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ガチャガチャからお賽銭まで……町に溢れる”キャッシュレス”を調査

2020年03月08日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ソニックジャム「ピピットガチャ」

 2019年10月1日の消費税率引上げに伴い、6月末まで対象店舗でキャッシュレス決済を行うとポイント還元が受けられる「キャッシュレス・ポイント還元事業」が行われている。面倒な手続きがなくスムーズな決済ができることに加え、ポイント還元などの嬉しいメリットもあり広がりを見せているキャッシュレス化。そこで、今までは小銭で支払いをしていた意外なものがキャッシュレス化できると知り、調査してみた。


(参考:中居正広、初めて「PayPay」利用も不正使用などのトラブルに不信感「莫大な貯金がなくなる」


・ガチャガチャがキャッシュレスに!?
 ソニックジャムは、各種QRコード決済に対応した次世代ガチャガチャ(カプセルトイ)「ピピットガチャ」の予約受付を2月より開始した(レンタルは6月以降随時)。


 「ピピットガチャ」はQRコードリーダーとインターネットへの通信機能を内蔵していて、スマホに表示したQRコードを読み取ることでその場で決済を実行できる。そして決済完了後は従来のガチャガチャと同じように回せる仕組みになっているという、キャッシュレスの利便性とガチャ本来のワクワク感を併せ持った、画期的なガチャガチャだ。


・QRコードでキャッシュレス決済
 QRコードを使ったガチャガチャの利点は、小銭が不要のため両替をする手間が省けること。そして、もう一歩経営側の視点に立てば、ソーシャルゲームの“ガチャ”が一般的になったなかで、同じ感覚で大人買いなど1人あたりの購入回数が増える可能性もあるだろう。


 また、自由な価格設定が可能なため単価を上げ、ブランド品や高額商品の販売にも利用可能。各種スマホ決済サービスの連携による売り上げアップに加えて、インバウンド客が利用しやすく簡単にガチャガチャを楽しむことができる。


・独自QRコードを発行して配布
 複数回や期間限定など様々な設定QRコード発行が可能なのも特徴だ。これにより、会員サービスやアプリと連動してネット顧客に配布することで、店舗への来店を促す販促ツールとして効果を発揮できるとされている。また、QRコードを利用してどの会員がどの商品を選んだかなどアンケートや顧客データを簡単に収集できる。ガチャガチャを利用したビジネスマーケティングにも活用することが可能だ。


・お賽銭にまでキャッシュレス化の波が
 キャッシュレス化の波は、デジタルとは縁遠いものに思える神社仏閣にも押し寄せている。お賽銭やお守りを購入する際の支払いに電子決済を導入する神社仏閣が、徐々に増えつつあるのだ。


 例えば、東京都港区の愛宕神社は期間限定でのキャッシュレス決済を2014年にいち早く導入している。決済方法は楽天Edyで、通常のお賽銭箱の隣に「Edy賽銭箱」が設置されていて、テンキーで金額を入力後、決済ができるという仕組みだ。これは、三木谷浩史氏をはじめ、楽天の役員が愛宕神社に毎年参拝しているという縁があり、楽天側から提案したことがきっかけだという。


 四国霊場のひとつである徳島県阿南市の平等寺も、スマホアプリでの決済を試験的に行っている。お遍路で寺を訪れる外国人参拝客の対応をきっかけとして、導入を決めたのだという。四国霊場は、拝観料が無料のため訪れる人を統計データとして捉えることが厳しかったが、スマホ決済により、巡礼者の動向を売上データとして見える化することが可能になった。


(森本菜月)