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小島秀夫、新田恵海ら総勢10名が映画『恐竜が教えてくれたこと』に絶賛コメント

2020年03月13日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『恐竜が教えてくれたこと』(c)2019 BIND & Willink B.V. / Ostlicht Filmproduktion GmbH

 3月20日公開の映画『恐竜が教えてくれたこと』に、本作をいち早く鑑賞した著名人がコメントを寄せた。


参考:『恐竜が教えてくれたこと』予告編&ポスター 少年と少女がオランダの避暑地で出会う


 本作は、アンナ・ウォルツの児童文学『ぼくとテスの秘密の七日間』を映画化したもの。オランダ北部の島に、家族で夏のバカンスに来ていた11歳の少年・サムは、「地球最後の恐竜は、自分が最後って知ってたのかな」と悩む、小さな哲学者のような男の子。そんな彼が不思議な魅力にあふれた少女テスと出会い、魅かれていく。ある日、サムは、テスからある重大なことを打ち明けられる。死んだと知らされていたパパを、ママには内緒で島に招待したというのだ。娘がいるなんて知らないパパに、娘の存在をどんな風に知らせるのか……。テスとサムの秘密の計画が実行される。


 監督を務めたのは、バラエティ誌の「2019年に観るべきヨーロッパの監督10人」に選出されたオランダのステフェン・ワウテルロウト。本作で長編デビューを飾った。


 本作を先行して鑑賞した各界の著名人10名から絶賛コメントが到着。ゲームクリエイターの小島秀夫や、『ラブライブ!』の高坂穂乃果役で有名な声優/歌手の新田恵海、原作『ぼくとテスの秘密の七日間』の翻訳を担当した野坂悦子らが作品を鑑賞しての思いを綴っている。


■コメント
●小島秀夫(ゲームクリエイター)
子供の頃のボクも、11歳のサムと同じように“孤独に耐える訓練”をしていた。
だから、何度もキュンとして、グッとして、ハッと気づかされた特別な“ひと夏の想い出”を追体験させてくれた。
そして最後は幸せな気持ちになれる、“ぼくとテスの秘密の七日間“。
「さあ、老いも若きも、想い出を作ろう。残りの人生、後悔しないように」
それが56歳になったボクに『恐竜が教えてくれたこと』が、教えてくれた事だ。ありがとうサム、テス。


●新田恵海(声優/歌手)
出会いがサムを成長させた特別な休暇。
すべての思い出が宝物なんだと、あたたかく胸に染みました。


●志茂田景樹(作家/よい子に読み聞かせ隊隊長)
最後の恐竜に自分を重ねるサムは激しく気持ちを変えるテスに何を重ねたか。
僕は2人に2頭の恐竜を重ねた。きみたちは始まりの恐竜だ!


●加藤英明(静岡大学教育学部講師)
少年の人生観を変えた一夏の出会い。
『希望』をもって生きるとは何であろうか考えさせられる作品である。


●谷村志穂(作家)
『小さな恋のメロディ』『リトル・ロマンス』少年少女たちが繰り広げた伝説的なラブストーリーには、
いつも淡い恋という表現が用いられる。
けれど大人になっても誰が、それ以上の恋の経験をしたろうか。
この作品のサムとテスが、現代にバトンを渡してくれた。
恋することの必然や意義、すべての詰まった、完璧に素敵な作品。


●野坂悦子(翻訳家/原作『ぼくとテスの秘密の七日間』翻訳)
アンナ・ウォルツによる原作を訳した私は、
サムやテスのことならすべて知っている。
そんなつもりになっていた。でも、そうじゃなかった。
潮風の匂いのする映像のなかで、二人の心の揺らぎに、
どんなに胸が震えたことか。


●金原瑞人(翻訳家)
最後の恐竜は、いったい、どんな思い出を胸に死んでいったんだろう。
観終えて、ふと、そんなことを考えてしまう映画です。


●青山南(翻訳家)
恐竜は出てこない。淡い初恋でもない。
孤独の意味を初めて噛みしめることになる男の子の、
オランダの夏のビーチでの成長がまぶしい。


●梨木香歩(作家)
日々を精一杯楽しみ、思い出を作り続けることこそが、孤独に対峙する力を生み出す。
少年サムのこの「発見」の素晴らしさ! 幸福な思い出がまた一つ!


●落合恵子(作家/子どもの本の専門店クレヨンハウス代表)
子どもは、大人が考えているほど「子ども」ではない。子どもは、大人が考えているほど「大人」でもない。
子どもは、単純で複雑で、荒々しくデリケートだ。子どもは、その子自身の「過去」を、あの細っこい首筋のあたりに留めて、「いま」を生きる。たくさんの明日を水平線の向こうに見ながら。
サムとテスの夏の数日間。「友情」、「家族」、「秘密」、「共感」、「邂逅」、「別離」……。
大人が二文字の漢字で納得して、ひきだしに片付けてしまいがちな、
豊かで深い時空に、本作品を通して再び出会うことができたような。
原作『ぼくとテスの秘密の七日間』の愛読者のひとりとして、深呼吸を贈られたような。


(リアルサウンド編集部)