新型コロナの感染拡大による影響は、生活だけでなく、人生の大きな節目にも及んでいる。
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結婚準備情報アプリの「ウェディングニュース」が、結婚式を控えた女性にウェブアンケートを実施(3月7日から3月10日)し、378人が回答した。
新型コロナの感染拡大を受け、結婚式を実施した(する)人が37.4%(142人)にのぼる一方で、延期(キャンセル含む)は30.0%(112人)となった。「迷い中」と回答した人も32.6%(124人)おり、式開催の直前まで悩むカップルたちの姿が浮きぼりになった。
理由は主に「妊娠していて延ばせない」(実施)、「高齢の祖父母に花嫁姿を早く見せたい」(実施)、「ゲストの不安がない状態で来てほしかった」(延期)、「世間の反応をみていて心が折れてしまった」(迷い中)という声が集まった。
回答を寄せた人の中には、2019年10月の台風直撃による延期を経験した人も複数含まれていた。また妊娠を希望する人たちからは、結婚式を延期することにより妊活が先送りになることへの不安も語られた。
晴れの日に向けた日々の中で、それぞれが深く思い悩んで決断を下している様子がうかがわれる。以下、詳しく紹介したい。(アンケートの詳細はこちら:https://www.weddingnews.jp/magazine/139749)
●実施する人は「現在妊娠中」「妊活を急ぐ必要がある」
実施した人の声
アンケートでは約4割の人が実施に踏み切った(る)と答えている。回答には「妊娠していて延ばせない」「祖父母に花嫁姿を見せたい」「妊活を急ぐ必要がある」と切実な声があがった。
「春婚が憧れで、全て春仕様にしてしまったために、延期したらまた1から作り直しになる。 持病があるため、式終わり次第妊活を急ぐ必要があった」
「祖母に花嫁姿を見せたくて結婚式を決めたのですが、その祖母の体調が良くない為、延期する余裕が無かった」
「今回延期しても、また台風や地震などの天災がないとは限らないから」
「延期にするにしてもどこまで伸ばせば良いかわからない。 子供が早く欲しいので。 職場をすぐにでも退職したいが上司を呼んだ為、結婚式後なかなかすぐに辞めるとは言えない。 そのため結婚式をすぐに挙げて、なるべく早く退職したい」
昨年の台風直撃で延期した人は、2度の延期はできないと答えた。
「昨年の台風直撃の日の挙式を延期しての今月挙式予定です。 もう延期したくないというのと、前回は延期料金かからないが今回はかかってしまう為。今回も延期した所でいつ出来るか分からないからです」
●延期した人「世間の反応をみて心が折れた」
延期した人の声
延期という苦渋の決断をした人たちもいる。
「外出を控えるように報道があった直後が披露宴の日程で、ゲストの心理的不安や自粛ムードがあったため」
「遠方からのゲストがたくさんいて各地から集まる予定だったため。小さな子どもや赤ちゃん連れゲストもたくさんいた。自分達の祖父母も高齢だった」
「挙式会場の市、私の出身地、主人の出身地からコロナ発生者が出た」
「コロナの感染が拡大している北海道からの親族や出席者が多かった」
中には「正直自分が招待されても全く気にならないが、世間の反応をみていて心が折れてしまった。万が一のことがあったら責任がとれないと思った」という回答もあった。
実施した人たちの多くが、式場に消毒液の設置やスタッフのマスク装着などの対策を確認している。そのうえで、出席者に再度の出欠確認を行っていた。
●「コロナで休業、式どころではなくなった」
早くも、コロナによる不景気の影響を受けた人もいる。
「パートナーがコロナウイルスの影響により休業を余儀なくされ、気持ちの面や金銭的な 面で式どころではなくなってしまったため。 また、コロナウイルスの感染のリスクヘッジのため」
職場の上司や同僚など仕事の関係者を招待する人も多いためか、「上司の意見」「旦那の会社で不要な集まりは辞めるよう提示されたため、会社の人がこれなくなった」といった事情をあげる人もいた。
なお、学校教員や医療関係者からは次のような声もあげられている。
「新郎が教員のため、一斉休校になった時点で決めました。休校中に式を挙げて感染者が出たら、新郎の今後に関わると思い、式を親とのみ挙げ、披露宴はキャンセルしました」
「夫婦ともに医療関係者。ゲストも8割が医療関係者のため、病院から自粛指示が出て欠席が増え続けてしまった。せっかくの式なのに、、、と辛くなった」
中には、今回が2回目のキャンセルになった人も。
「新婦の母です。 一度目は昨年の大型台風により3月に延期。コロナの影響で欠席者が増え、最低挙式人数(65人)を割ってしまったため、再度延期。2度目のキャンセルの場合『最初の見積りの40%負担』という契約書を交わしていた為、165万円を負担しなければならないため再度延期にしました」
●迷っている「良かれと思った結婚式プラン、全てが裏目に」
迷い中
回答者の大半は25-34歳の若い人たちだったためか、延期をちゅうちょする理由に「妊活」をあげる人も多かった。
「延期になる辛さよりも、感染するかもしれない怖さで心が折れそう。個人的な事ではあるが、結婚式後に妊活予定で来年中の出産を希望しているので、自分のことを優先したら結婚式は決行したい」
「マスクだらけの結婚式になるのがいや」
「ゆったりできる温泉宿でGWに予定していました。しかし、良かれと思って計画したことが全て裏目に出ているような気がしてなりません。もしゲストの中から感染者が出てしまったら一生後悔するかもしれません」
キャンセルするか否かーー。本人たちの気持ちだけでなく、親、職場、そして金銭面が切実な問題となる。
「税金が8%のときに決めたものもあって、延期をすると10%になってしまいます。たかが2%の差なんですが、数百万単位のものとなると…。」
「同じ職場から感染者が発生しました 職場からは結婚式を自粛すべきだと言われています しかし結婚式を延期するにも中止するにもお金がかかるため、その費用を誰がもつのか不安でしかない」
「キャンセル料さえ発生しなければ、毎日不安に思わなくて済むので延期にしたい。しかし現実問題として金銭的に厳しくなるのが1番大きい。 30代なので結婚式→新婚旅行→妊活を計画的にしたかったけどその計画も崩れてしまう」
「招待状を送った後にコロナが日本に上陸。結婚式に向けて子どもを我慢しているのでこのまま延期になった場合、どうするか悩みます」
●悩む医療者たち「職場にウイルスを持ち込めない」
ここでも医療者たちは大いに悩んでいた。
「看護師である新婦のゲストは、ほぼ看護師です。ウイルスをゲストに媒介してしまう可能性があること、大人数の会場でコロナを自分達がもらってしまい勤務先で飛散する可能性、両方の不安があります。 ゲストは来る気満々でいてくれていますが主催側として、もし感染が起きてしまった場合には医療者としての責任は大きいのでないかと考えています」
「ゲストは120名程と多い披露宴。医療従事者のため職場にウイルスを持ち込むわけにはいかない」
「自分も含め周りに医療職が多いため感染のリスクが0ではない、決行したいけど友達でキャンセルがでるのが怖い」
なお、延期したのは112人で、「キャンセル料が発生した(する)」と回答したのは42人にのぼる。この42人の内、実費以外に「キャンセル料金が発生した(する)人は、20人にのぼり、最高額で100万円となった。