トップへ

ジェジュン、対照的かつシンプルな構成の両A面シングルの強み 『Brava!! Brava!! Brava!!/Ray of Light』が初登場1位に

2020年03月22日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ジェジュン『Brava!! Brava!! Brava!!/Ray of Light』

参考:2020年3月23日付週間シングルランキング(2020年3月9日~2020年3月15日)(https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2020-03-23/)


 新型コロナウイルスの感染拡大が、チャートに何をもたらしているのか? それは、「CDを積ませる」特典会によってチャートの上位を目指す手法が、相次ぐリリース・イベントの中止によって通用しなくなっている状況です。2月26日の政府要請以降、多数のイベントが中止や延期になっていますが、それはライブだけではなく、CDのセールスにも影響を及ぼしています。


(関連:ジェジュン、バラード中心の新作『愛謡』で見せた“新しい姿” 収録曲から感じるアイデンティティ


 そんな状況下で、3月23日付の週間シングルランキングで1位を獲得したのはジェジュンの『Brava!! Brava!! Brava!!/Ray of Light』。強い。東方神起やJYJでの活動を経て、ソロで活躍しているシンガーです。


 『Brava!! Brava!! Brava!!/Ray of Light』は、ジェジュンの日本での3枚目のシングル。「Brava!! Brava!! Brava!!」のMVには、Matt、アンタッチャブルの山崎弘也、富田望生も出演しています。


 ダンスナンバーの「Brava!! Brava!! Brava!!」は、Aメロで前面に出たベースラインの動きが特徴です。トロピカルなトレンドも押さえたサウンドを作っているのは、作編曲を担当しているFAST LANE(作曲はANGUS COSTANZAとの共作)。EXILE THE SECOND、今市隆二、GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICSなど、LDH関連の楽曲を多数手がけている作家で、キャッチーなメロディとダンサブルなトラックの合わせ技は「さすが」といった感があります。


 そして、作詞は伊秩弘将。80年代に渡辺美里や森高千里のソングライターとしてデビューし、90年代にはSPEEDのプロデューサーとして一世を風靡、現在も第一線で活躍する作家です。彼による日本語詞を歌うジェジュンは、ボーカリストとして力量があるだけではなく、日本語の意味を押さえた上での抑揚の付け方が非常に巧みだと感じました。


 もう一曲の「Ray of Light」の作曲が真空ホロウであることには驚きました。真空ホロウは、松本明人を中心とした3ピースバンドです。ジェジュンのボーカルの高音の魅力を体感させるドラマティックなバラードを書き下ろしています。


 ジェジュンの『Brava!! Brava!! Brava!!/Ray of Light』は、ダンスナンバーとバラードという対照的な2曲によるシンプルな構成のシングルですが、そのシンプルさゆえの強さを感じさせます。(宗像明将)