自社ではなく取引先に常駐して仕事をする「客先常駐」。IT技術者に多いが、そんな客先常駐ならではのつらさを打ち明ける声が寄せられている。ある40代の男性は、
「夜遅くに帰宅後、社長をはじめ全役職に日報を送信。業務内容や書き方に文句を言われる。電話で言われたこともある。毎日が地獄だった」
と振り返る。キャリコネニュース読者から寄せられた、客先常駐のブラックな実態を紹介する。(文:林加奈)
遠すぎる常駐先、「家で夕飯を食べることもできず、帰りに遊ぶこともできません」
客先常駐経験者は、自身がどのような働き方をしているのかを勤め先が把握しづらいのか、
手当に対して不満を持つ人が多いようだ。客先に常駐している管理・事務職の30代男性は「残業代も休日出勤手当も出ない」と明かす。
ITエンジニアの40代男性は現在、客先に常駐しているが通勤に片道2時間以上かかるという。
「勤務時間自体は8時間でも拘束時間は13時間となり、家で夕飯を食べることもできず、帰りに遊ぶこともできません。法的に問題がないだけに最悪です」
自宅から常駐先が非常に遠いことを、男性の職場はしっかり把握しているのだろうか。男性は「賃金未払いのようなわかりきった悪よりも、こういった表に出てこない問題をもどうにかしてほしい」と綴る。
「客先常駐から帰宅後に自社の仕事。しなければ評価が下がり、最終的に解雇になる」
客先常駐の20代の女性も、現在の勤務体制に不満を抱いている。なんでも客先常駐のため、「自社の作業はすべて自宅に持ち帰る」というのだ。
「自宅での作業代として月1万円弱の手当ては出るが、自宅での労働時間は少なくとも月20~30時間くらい。会社は『自社の作業は賞与で評価している』というが、そもそも自社の作業をする時間自体が労働時間であり、本来なら賃金が発生するはずだと思う」
さらに、「自宅で自社の作業をしなければ怒られる上に評価も下がり、最終的には解雇になる」と綴る。
自宅での仕事を強要したり、しないと評価を下げたりする会社のやり方には疑問だ。自社での仕事が残っているなら客先での仕事を調整するなどして、自社に戻ってから仕事ができるような仕組みをつくるべきだろう。
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