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『いきなりマリッジ3』最終話ーー出会って30日目、婚姻届の行方は? “最後の初夜”が鍵に

2020年03月23日 02:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『いきなりマリッジ3』(c)AbemaTV

 初対面の男女が出会ったその日に婚姻届を書き、そのまま30日間の“新婚”生活を送る“新婚”観察リアリティーショー『いきなりマリッジ』待望の第3シーズン。「ハイスペ夫婦編」最終話が、3月21日よりAbemaビデオにて配信されている。


(関連:『いきなりマリッジ3』第9話ーー出会って30日目、婚姻届提出なるか? 新郎新婦が下した決断に涙


「結婚だけのパーセンテージで言えば、クリアできる。でも……」


 “新婚”生活30日目を目前にして、新郎タケル(33歳)は新婦ナツキ(29歳)との結婚への胸の内を明かした。


 “新婚”生活27日目。ナツキの得意料理・タコ焼きを食べながら、二人は「前の人たちもこんな感じだったんだろうね」「やった人にしかわからない感覚だろうね」と、歴代のカップルも感じていたであろう複雑な心境を口にする。「こんなに誰かと一緒にいるなんて(今まで)なかった」「親にお互い会わせるとかもなかった」と、タケルとナツキは番組のおかげで良い経験ができたと感慨深そうに語り合う。タケルはナツキが不安を打ち明けた日や家出した日のことを思い返し、「何もない1カ月だったら(関係が)薄っぺらかっただろうね」と呟いた。長いようで短い30日間で、正直な気持ちを伝え合ってきた二人だからこそ、濃密な関係性を築きあげられたのだろう。


 “新婚”生活28日目はディナーデートへ。出かける前、タケルにヘアメイクをしてもらい、彼からプレゼントされたイヤリングをつけたナツキは、いつも以上に魅力的だった。


 前日のインタビューで、タケルは「結婚だけのパーセンテージで言えば、クリアできる」とコメント。しかし、タケルは「ドキドキするみたいなことがなくて」と、出会ってからずっと引きずっていた思いを打ち明ける。男女の関係に悩んでいたのは、ナツキだけではなかったようだ。


 ディナーの席で、どことなく緊張した面持ちの二人。タケルは「なっちゃん(ナツキ)の実家訪問から、結婚についてより深く考えるようになった」と言うと、箱根旅行で伝えられなかった子どもとお金の話についての自分の考えを述べ始める。「生活水準はできるだけ下げないようにしたい。奥さんと子どもには良い暮らしをさせたい」。そんなタケルの意思を、ナツキは真剣に聞いていた。


 この席で、タケルは「朝になっても引っ掛かりがなければ、結婚できると思う」とナツキに告げている。タケルはその“引っ掛かり”が、男女の関係であることを明言していないが、二人が抱えているわだかまりは同じ。お互いにときめきを感じられるかどうかが、二人の決断を左右する。帰り道、「(決意は)固まってきてる?」と問われたナツキが、「日々思うことが変わりすぎちゃって……」と弱々しい声で答える姿からは、迷いが感じられた。


 “新婚”生活29日目。いつも通り仕事に励んでいたタケルとナツキは、最後の夕食を楽しむ。北海道で式を挙げたときに買ったタコを使ったアヒージョを食べながら、タケルは“新婚”生活2日目に食べたアヒージョを思い出す。2日目は、ナツキがタケルへの不安を正直に告白した日だ。「2日目もアヒージョだったけど……今日のアヒージョ、あったかいなって思った」と和やかに笑うタケル。穏やかな時間を過ごしていると、ナツキがふいに「もっとうまくできたんじゃないか」とこれまでを振り返り、泣いてしまう。そんなナツキを見て、タケルは「一緒にいられた時間がよかった」と優しくフォローする。「これから先に向けて行動したらいいんじゃない?」と言葉をかけるタケルの姿は、30日後の生活を前向きに捉えているように感じられた。タケルが「最後、一緒に寝ようよ」と声をかけ、二人はベッドを共にする。


 お互いにときめいてるかがどうかを気にしているタケルとナツキだが、その答えがここまで明かされていないことに、ゲストの杉浦太陽はヤキモキしていた。MCの陣内智則が、紗栄子にナツキが流した涙の理由を尋ねるが、紗栄子は「結婚して欲しすぎて、感じ取れてないです」と返答。二人がどのような最終決断を下すのかは、番組を長い間見届けてきたMC陣にも読めないのだ。


 “新婚”生活30日目。決断の日。朝起きてきた二人はテーブルに着席し、面と向かってお互いの“答え”を告げる。


 タケルの答えは「NO」。タケルは「まずは30日間、ありがとう。応募してくれてありがとうって思ってる」と出会えたことへの感謝を述べた。ヘアメイクアップアーティストのタケルは、美に携わる仕事をしているナツキに女性の強さや憧れを感じた一方で、“一人の女性”として見ることができなかったことを打ち明ける。タケルが引っ掛かっていたことは解消されなかったのだ。


 ナツキの答えも「NO」だった。ナツキもまた「(30日間の“新婚”生活は)タケルんだったからできたんだなって思ってます」とお礼の気持ちを伝える。しかし、一緒にいて楽しいだけではダメだと感じたナツキは「(お互いに尊敬し合う関係になりたかったが)今の段階で、わたしがタケルんに対して、そういう気持ちが抱けなかった」「私への刺激が物足りなかった」と理由を明かす。


 ナツキが「嫌いで結婚したくないわけじゃないから」と強調すると、優しく頷くタケル。握手とハグを交わした二人だが、涙を堪えることができなかった。


 だが、別れたあとの二人のコメントは前向きだ。タケルは「すごく寂しい決断をしたんですけど、意外とアタシ的にはすっきりしてて。それはなっちゃんがちゃんと向き合ってくれたからだと思う。なっちゃんに感謝ですよね」と、最後までナツキへの感謝を口にしていた。ナツキもまた「すごく人見知りな私が、こんなに早く打ち解けられたのは、彼の物腰の柔らかい感じのおかげだったのかなって思う」と話し、「結婚は本当にしたい。あかんかったところが浮き彫りになったので、それを直せばいけるんちゃうかなと思っています」と今後の未来に目を向ける。


 この結末を見た紗栄子が「30日じゃ足りないのかな」とこぼしたとき、杉浦が発した「時間じゃないかもしれない」という言葉が印象的だった。杉浦は「結婚に進めても、心がついてこないと成立しないのかも」と考察。「30日間一緒にいてもトキメかないと、その後も不安になるかもしれない」と推測し、「こういうハッピーエンドもあるのかな」と二人の結末を評価した。番組の終わりに紗栄子が言っていた通り、30日で結婚が成立するのは、まさに奇跡なのかもしれない。タケルとナツキは本当の夫婦にはなれなかったが、今まで以上に「結婚」について考えさせられる回だったのではないだろうか。(文=片山香帆)