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安東弘樹のクルマ向上委員会! 第31回 FF最速のじゃじゃ馬! 安東弘樹、メガーヌ R.S. トロフィーに乗る

2020年03月13日 11:32  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
毎年2月に開催される日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会に安東弘樹さんと参加してきた。乗ったのはポルシェ「911 カレラ4S」など計6台。今回は量販FF最速のクルマとして知られるルノー「メガーヌ R.S. トロフィー」に試乗したときの模様をお届けしたい。

○MT車の購入を検討中? ユーザー目線で試乗

JAIAの輸入車試乗会は、複数のクルマの中から自分が乗りたいと思ったものを選んで申し込み、応募者多数の場合は抽選を経て試乗車が決まる仕組み。今回は上記2モデルに加え、ミニ「クラブマン ジョンクーパーワークス」、ボルボ「S60 ポールスターエンジニアード」、ランボルギーニ「ウルス」、メルセデス・ベンツ「AMG A35」にも乗ったのだが、試乗時間に限りがあったことなどから、まとまった話の聞けた3台にしぼって試乗の模様をお届けしたい。ミニとポルシェについては次回以降でお伝えする。

最初に乗ったのは、ルノーの「メガーヌ R.S. トロフィー」。5ドアハッチバック「メガーヌ」の高性能バージョンが「メガーヌ R.S.」(R.S.とはルノー・スポールのこと)であり、そのエンジンや足回りに専用のチューニングを加え、さらに速いクルマとしたのが「トロフィー」だ。ちなみに、トロフィーの上をゆく「メガーヌ R.S. トロフィーR」というクルマは先ごろ、ホンダ「シビック タイプR」を抜き、ニュルブルクリンク北コースで量産FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車として最速のタイムを記録。つまり、今回試乗したのは、売っているFF車の中で最高レベルに速いクルマだ。

マイナビニュース編集部(以下、編):このクルマに乗りたいと思ったのはなぜですか?

安東さん(以下、安):以前、「メガーヌ R.S.」には乗ったんですけど、さらに上をゆく300馬力の「トロフィー」は、どのくらいの違いがあるのかなと思いまして。ただ、その違いを市街地で感じられるかは微妙ですけどね(笑)。

安:(西湘バイパスで加速しつつ)今、ガタガタって音が鳴りましたね! 「これがFF」といいますか、四駆のポルシェでは見られない現象ですね。

編:何の音ですか?

安:トルクが前輪だけに急激にかかるとタイヤが空回りしちゃうんで、それをトラクションコントロールで抑えようとしながら、せめぎあう感じなんですよ。そうすると、前輪が空転しそうになるのをシステムが抑えようとするのですが、限界を超えると、がーっと暴れるんです。速いんですけどFFなので、アクセルワークには気を使いますね。このクルマ、じゃじゃ馬だな。

それと、シートポジションの調整が(電動のパワーシートではなく)手動なので、ドライビングポジションの微調整が難しいですね。ちょっと残念です。

編:ユーザー目線といいますか、場合によっては購入したいという気持ちで乗っているんですか?

安:もちろん。これのMTには、非常に興味があります。これまでも、R.S.のMTはあったんですけど……。

編:トロフィーじゃなければ、興味がない?

安:そうですね、せっかくならトロフィーに乗りたいかなと。

編:せっかくならトロフィー(笑)。

編:このクルマが499万円って……。

安:非常にリーズナブルですよね。MTだと確か、489万円じゃなかったでしたっけ?

編:その通りです。そうか、買うとしたらMT一択ですもんね。

安:はい(笑)。ATの方が速いし、燃費もいいんでしょうけど、やっぱりMTを楽しみたいので。ただ、ちょっとこの、ものすごいクルマを手なずける自信はないかなー! もちろん、買うとしたらMTなんですけど、慣れるまでは相当、神経を使わなければならないでしょうね。

編:それはそれで、楽しいんじゃないですか?

安:まあ、楽しいんですけどね。こういう、じゃじゃ馬みたいなクルマって、発進の仕方ひとつで挙動が違ってきますから。

編:「今日はうまくいったな」とか、「だんだんうまくなっているな」とか。

安:そういう楽しみって、ありますよね。

(箱根ターンパイクのワインディングロードで「スポーツモード」を選択)バックファイヤーがパンパンなってますね。ノーマルモードと全く違うというか、レスポンスが良くなりました。

編:バックファイヤーって、運転していると嬉しいものですか?

安:そうですね。嬉しいというと語弊がありますが。

安:しかし、暖冬も極まれりですね。2月初旬で、ターンパイクに雪がないんですもんね。試乗するにはいいんですけど、地球のことを考えると、やはり異常ですね。

この間、どうしても雪道を走りたくて積雪情報を調べたんですけど、新潟でも0cmというところが多かったですからね。まとまった雪があったのは、北海道を別にすれば、ご存じの酸ヶ湯温泉(青森県、豪雪地帯にある温泉地)くらいしかありませんでした。

編:雪の上って、わざわざ出向いてでも走りたいものですか?

安:はい! 私はもう、雪を求めて、よく旅に出てましたから。やっぱり、スタッドレスが雪を噛んでいる感じが、たまらないんですよね。

編:滑らせたりしたいわけではなくて、グリップしている感じが好きなんですね。

安:そうなんです。

編:乗ってみて、このクルマのMTを買う可能性はいかがでしょう?

安:いやー、どうでしょう! このFFのじゃじゃ馬っぷりを感じてしまうと、ちょっと、私では難しいかもしれないですね。運転する楽しさはもちろんあるんですけど、手なずける感じになりますね。ただ、デザインも含め好きなクルマなんで、1度は所有してみたいという気持ちはあるんですけどね。もうちょっと下の、「ルーテシア R.S.」だと、まだいいのかも。そんな気もしますね。

○著者情報:安東弘樹(アンドウ・ヒロキ)
1967年10月8日生まれ。神奈川県出身。2018年3月末にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。これまでに40台以上を乗り継いだ“クルママニア”で、アナウンサーとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。(安東弘樹)