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世界最大ゲーム見本市『E3』が新型コロナの影響で中止 オンラインイベントに切り替え?

2020年03月13日 11:51  リアルサウンド

リアルサウンド

E3

 米エンターテインメントソフトウェア協会(ESA)は3月11日、新型コロナウイルス(COVID-19)の高まる懸念を受けて、世界最大のゲーム見本市『E3(Electronic Entertainment Expo)』を中止することを発表した。


(参考:ソニー『E3』2年連続不参加の理由は? 「焦点を当てるのに適切な場所ではない」発言から考える


 26回目となるはずだった2020年の『E3』は、6月9日~11日にロサンゼルス・コンベンション・センターで開催予定だった。同イベントが始まって以来、中止は初めてのことだ。


 ESAは声明で「『E3 2020』はCOVID-19ウイルスへの懸念の高まりにより中止されました。業界のすべての人々の健康と安全について参加企業と慎重に協議した結果、『E3 2020』をキャンセルするという難しい決定をするに至りました。開催できないのは非常に残念ですが、現在の状況に合わせた適切な決断です」とアナウンスしている(参考:https://www.theesa.com/statements/e3-2020-cancelled-due-to-growing-concerns-over-covid-19-virus/)。


 開催は3ヶ月先であり、かなり早期の決断にも見えるが、奇しくも3月11日、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症についてパンデミック(世界的大流行)に至ったとの判断を発表していた。


・発表前に主催者ESAに近い人物が確認
 中止の正式発表前には、ESAの計画に詳しい筋が、『E3』が中止されることをアメリカのメディア『Ars Technica』に確認していた(参考:https://arstechnica.com/gaming/2020/03/e3-2020-has-been-canceled/)。


 また、インディーズゲームのパブリッシャーであるDevolver Digitalは「みんな、『E3』のフライトとホテルをキャンセルしてください」と中止を予言するツイートをして、瞬く間にリツイートされていた。


・近年混乱が続くE3、今後のイベント内容にも変化?
 ESAは、2020年6月に業界の発表やニュースを紹介するオンラインエクスペリエンスの提供について、『E3』参加予定だったメンバーと協議をしていくという。


 『E3』は近年、大手ゲームパブリッシャーから不満が噴出しており、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、2019年に初めて参加せず、PS5が発売される2020年には復帰するのではとの憶測もあったが、引き続き今年も参加しないことを明らかにしていた。


 また、任天堂は毎年『E3』のショーフロアに、大きなブースを設けてきたが、最近はE3の基調講演には登壇しておらず、代わりに収録済みの動画「ニンテンドーダイレクト」をYouTubeで配信しており、Electronic Arts(EA)は、2016年以降、E3と同時期に独自のイベントEA Playを行っている。


 このように、近年の『E3』には不穏な雰囲気が漂っていたが、今回の中止をきっかけに、オンラインでの開催が検討されるなど、その状況はさらに大きく変わりつつある。次回の開催に向けて、同イベントがゲーム業界での存在感を取り戻すことができるか、注目されるところだ。


(Nagata Tombo)