価格は12万8800円だが、3月28日から100名限定で行う先行販売では、1万円が割り引かれる。
Googleアプリ非対応の「Mate 30 Pro 5G」Mate 30 Pro 5Gは、OSにAndroidを採用したスマートフォンだが、大きな違いもある。ホーム画面を見るとわかるように、Googleのサービスが内蔵されていない。
その理由は、Mate 30 Pro 5Gが、Googleのサービスを利用するために必要な「Google Mobile Service」(GMS)の認証を取得できないところにある。
独自開発のHMS(Huawei Mobile Service)一般的なAndroidスマートフォンの場合、各メーカーが端末を開発し、OSにはオープンソースのAndroidを使用する。その上でGMSの認証を取得し、Googleの各種サービスやアプリを端末に内蔵する。
単に、Googleのサービスやアプリが利用できないだけではない。GMSには、サードパーティの開発するアプリが利用するためのAPI(Application Program Interface)が含まれる。一例を挙げると、あるアプリで位置情報を取得するとき、GMSの「Google Location Service」を呼び出す形で利用する。GMSが非対応になると、これらのAPIを利用したアプリも動作しなくなる。
そのため、ファーウェイは各種アプリやAPIを自社で開発したHMS(Huawei Mobile Service)を用意。Mate 30 Pro 5Gにも、このHMSが採用されている。HMSはGMSの代替となるもの。アプリの開発者がこれを組み込むことで、HMSを採用したファーウェイの端末で動作するようになる。そのアプリを配信するのが、先に挙げたAppGalleryになる。
第3の勢力になり得るかiOSやGMSを採用したAndroidに次ぐ、第3の勢力を立ち上げたかのように見えるファーウェイだが、HMSは同社自身が望んで始めたものではない。むしろ、政治的な状況から、HMSを開発せざるをえなかったのが実情だ。米国によるファーウェイへの禁輸措置によって、グーグルはファーウェイとの取引ができなくなった。ここには、GMSが含まれる。HMSを開発しなければ、新製品を出せなくなっていたというわけだ。ファーウェイ自身も、制裁が解けるなどして、GMSの利用が可能になれば、それを最優先する方針を示している。開始したばかりということもあって、AppGalleryに登録されたアプリはまだまだ少ない。日本で必須ともいえる「LINE」はなく、トレンドになっている決済関連のアプリや、人気の高いゲームも見当たらない。