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セクハラ辞任の『earth』元社長、女性社員を口説きまくる手法と心理を“同族”が語る

2020年03月13日 08:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

石川康晴氏

 若い女性に人気の『アースミュージック&エコロジー』や、藤田ニコルがプロデュースする『NiCORON(ニコロン)』などのアパレルブランドを中心に展開する、株式会社ストライプインターナショナルの石川康晴代表取締役社長兼CEOが、複数の女性社員・スタッフにセクハラ行為をはたらいていたという〈自身に関わる一連の報道〉を受け、2020年3月6日付で同職を辞任した。

 各メディアにおける報道に加え、SNS上では被害を受けた女性たちからの“告発”があふれ、石川氏が被害女性らと交わしたメッセージのやりとりも流出。

 地方店舗の女性スタッフをホテルに呼び出し、強制的にわいせつ行為に及ぼうとしたことや、複数の女性社員らに対し《接客中級編講座、お寿司食べながらやりましょう 24時間、悩み受付中》《1時間だけ、早朝デートする? なんか、もう少し、話、したい》《このLINE、内緒だよ》《あったら、いっぱい癒してあげるね。よしよし、してあげる。笑》といった文面を送っていたことが明らかになった。

女性を“新規開拓”して複数人、囲い込みたい

 石川氏が、社長という権力と責任がある立場にありながら自社の女性社員を食い散らかそうとしていた様子は、大きな批判を浴びた。

 なぜ彼は特定の女性とお付き合いしようとするのではなく、複数の、しかも“バレた”ときのリスクが大きい自社の社員に対し、手あたり次第に口説き文句を浴びせていたのだろうか。

「石川さんの気持ちはすごくわかります」と話すのは、都内の大企業で働く森谷健二さん(仮名・49歳)。エンタメ系の上場企業でチームマネージャーを務めるやり手だ。年齢のわりには細身で、身長は172センチほど。ミュージシャンで俳優の浜野謙太に似ており、決して“ザ・イケメン”とは言い難いが、どことなく親しみやすい雰囲気をただよわせている。

 森谷氏は既婚者だが、自信タップリにこう語る。

「シフトの空き時間を埋める相手っていうワケではないのですが、常に3人くらいは、身体と心の両方を満たしてくれる女性がいるのが理想です。そのためには、日ごろから周囲の異性に声をかけ、“新規開拓”しなければなりません」(森谷氏・以下同)

“新規開拓”を効率よく行うためには、「多少は危ない橋を渡ることになろうとも、勤務先の部下や派遣社員などもその対象とすることが望ましい」と話し、

「やった後悔より、やらない後悔の方が大きいですからね。チャンスはいつも自分の身の回りに転がっていると考えています。仕事も恋愛もそう。チャレンジをし続けることが、成功への近道だと思いませんか?」

 と、悪びれる様子はない。一見、「成功したビジネスマンのありがたい格言」とも錯覚してしまいそうだが、“チャレンジ“=女性を手あたり次第に口説くこと、を意味するために、最低なゲス発言でしかない。森谷氏はこの20年間で少なくとも10人~15人以上くらいは“新規開拓”をしてきたというが、正確な人数は自分でもわかっていないというからタチが悪い。

 しかし、森谷氏、そして石川氏もまた、“すべての女性が憧れるイケメン”タイプではない。そのため、「数をこなす必要がある」そうで、その“戦略”について「たぶん石川さんも僕と同じだったんじゃないかなぁ」と思いを馳せる。

頬を叩かれても「いい思い出」

「まず、チューは強引な入り口なんですよ。はじめに、無理やりにでも相手にチューをしてみて反応を見るんです。それで、“いけそうだな”という感触があったら、その先へ進みます」

 なんとも最低かつ、法に抵触しそうな理論だ。この場合、“いけそう”な反応とは、「拒否するそぶりをみせないとか、ちょっと微笑(ほほえ)むとか」と話し、相手に強い拒絶反応がなければ「合意した」とみなすとのことで、開いた口が塞がらない。

 森谷氏のように会社でそれなりの地位がある男性や、ましてや社長からのアプローチであった場合、相手は立場上、強く拒否できない場合もあるのではないか。しかし、森谷氏や石川氏はそうした女性の葛藤は理解できないようで、こう続ける。

「もちろん、拒否というか、“何するんですか!”って頬を叩かれることもありますよ。でも、それもいい思い出って感じかな。いったんはそこでチューをしたり、その先に進んだりすることはやめますけど、頭では“次はいつ挑戦しようかな”って考えていますね」

 基本的に「ホテルに行く?」と聞くのは、女性に対する礼儀のようなものだと考えているそうで、OKしてもらえるかどうかは「サイコロを振って奇数が出るか偶数が出るかみたいな感覚」だという。どちらに転んでも確率は50%だから、たとえ断られたとしても、「だよね~」くらいに軽く受け取り、傷つくことはなく、またサイコロを振るのだという。

「まぁ、5~6回も断られたら諦めますけど。いや、諦めないかな。また2人きりになったら“あ、今日はいいのかな”って思うかも」

 なんと、彼らは不死身。「2人きりになる」=OKのサインとみなされるのであれば、何か“もっともらしい理由”で呼び出されたとしても、2人でいること自体が危険な行為となってしまう。こうしたタイプかもしれないと感じた男性に対しては、「何がなんでも1対1にならない」「少しも気のあるそぶりを見せない」「敬語で接し、必要最低限の会話以上に距離をつめない」ということくらいしか、対処法がないとすら思えてくる。

 とはいえ、会社で普通に働くうえで伸びてくる“魔の手”に対し、女性側の自衛ばかりが求められるのはおかしい話だ。しかも、森谷氏は石川氏の今後について、「おさまらないんじゃないかな。次はバレないように(“新規開拓”を)やると思う! 自分も、今回の報道を受けて何かを変えようとは思わないかな~」と、恐ろしい発言をする始末。

 社員を私物化し、ゲーム感覚で“恋愛ごっこ”を楽しもうとする男性たちは今回の辞任騒動により、森谷氏のような“しぶとさ”を捨て、「明日は我が身」と少しでも感じるところがあれば……。と、願うしかないのだろうか。

(取材・文/松本 果歩)