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“バイクに乗らない仮面ライダー”で議論 「戦隊モノとの違いが無くなってきてる」という声も

2020年03月15日 08:50  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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日本には、素晴らしい特撮番組が山ほどある。代表例はもちろんウルトラシリーズ、戦隊シリーズ、そしてライダーだ。

ウルトラシリーズは巨大なヒーローが怪獣と戦うというフォーマットが、まあ紆余曲折ありつつも継承され続けている。戦隊の場合も、大体5人ぐらいのチームが怪人たちと戦うという図式をしっかり守っている。

で、ライダーシリーズはどうかということになるんだけど……これはちょっとややこしい。

『仮面ライダー』というタイトルを冠していながら、最近はもはやバイクにほとんど乗っていないケースも多いためだ。

小難しい「ライダーとは」論を展開する気はさらさらないが、バイクに乗らないのに『仮面ライダー』で通し続けるのは、ちょっと変といえば変である。(文:松本ミゾレ)

「仮面ライダーからライダー取ったら何が残るんだよ」

なんでこんなめんどくさいオタクのおじさんみたいなことをいきなり言いだしたか。それには理由があって、5ちゃんねるで先日「仮面ライダーもはやバイク乗ってないじゃないか」というスレッドを見つけてしまったからだ。

興味深い書き込みもあったので、いくつか抜き出して紹介してみたい。

「仮面ライダーからライダー取ったら何が残るんだよ」
「戦隊物との違いが無くなってきてる」
「ほんと、最近のライダーってバイク乗ってるシーンが皆無だよな」

と、このような塩梅。不満に思っていたり疑問を感じている旧来のファンはいるにはいるようだ。

このほかネット上には「ジオウってバイクに乗らない仮面ライダーだったね」「バイクに乗らない仮面ライダーにライダーの資格はありますか? なぜライダーとついているのですか?」といった書き込みがあった。今放送中の「ゼロワン」に対しても「全然バイク乗らない」という指摘が出ている。

「乗り物にライドしていればセーフ」という声もあるが…

前述のように『仮面ライダー』シリーズも昨今はウリだったバイクアクションをそこまで推してないことに対しての不満はたしかにある様子。ただ僕個人としては、あんまり気にしてないというのが本当のところだ。

だって僕が子供のころにリアルタイムで観ていた『仮面ライダーBLACK RX』では、主人公が3つの形態の姿になるけど、その都度乗るバイクも変わってなんかややこしかったし。さらに中盤からはライドロンという車にも乗るようになる。

当時原作者の石ノ森章太郎氏はご存命。同作でもさまざまなキャラクターのデザインを担当しているので、原作者の許可を得ての車の登場だったはず。ということで「石ノ森先生がOKしたんなら、それはもうOKなんだろうな」と子供心になんとなく納得してしまっていた。

それ以降、特に平成ライダーシリーズになってからは序盤はバイクもなく、車の助手席で現場に向かう主人公が登場する『仮面ライダー響鬼』。そもそも最初から車を運転して移動する『仮面ライダードライブ』などの放映がスタートする。

『仮面ライダードライブ』なんて、よく考えると「おにぎりパン」みたいな変な名前だけど、まあそういう違和感もアリなのが最近のライダーなのだろう。

同じように、この変化を好意的に受け入れているファンもいる。このスレッドでは「(乗り物に)ライドしていればセーフだからな」と自論を展開している人物による書き込みもあった。ちょっと苦しい言い訳なんだけど、まあそういうことなんだよね。

どうせバイクアクションを継承しようにも、昔と違って公道での撮影許可をいちいち取るのも難しい時代になっちゃってるし。それにバイクアクションの真骨頂は、『仮面ライダーV3』で3人ライダーが爆発を背に爆進するあの有名なワンカット。あれでもう完成しちゃってるわけなのだ。

シリーズが長く続くうえでは、多少の変化はやむを得ないものなんだろう。『仮面ライダー』はいつしか改造人間ではなくなり、ライダー同士で戦うようになり、今はバイクも必要としなくなった。そういう変化があって続いているのだから、シリーズ存続のためには正しい判断なんだろう。