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2PM、爽やかなデビュー曲から“野獣アイドル”な楽曲まで 日本リリースシングルから振り返る音楽的変遷

2020年03月23日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

2PM『THE BEST OF 2PM in Japan 2011-2016』

 3月13日、日本で発表された楽曲からのベストアルバム『THE BEST OF 2PM in Japan 2011-2016』をリリースした2PM。現在、メンバーの兵役中によりグループ活動を休止している彼らだが、同作がオリコンデイリーアルバムチャートで1位を獲得し、日本での根強い人気が変わらないことを証明した。


 今回は、2PMが日本でリリースしてきた11枚のシングルから、彼らの音楽変遷を振り返ってみたい。


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■爽やかな白装束でデビュー


 2011年5月、シングル『Take Off』で2PMは日本デビューを果たした。「アジアNo.1″野獣アイドル”2PM!」というキャッチフレーズでデビューした彼らだが、表題曲「Take Off」は、白い衣装をまとったメンバーたちが、宇宙船のようなセットで歌い踊る明るい楽曲に仕上がっている。


 〈Ready, ready ready for the take off〉と飛行機の羽のように腕を広げて飛ぶようなダンスの振り付けは、ファンの間でも浸透し、ライブでは一緒に行うポイントダンスとして盛り上がる曲だ。


■“野獣アイドル2PM”を確立した「I’m Your Man」


 そんな爽やか路線でいくのかと思いきや、2枚目のシングル曲「I’m Your Man」でガラッと雰囲気を変えてくる。これこそ、“野獣アイドル”の代名詞となった曲かもしれない。


 以前のコラムでも紹介したが、「I’m Your Man」は、彼らの持つ野性味と雄々しさが他のグループたちとは全く違っていた。この曲でファンになった人も多いと聞く。それくらい2PMのカラーを作り上げてきた曲と言えるだろう。


 その後の3枚目のシングル曲「Ultra Lover」で「Take Off」のような爽やかな路線に一旦戻るが、4枚目のシングル曲「Beautiful」以降しばらくはこの路線で走っていくことになる。野生的で大人の色気をまとった2PMのスタイルが確立されていくのだ。


 特に5枚目のシングル曲「マスカレード ~Masquerade~」はその真骨頂と言えるかもしれない。鍛え抜いた肉体を惜しみなくさらけ出し、哀愁漂う曲でダンスをする2PMの存在感は唯一無二だろう。


■JUN. Kが作り上げた2PM流J-POP「Higher」


 日韓同時リリースだった8thシングル曲「ミダレテミナ」でメンバー・JUN. Kが作詞作曲に参加するが、日本向けというよりどちらかというと韓国寄りに作られた曲だった。彼が作曲能力の凄さを発揮するのが10枚目にリリースされたシングル表題曲「HIGHER」だ。


 ピアノのイントロで始まるこの曲は、ヒップホップ調のJUN. Kのラップから入る。ここまではK-POPの楽曲によくあるパターンなのだが、サビに入ってガラッと印象を変える。


 〈Take me Higher(となりに君がいる限り)〉とチャンソンが歌い上げるサビで一気に曲の雰囲気を盛り上げていく。メロディアスででインパクトを与えるサビの作り方は、非常にJ-POP的だ。JUN. KはJ-POPの曲の構造をしっかり把握してこの曲を作り上げたのではないだろうか。このサビがあるおかげで、とても心地よくメロディが響く良質な楽曲に仕上がっている。


■完全体で復活する2PMに期待


 日本では2011年から2016年の間に11枚のシングルをリリースしてきた2PM。彼ら全員が兵役から戻ってきて完全体になるまで、あともう少し。最初にテギョンが入隊してから待ち続けているHOTTEST(2PMファンの名前)にとっては、待ち遠しい日々だろう。


 2PMとして動き出す前に、兵役から戻ってきたメンバーたちののソロ活動も動き出す。この5月にはJUN. Kが日本でミニアルバム『THIS IS NOT A SONG』をリリースし、音楽活動を再開する。2PMはグループとして、どのような音楽を私たちに見せてくれるだろうか。(西門香央里)