたはす向かいのビルに住む男性がサクソフォンで演奏に加わった。この様子は動画に収められ、「つらい時だからこそ音楽を奏でよう」というメッセージとともに世界中に拡散している。

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欧州の中でイタリアに続き新型コロナウイルスの感染者数が多いスペインは、23日の時点で感染者が3万3千人超、死者数は2200人を上回っている。サンチェス首相は3月14日に非常事態を宣言し、国民は15日間にわたり、仕事や生活必需品などの購入、医療機関への受診などを除き外出が原則禁止された。

それから2日後の16日、広場を囲むようにしてアパートが立ち並ぶバルセロナの一角に電子ピアノの音色が響き渡った。演奏を始めたのはアルベルト・ヘストソさん(Alberto Gestoso)で、アパートのバルコニーから映画『タイタニック』のテーマ曲でもあるセリーヌ・ディオンの『My Heart Will Go On』を奏でたのだった。

誰もが一度は耳にしたことのある美しい旋律に、自宅隔離中の近隣住民らが気づくのに時間はかからなかった。人々は沸き立ち、次々とバルコニーに姿を現すと、アルベルトさんのピアノに聞き入った。

そしてこの突然のピアノ演奏に、音楽で応えた人物がいた。アルベルトさんが住むアパートのはす向かいのビルに住むアレックスさんだ。アレックスさんは自分のサクソフォンを手に取ると、バルコニーから身を乗り出すようにして演奏に参加し、即興で実現したデュオには周囲から拍手や歓声があがった。

この様子を撮影したアルベルトさんの友人、ソフィアさんは「天気が良い日だったけど、外出は禁止されていたでしょう。だから誰もが人との関わりや、明るい話題に飢えていたの。あの瞬間、みんなが彼らの音楽に惹きつけられたのよ」と語っており、SNSにこの動画を投稿すると世界中から反響があった。

アルベルトさんは演奏から1週間後、同じ動画を自身のSNSに投稿し、次のように綴った。

「あの演奏から1週間が経ち、状況はかなり悪くなっている。私たちは(ウイルスと)闘い続けなくてはいけないんだ。それも自宅からね。早期に問題を解決するために、みんなが責任をもって対処しなくてはいけないことだ。」

「一方で音楽を奏でることはやめちゃいけないよ。だって音楽は世界の共通語であり、私たちの魂を癒す力を持っているからね。僕に愛やメッセージを送ってくれたみんな、ありがとう。自宅で安全に待機してくれて感謝してる。そしてこの世界の危機を乗り越えようと、今も働いてくれている全ての人に大きな拍手を送るよ。特に私たちを救うために命を危険に晒して闘ってくれている、医療関係者のみんなにね。」

ちなみにこの投稿には、「涙が溢れて止まらなかった」「なんて美しい響きなの」「ロンドンもロックダウン(封鎖)になるんだ。僕たちはひとりじゃない。みんなで乗り切ろう」「音楽は私たちを一つにしてくれる。本当に美しい音楽をありがとう」「パニック買いとか嫌なニュースばかりの時に、こういうのって温かい」「インスパイアされたよ」といったコメントがあがっている。



画像は『InspireMore.com 2020年3月19日付「Spanish Neighbors Join Together For Epic Céline Dion Concert On Balconies.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)