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川口春奈、大河ドラマ『麒麟がくる』でついに織田家へ 「最後まで強く賢い帰蝶でいたい」

2020年03月15日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『麒麟がくる』写真提供=NHK

 長谷川博己が明智光秀を演じる大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合ほか)の第9回が、3月15日に放送される。第8回では、ついに川口春奈演じる帰蝶が尾張の織田信長(染谷将太)のもとへと嫁いでいった。光秀に引き留めて欲しい帰蝶の思いが伝わる場面や、同じく光秀を慕う駒(門脇麦)とのガールズトークが展開するなど、凛と美しい帰蝶の切なさに悶絶させられる回となった。


 高評価を得ている帰蝶役の川口春奈に取材。大河初挑戦の感想や、座長・長谷川の印象、光秀の魅力、第9回でいよいよ初対面となる信長について、そして帰蝶を演じる覚悟などを聞いた。


●第8回の光秀とのシーンは「すごく切なかった」


――第8回ラストでついに織田家に嫁入りしました。演じてみての感想は?


川口春奈(以下、川口):帰蝶は、自分のなかでの葛藤がすごくあったと思います。生まれながらの自分の宿命、使命があるわけですが、光秀と離れなければいけないという切なさもあります。でも断ることはもちろんできない。自分のやるべきこと、強い覚悟を決めた彼女の芯のようなものを意識した、尾張に向かうシーンになったと思います。


――現代の女性には考えられない境遇ですね。


川口:そうですね。当時はそれが当たり前だったのかもしれませんが、やっぱり理解しがたい宿命ですよね。


――光秀に信長を見に行かせた帰蝶の思いも語られていました。


川口:行くことはたぶん変わらないけれど、止めてほしいという思いはあるだろうし、止めてくれるのはあなたしかいないという思いもあったと思う。そんな彼に「お行きなさい」と言われた。帰蝶なりに「私はどうしたらいいの」という思いを言えるのは、光秀さんしかいないのかなと思いますし、すごく切ないシーンでしたね。


――同じように光秀に思いを寄せる駒との女子トークもまた登場しました。


川口:ふたりとも叶わぬ恋、想いを秘めている。駒さんは身分が合わないし、私は政略結婚のために嫁がなきゃいけない。ライバル心というよりは、気持ちを共有し合うというか。ガールズトークをしていますが、内容的には切ないものが多かったですね。駒といるときは、帰蝶も普段は見せない表情を見せたりしています。


――ふたりを引き付けた光秀の魅力はどこだと感じましたか?


川口:まずは責任感でしょうか。戦が続く中で人を斬ることへの違和感を彼は抱いているし、自分が変えていきたいと思っている。それから好奇心旺盛だったり、タフだったり、優しかったり、どこか放っておけないところもあって、もっと知り合いという想いが芽生える人なのかなと思います。


●「(本木雅弘は)すごいオーラですべてを見透かしているよう」


――長谷川さんの印象はいかがですか?


川口:本当に助けられています。「はじめまして」だったのですが、クランクインの前から温かい言葉をかけていただきました。撮影に入ってからも気にかけてくださったり、いつも穏やかに現場にいらっしゃって、すごく安心感があります。周りのことを常に気にかけていらして、とても感謝しています。


――いよいよ織田家に嫁ぎました。信長役の染谷さんの印象は?


川口:子供らしい天真爛漫な部分があるかと思えば、物事を潔く決める瞬間があったりと、色んな顔があってとても新鮮です。


――信長の魅力はどんなところだと?


川口:突拍子もないことを言ったり、最初は「なんだこの人は」と思います。でも育ってきた環境や、母親との関係性などを聞いていると切ないところもありますし、帰蝶と通ずるところもあるのかなと。いつもヘラヘラケラケラしていて、でもやることは大胆で。面白い人だなと感じながら、どんどん惹かれていくのかなと思います。


――帰蝶は斎藤道三の娘ですが、本木雅弘さんの演技が早くから話題になっています。


川口:(撮影中は)ものすごい威圧感とオーラで、全てを見透かされているようです。怖いです(笑)。本当にすごいと思いますね。第2回の毒殺シーンでは、私は途中退室する芝居だったので、あの場面はテレビで見ました。本木さんのものすごい迫力のお芝居を、圧倒されながら、いち視聴者として見ました。


●「最後まで強く賢い帰蝶でいられたら」


――改めて、初めての大河、初めての時代劇に挑戦されている感想は?


川口:すべてが新鮮です。セットにしてもロケにしてもものすごいスケール感で、たくさんの方が関わっているのを日々実感しています。お芝居は当時の所作を元に動きが決まってくるので、相手によって動きが変わったり、いろんな制限が出てきますが、それも勉強になっています。「このシーンではこの所作がいいね」と毎回教えていただき、毎日が勉強、発見です。


――周囲の反響はありますか?


川口:ものすごくあります! 友人も、「勉強しながら見るよ」と言ってくれたり、毎週楽しみに見てくれたり。みんなも気合いを入れながら見てくれています。家族も友人も、応援してくれています。


――帰蝶をどう演じていきたいですか? また川口さんのキャリアにとって、帰蝶役はどんな存在になっていきそうですか。


川口:帰蝶は激動の時代を生き抜いた女性で、すごく芯が強くて賢いです。そこは常に心掛けています。間違いなく自分を成長させてくれる役だと思いますし、何もかもがチャレンジのなか、飛び込みました。自分のことを知らない方にも見ていただける機会でもありますし、頑張って一生懸命やるのみです。撮影が終わったときには、いろんなものを吸収できていたらと思います。


――最後にひと言お願いします。


川口:この先、帰蝶の周囲の環境が日々、目まぐるしく変わっていきます。私自身はいま23回、24回といったところの脚本を読んでいるのですが、ものすごく衝撃的なことが平然と起こったりして、「えー!」と思いながら読んでいます(笑)。気持ちがなかなかついていかなかったりもしますが、そういう激動の時代だからこそ、最後まで強く賢い帰蝶でいられたらと思っています。


(取材・文=望月ふみ)