円滑な人間関係を築くためにある程度のマナーは知っておくべきだが、いわゆる社会人マナーには必要性を疑うものも少なくない。ガールズちゃんねるに3月2日、「正直くだらないと思うマナー・常識」というトピックが立った。
トピ主は訪問先の外でコートを脱ぐことのマナーに違和感を持っていると綴る。その理由を調べると、「コートを脱ぐ姿は美しくない」「外のホコリや寒気を室内に持ち込まない」ためで、くだらなさを覚えたという。(文:石川祐介)
「お客様に表情が見えないから」という理由でのマスク禁止
トピックには、ビジネスシーンでのマナーに対するコメントが散見された。中には現在、新型コロナウイルスが流行しているが、一部の企業は従業員のマスク着用を禁止しているという声も寄せられた。
「感染症が流行ってても接客中マスク禁止」
「『お客様に表情が見えないから』という理由でのマスク禁止。表情なんて見てないし、なんなら逆に感情を表情に出さないのが一流のサービスマン」
万が一病気をもらってしまうと仕事どころではなく、最悪死に至る可能性もある。マナーよりも健康を守ることのほうが重要だ。
また、「タクシーや車でも偉い人が奥とかあるもんね。でも足腰悪い人もいるから『奥か手前どっちがいいかを確認するといい』って聞いて、めんどくさと思った」と座席に関する不満も散見された。
「目上の人は上座(奥の席)に座らせなければいけない」というマナーは定番だが、「好きなところに座ればいいじゃん」と思う人もいるほかにも、
「印鑑の角度のやつはくだらなすぎて呆れた」
「くだらなくはないけど、ビジネスメール文。くどすぎて無駄に時間掛かるし非効率的」
など、様々なマナーに振り回されているビジネスパーソンは多い。日本は労働生産性の低さが度々指摘されるが、よくわからない細かいマナーの存在が大きく影響しているかもしれない。
「ご祝儀は割り切れる数じゃいけない」
「冠婚葬祭の日にちとか、結婚式は大安じゃなきゃとかそういうのが面倒。みんなが参加しやすい曜日ならそれでいいじゃん」
結婚式に関するマナーもややこしい。「ご祝儀は割り切れる数じゃいけない」といったマナーがあるせいで、「2万円だと割り切れるし、1万円だけケチだと思われるかも」と考え、渋々3万円を包む人も多いのではないだろうか。
ビジネスシーンや冠婚葬祭などに関するマナーが指摘されたが、私達は学生時代から謎のマナーにさらされている。
「マナーではないけど、部活とかで1年生は一番上までボタン閉めるとかくだらないルールあった」
「『ワンポイントソックスは中学2年生から』とかね。破ってるとすれ違いざまに知らない先輩から嫌味言われる」
中学校や高校では上下関係にまつわるマナーがあったという人も少なくはない。この暗黙の了解を受け入れていたがために、社会人になっても変なマナーに順応してしまうのかもしれない。マナーに振り回されないことをマナーにしても良さそうだ。