トップへ

新シナリオの示唆や戦闘システム……『FF7リメイク』体験版で抑えたい3つの視点

2020年03月08日 10:21  リアルサウンド

リアルサウンド

FINAL FANTASY Ⅶ RIMAKE

 多くの『ファイナルファンタジー』ファンが心待ちにしているであろう『FINAL FANTASY Ⅶ RIMAKE』(以下『FF7 リメイク』)の体験版が、3月2日よりPS4向けに配信中だ。製品版の最序盤をプレイ可能な本体験版では、23年前に発売されたオリジナル版の風景が最先端のグラフィックと技術力で再構築されていた。


(参考:『FF7 リメイク』体験版を早速プレイ “あのシーン”にも細やかな演出が……!


 そこで本稿では、製品版の発売を迎える前に、『FF7 リメイク』体験版で抑えておきたい3つの視点をご紹介。壱番魔晄炉を爆破し終えた方だけでなく、これからミッドガルに足を踏み入れる方も参考にしてもらえると幸いだ。


・新たな展開を示唆するストーリー
 まず大前提として、『FF7 リメイク』は単体で完結する作品ではない。4月10日にリリース予定の製品版は、ゲーム開始からミッドガル脱出までを織り込んだ”第一章”という位置づけである。とはいえボリュームが不足しているわけではなく、シナリオはディスク2枚組で重厚に紡がれているようだ。


 それゆえか、体験版で挑戦する壱番魔晄炉の爆破ミッションも密度が大幅に増している。オリジナル版だと約20分、長くても1時間以内には通過するであろう場面だが、体験版では普通にプレイして1時間。もっと丁寧に探索したりスクリーンショットを撮影しながら進めると、ゆうに数時間は経過するだろう。


 加えて、リメイクにあたってボリュームアップしたストーリー面も見逃せない。序盤の主な登場人物と言えば、主人公の「クラウド」をはじめ、オープニング映像に映る「エアリス」、作中内でレジスタンス活動に精を出す「バレット」といったところだが、このうち、バレットとその周囲を取り巻くキャラクターの環境が若干異なっている。


 彼らが反神羅組織・アバランチのメンバーとして前線に立つ一方、実はバレットが率いる部隊とは違う別働隊の存在が示唆される。これは体験版をプレイした時点での新事実だが、本編中にはこうした”ストーリーの深堀り”が多数存在するのかもしれない。オリジナル版を経験したユーザーのみならず、製品版を今後プレイする全てのユーザーが注目すべきポイントと言える。


・23年越しの進化が伺えるグラフィック
 実際にゲームを起動して真っ先に驚かされるのは、やはり見違えるほどに美しくなったグラフィックではないだろうか。例えばキャラクター周りにフォーカスすると、筆者の場合は全体的なプロポーションのほか、細部のパーツに自然と目が行った。


 オリジナル版のみならず、リマスター版や他作品へのゲスト出演時も”ツンツン具合”に磨きのかかっていたクラウドの髪型は、特徴を捉えつつ柔らかな髪質に変身。ワックスで固めたようにガチガチではなく、サラサラとした毛並みが手にとって想像できるほどに調整されていた。そのほかキャラクターの性別や年齢、暮らしぶりを感じさせる程に細かい肌表面のテクスチャ-など、オリジナル版から飛躍的な進化ぶりが伺えた。


 キャラクター以外、ひいては街並みの光景もより臨場感に拍車がかかっている。魔晄というエネルギー源を手中に収める神羅カンパニー。その神羅が実質的な支配権を握るミッドガルは、発展の限りを尽くす商業都市としての側面を保ちつつ、どこか怪しげな雰囲気をも醸し出していた。体験版のプレイ可能範囲で少し街を歩き回るだけでも、ミッドガル全体を包む神羅の支配力。人類の生活を支える魔晄の異質な存在感を感じ取ることができるだろう。


・新戦闘システムは『キングダムハーツ』的?
 オリジナル版とリメイク版の明確な違いは、戦闘システムに大きく現れている。というのも、ATB(アクティブタイムバトル)を主軸にコマンド選択式で進む従来の戦闘と比べ、大幅にアクション性が増したからだ。フィールド上を徘徊する敵と接触すると、そのまま暗転することなくダイレクトに戦闘へ移行。体力を削って撃破する仕様は共通ながらも、敵へ近づいてボタンを押し、スタイリッシュに攻撃を叩き込むスタイルが採用されている。クラウドはバスターソードで斬撃。バレットなら右手を突き出して銃弾を発射……と、ダメージを与える手段が直感的になった。


 敵の攻撃をかわし、スキを突いて攻撃を繰り出し、再び距離を取ってダメージを回避する。こうした一連の流れは、同じくスクウェア・エニックスが手掛ける『キングダムハーツ』シリーズに近いのかもしれない。


 だからといってアクション一辺倒ではなく、アイテムやアビリティ使用、キャラクターへの指示出し等々でコマンドも十分に役割を果たしている。戦闘中は通常攻撃をヒットさせてATBゲージをためていき、コマンドを選んで強力なアビリティや魔法を発動するのがセオリー。戦況はリアルタイムで変化するものの、コマンド選択時は時間の流れが遅くなるため、焦ってボタンを入力する必要はない。アクションが苦手なユーザーでも、「クラシックモード」をチョイスすれば、オリジナル版同様、コマンド選択のみに注意を払ってプレイが楽しめる。戦闘システム全体を見るに、アクションとコマンド選択の長所を上手く組み合わせているように思えた。


 上記で述べた3つの視点以外にも、『FF7 リメイク』で注目すべきポイントはまだまだある。製品版のプレイに万全な状態で臨むためにも、気になる方はじっくりと体験版をイジってみてはいかがだろうか。


(龍田優貴)