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佐藤ノアがポジティブな理由は”執着心”にあった「明日が良ければいいかなって」

2020年03月08日 17:22  リアルサウンド

リアルサウンド

撮影=平松大輔

 YouTube・Instagram・Twitterなど様々なプラットフォームを駆使し、熱狂的な支持を集める佐藤ノアの初エッセイ『嫌いな自分にさよならしたいあなたにあげる魔法』が2月14日に発売された。同書は、佐藤の歯に衣着せぬポジティブな解答や、自身のマイルール、生きる上での思考や戦略が詰め込まれているという。


 「人間は不幸だと感じている人が多いなと思うんですよ。そういう人に読んで欲しい本です」と話す佐藤の『嫌いな自分にさよならしたいあなたにあげる魔法』とはいったいどんな本なのだろうか。インタビューでは、同書に込めた想いを聞きつつ、彼女のパーソナリティについても迫ってみた。(鳥羽竜世)


(参考:高畑充希、人気YouTuberも挑戦の“小顔テープメイク動画”にハマっていることを明かす


「性格って言葉は曖昧で、人が決めるもの」


――『嫌いな自分にさよならしたいあなたにあげる魔法』というタイトルにした理由を教えてほしいです。


佐藤:編集の方と私で考えて決めました。自分のことを嫌いな人が多いなって感じたので、”嫌いな自分”って単語を絶対に入れて欲しいと伝えました。”魔法”っていうワードは、少しポップな感じにしたかったのと、そうなったらいいなと思って付けました。今年、分母が大きい王道なことをやりたくて。私、カワイイ服とか好きじゃないんですけど、カワイイ服を着て、わかりやすいことをしたいんです。それに伴って、色んな人が見ても分かりやすいタイトルにしたくて、変に捻るよりは、分かりやすい方がいいなと『嫌いな自分にさよならしたいあなたにあげる魔法』にしました。


――そういった細かい部分にも、佐藤さんの哲学が詰め込まれているんですね!


佐藤:哲学と言われればそうかもしれません(笑)。


――佐藤さんは捉えどころの無い性格だなと感じるんですが、ご自身ではどんな性格だと見ていますか?


佐藤:性格って言葉は曖昧だと思っていて、人が決めるものだと思っています……って言ってます(笑)。肩書きと一緒で、私はアーティストって言われたり、YouTuberって言われたりモデルって言われることもあって、どれも間違いじゃないなあと思っていて。性格もそれに近いなって。


――見てる人に判断してほしいと思っているんですね。


佐藤:そうですね、見てる人側に判断してほしいです。でもこれは性格に当てはまるかどうかはわからないですけど、自分自身では悪い風に言うと飽きっぽくて、いい風に言うとトレンドに食いつくのが早いかなと思いますね。


――トレンドに敏感といえば、佐藤さんは朝起きてすぐにニュースをチェックされるそうですね。


佐藤:世界のニュースを見ています。ニュースだけじゃなくて不思議な予言とかもチェックしますよ。昨日は、イルミナティカードっていう1980年代に出た、予言が当たっていると話題になっていたカードについてずっと調べてました。


――不思議なものにも興味があると。


佐藤:スピリチュアルなものも好きなので、広く色々チェックしますね。友達とかにもすぐシェアしちゃいます。


――センス溢れる人で、成功も早かったイメージだったのですが、本書を見てみると唐揚げ一つで飢えを凌いだり、苦労された経験があったみたいですね。


佐藤:飢えを凌ぐって程ではないですし、あんまり苦労だとは思ってないですね(笑)。唐揚げがあるってだけで環境的にもうラッキーじゃないですか。苦労してるって言われるとそうなのかもしれないですけど、全然恵まれている方だとは思います。


――逆にネガティブになることってないんでしょうか?


佐藤:落ち込むことがあまりないですし、ネガティブになる時間が勿体ないなって思ってしまいます。人の悩みって、人間関係とお金と未来が多いと思うんですよ。その3つで悩むことは本当にないですね。欲しかったお洋服が売り切れで落ち込んだりすることはあるんですけど、何としてでも私は手に入れるので、結局すぐ立ち直ります。


――元々ネガティブな感情がないんですかね。


佐藤:記憶として無かったことにしているだけかもしれないんですけど、人生の中で落ち込んだなって時期があんまり無い気がしますね。多分、執着心が無いからだと思います。自分以外の人に執着することが無いんですよ。人に期待をするとガッカリすることってあるじゃないですか。なので私は一番に自分を信じるようにしています。


――同書では、『マイナビ学生の窓口』で連載されていた内容も掲載されてますね。大学生の将来について、佐藤さんが一切媚びずに解答する人気企画だったそうですが、普段から悩み相談を受けることは多いんですか?


佐藤:媚びてなかったですかね。そんなつもりはなかったんですけど……(笑)。相談を受けることは多い方だと思います。夜中に、女友達からから泣いて電話がかかってくることとか日常的にありますね。


――頼られる存在だからなんですかね。


佐藤:自分では分からないですけど、強いて言うなら否定をしないからだと思います。
話を聞いて欲しいというのが大きいんじゃないですかね。お悩み相談をやっていて思ったことがあって、世の中って相談って名目で話を聞いて欲しい人が多いんじゃないかなって(笑)。だから、プライベートでも誰の生き方も否定をしないようにしているので、話しやすいのかもしれないですね。


――否定をしないというのは重要そうですね。悩み相談を受ける上で、ほかにポイントってありますか?


佐藤:人には人の幸せがあると思っていて、私がこうやってやったらいいよって言うのは簡単だと思うんですけど、その人に100%それが合ってるかと言われると、そうじゃないことが多いと思うんです。私の立場ありきだったり、私の境遇ありきで上手くいっていることもあると思うので、本当に合いそうだと思ったものを私が話したり、綴ったりした中からバイキング方式でみんなが自分に必要なところだけちょっとずつ食べてくれたらいいなと思っています。


「インフルエンサーの先駆けにもなりたい」


――ネガティブな相談者さんのポジティブな面を見つけるのが上手いなと思ったんですが、普段から人の良い部分を見ようとしてたりしますか?


佐藤:相談自体は文章からしか伝わらないので、その人がどんな人なのか想像する形で答えています。例えばなんですけど、私は電車に乗ると疲れちゃうので、あまり乗りたくなくて。誰かの靴紐が解けてたらその前後のストーリーを考えてしまう、妄想癖みたいなのがあって。相談の文章からこんな人なんだろうなっていうのを推測して、「こういう悩みがあるんだったら貴方はきっと優しい人なんですね、周りの人のことを気遣える人なんですね」って書き方はしてるかもしれないです。あとは、褒めたりするより強く言ったほうがモチベーションが上がるタイプの人とかも居たりして。そういう人にはあえて強く言ったりすることもありますね。


――沢山のお悩みに答えているからこそ、段々そういった部分も分かってくるようになるんですね。


佐藤:連載を一年以上やらせて頂いて、何となく想像できるようにはなりました。合ってるかどうかは答え合わせをしていないので、分からないですけど。


――記憶に一番残っている質問はありますか?


佐藤:どの質問も全部記憶に残ってますね。連載をやっていて色んな種類のお悩み相談を受けてきたんですけど、その悩みに対してすごく分かる!ってなったことが一度もなかったんです。皆の悩みってこんな感じなんだって思いました。見えない未来に不安を抱いている方って意外と多いんだなって。私は逆に、そこまで思慮深く先のことを考えることがなかったので、思考力が足りなかったな、とか皆さんのお悩みから学ぶことも沢山ありました。


――明日に不安を感じる人のほうが多いですよね。


佐藤:5年後とか10年後に不安を抱いている人がすごく多くて、私なんて今日と明日のことしか考えてないんですよ。明々後日も生きているかなんてわからないじゃないですか(笑)。明日がよくなることを考えていたら、1年後には積み重なって超いい人生になると思うので、明日が良ければいいかなって思います。


――例えば、インフルエンサーカルチャーの向上を目標に掲げていますが、そういった将来の夢みたいなものって持ってるんですか?


佐藤:それは、もう私にとって絶対にできることだと思っているので「夢」という感じではないですね。夢はありますかって聞かれたとき、私はできそうなことしか言わないようにしてるんです。どちらかというと「夢」というか「予定」って感じですね。今はやりたいことでできなさそうなことがないので、予定ならあります! あと、やりたいことがあるとすれば、お花を育てたいですね。


――お花ですか!?


佐藤:お花って犯罪率が下がるらしくて。日本って島国なので「花の島国日本」ってサブタイトルを付けて、観光客を増やしたいですね。国の政策として、日本の空き地にお花を沢山植えてみたいです。


――意外でした。シティーガールなイメージが強かったので。


佐藤:週に2回花屋さんに行ってお花を買ったりします。今は、ファンの子に貰った栽培キットを使って庭でトマトを育てているんですけど、トマトって生命力がすごいので多少放置をしていても生えるんですね。私もしかしたら10年後にトウモコロシとかを育てているかもしれないですね。


――最後に2020年の目標を教えてほしいです。


佐藤:アクセサリーがすごく好きなのでアクセサリーのブランドをやってみたいなって考えています。シンプルな服でも映える可愛いのが作りたいですね。


 あとは、インフルエンサーの先駆けにもなりたいんです。今の日本の芸能界は、芸能プロダクションが人を雇うシステムが多いと思うんですけど、中国のインフルエンサーさんはタレント側が雇う人を決めていくスタイルが多くなっているそうで、自分主体で関わっていく人達を決めていくのもいいかなと思っています。


(鳥羽竜世)