トップへ

『ドラ恋~Bang Ban Love~』第9話ーー番組史上初のベッドシーンで四角関係がさらに複雑化!?

2020年03月22日 21:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』(c)AbemaTV

 AbemaTVオリジナル番組『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』第9話は、二次審査のカメラテストオーディションの模様から幕を開けた。


(関連:『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』メンバー6名の写真&プロフィール


 ドラマの第5話目となる台本では、お互いに気持ちを確かめ合った大樹と恵子がついに一つに結ばれ、山場には番組史上初の試みとなるベッドシーンが待ち受ける。二次審査に残った2組は、カメラ撮影が入る中、本番と同じホテルのベッドの上で演技を行い、それをモニター越しに審査されるという本番さながらの内容だ。


 まずは1組目のほくと(南北斗)×みこと(日比美思)ペア。みことは今回初めてたすく(井上佑)以外の男子とペアになり、オーディションに臨んでいる。続いて、追加メンバー同士で初めてペアを組んだタクヤ(根岸拓哉)×ひらりー(平田梨奈)ペア。わかな(若菜)が複雑そうな表情で見守っていたのが印象的だった。


 二次審査の結果、見事主役を勝ち取ったのはほくと×みことペア。澤田(育子)先生は「2組ともにそれぞれのテイストが出ていて悪くなかった」と評した上で、選ばれた二人については「計算ではない表情が丁寧に出せていた。二人が信頼し合って寄り掛かっているからこそ、引き出し合える表情」と絶賛した。確かには全体的に大人な仕上がりだったタクヤ×ひらりーペアに対して、ほくと×みことペアは、これからもう戻れぬ関係に進んでいこうとする二人の戸惑いや覚悟がより表現できていたたように思う。


 なお、梨花役に選ばれたのはひらりーだった。これにはポーカーフェイスのタクヤも悔しさが滲む。選考結果を聞いて思わず笑みがこぼれるほくととみこと。喜びながらも緊張の面持ちのみことに対して、ほくとは真っ先に「みことちゃんなら大丈夫だよ」と優しく声をかける。今回、図らずしもこの二人には、“前回のオーディションでペアを解体させられ、選ばれなかった方”という共通点があった。


 ほくとは、インタビューでこのことにも触れ、「(みことちゃんとは、前回)悔しい思いをしてる同士だから。俺は脇役で出してもらったけど、みことちゃんは一番つらい立場だったはず」と振り返る。そして「みことちゃん(の演技)は毎回、俺はすごく良いなと思っていて、オーディションに関しても。いまは嬉しいより、本番でもっと良いのを出すっていう気持ちの方が強い」と気を引き締めた。


 今回の抜擢で、梨花役にも恵子役にも唯一選ばれたことになるみことは、「ずっとたすくくんと一緒のペアで、今回初めて違う人と組むってなった時に、どうしようって思ったり、緊張したりしたけど」と当時の心の内を明かす。続けて、「ほくとくんが『一緒に組めて嬉しかった、ありがとう』って言ってくれて、それがすごく嬉しくて。“二人で絶対主役をとろう”っていう気持ちでやったから、(主役をとれて)本当に嬉しかった」と心境の変化を語り、雪辱を果たせたことに対して安堵の表情を浮かべた。ベットシーンに挑むことへの不安について聞かれると、みことは「ないと言えば嘘になるけど、ほくとくんを信じて、最後まで撮り切りたい」と意気込んだ。


 ベッドシーンのリハーサル時にも、終始みことを気にかけるほくと。「大丈夫? 女の子と男子は全然違うじゃん。俺は男だから全然大丈夫だけど……」と心配する。その後もほくとは、他愛ない会話を続けて、みことの緊張をほぐした上で、「全力でいく」と宣言。みこともまた「全部受け止める」と応え、二人はお互いに向き合って、手と手を取り合いながら信頼関係を確かめ合っていた。いい雰囲気が漂う中、みことが思わず「“たすくくん”のために頑張る」と名前を間違えてしまう。このまさかの失態に、みことは大慌てし、呼び間違えてしまっただけで、ほくとくんのことを考えていたと必死に弁解する。だがも、ほくとは「この場合、何て言うのが正解なんだろうね? 『ごめんね』も違うしなぁ……」とどこまでも相手を思いやる神対応っぷり。咄嗟の出来事、かつ相手に悪気がないからこそ気まずくもなりかねないこの事態に、“隙”を持って場を和ませられるほくとは、優しさはもちろん、相手を慮る想像力と余裕までをも持ち合わせている“出来た男”である。


 水槽のあるホテルの一室、ピンク色の照明と水槽の青いライトが混ざり、溶け合う中で、ほくととみことのベッドシーンは美しく儚かった。澤田先生の講評通り、二人はとても自然な表情を引き出し合えていて、見ていてドキッとはするものの、いやらしさや陳腐さは全く感じさせない。兄妹でありつつも一線を超えてしまう大樹と恵子の複雑な心境を見事に昇華できていた。


 これにはたすくも「みことちゃん、今回全然ちゃうな、別人やなって思ったっすね。女の顔してるというか」と驚きながらも、どこか納得している様子。みことが自分以外の男性と演技することで、新たな一面が引き出される瞬間を目の当たりにした今、たすくは本心では何を思っていたのだろうか。


 また、はづき(木村葉月)は「(自分と主役を演じた)1話のことを思い返しても、今回のほくとくんは落ち着いていて、すごく堂々としていた。それを見てるのがウズウズした」と意味深な発言を残す。はづきにも、心境の変化があったのだろうか。


 ほくとが持つマイルドな雰囲気や柔らかな声のトーンは、第1話の頃から何ら変わっていない。だが、それ以上にほくとの周囲への配慮や、両想いでなくとも諦めず、けれども押し付けがましくなく、そっと相手を見守る姿勢など、かっこよすぎる内面がどんどん浮き彫りになってきて、彼から受ける印象が変化してきたのではないだろうか。当初、はづきはほくとのことを「何を考えてるのかわからない」と掴みどころがない印象を抱いていた。


 はづきが最初から想っていたたすくはみことのことが好きで、やっと両想いになれたかと思いきや、ずっと自分に好意を寄せてくれていたほくとが、今度はみことと主演ペアになり、二人の距離は急激に縮まっていく……ここに複雑な四角関係の誕生だ。


 そして、本番を終えたほくとの心にも動きが。「みことちゃんって(演技中に)伝わってくるものがすごいから、お芝居していて面白いし、また違うシーンでも一緒にやってみたくなった」と振り返る。「今一番気になっている人は?」という質問に対しては、「今日が衝撃すぎて、わかんない。今までは、“次もはづきちゃんと”って思ってたけど、自分でもわからない」と素直な気持ちを吐露。ほくともまた前回のたすくと同じような状況に陥っているようだ。


 対して、みことは「ほくとくんに何回『ありがとう』って言ったかわからない。お互いの気持ちを伝え合えて、沢山助けてもらえた」とほくとへの感謝を述べるも、気になる相手として名前をあげたのは……変わらずたすくだった。


 ここに来て、また絡み合い出したたすく、みこと、ほくと、はづきの四角関係がどうなるのか、見応えが一気に増していく。


 ついに、ドラマは最終話1話の台本を残すのみ。次話の予告編では、ペア決めを行わず、個人戦でのオーディションになることがアナウンスされていた。たった一人、まだ主役に抜擢されていないチワ(千綿勇平)は、自分の殻を打ち破ることができるのか。クライマックスに向けて、メンバーそれぞれの雄姿を、この目でしかと見届けたい。(文=楳田 佳香)