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世界初のレンズ付け替え一眼インスタントカメラ、しかもM42マウント

2020年03月07日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

『NONS SL42』

 現在Kickstarterでキャンペーン中の『NONS SL42』は、撮影した光景がすぐに物理的に現象されるインスタントカメラの愉しさに、M42レンズマウントと一眼レフを合体させた世界初のカメラだ。


(参考:『Xperia 1 II』海外の評価は? カメラ機能は「ソニーのモバイルを救う」との声も


・世界初のレンズ付け替え一眼インスタントカメラ
 まずはNONS SL42の魅力の詰まったプロモーション動画をどうぞ。


 ファインダーはプリズム式の一眼レフ構造。シャッタースピードは11段階調整可能で、外付けフラッシュのためのホットシューや三脚マウントも付いている。


 対応するフィルムは日本ではもちろんのこと、海外でも手に入りやすい富士フイルムのInstax mini。専用ボタンを押すとフィルムがでてくる仕組みで、単3電池2本をバッテリーとして使用する。


 インスタントカメラに一眼レフというだけでも珍しいが、NONS SL42の肝はやはり世界各国のM42レンズが装着可能なM42マウントにあるだろう。


・M42マウントレンズ
 M42マウント/レンズというのは、レンズとマウントの装着部分が42mm径のスクリュー状になっており、ねじ込むだけで装着できるタイプのもの。


 そのためM42マウントであれば、どれも互換性がある。ツメと穴の位置を合わせてねじるバヨネット式と比べても製造が簡単であったため、日本はもちろんのことドイツやイギリス、ロシアなど様々な国で造られている。(Wikipediaの「M42マウントレンズの一覧」ページも参考になるだろう)


 42mmが多く製造されていたのは、1980年頃までの所謂「オールドレンズ」なので、購入するとなればオールドレンズ専門店かネットオークションからとなるだろう。ヴィンテージのレンズというと高価な印象があるかもしれないが、例えばロシアKMZ製の50mmパンケーキレンズ「Industar 50-2」などであれば数千円から購入可能だ。


 当然ながらレンズを変えることで様々な性能や味を持った画を楽しめる。幸いなことにカメラ大国日本には様々なオールドレンズのレビューもネット上に数多く存在するのでまだM42には挑戦したことがないという人でも安心だろう。


 また、ミディアムフォーマットレンズの一部はアダプタを付けることで対応できるという(例としてはHasselblad CB Planar 80が挙げられている)。


・製品版完成までには改良も?
 Kickstarterページのコメント欄にはカメラファンから様々な意見や要望が集まっている。キャンペーンを主催するNONS STUDIOはそれらのコミュニティーからの反応に対してポジティブな対応をしており、最終製品になるまでには色々と改良される部分もあるようだ。


 キャンペーンアップデートでは、プロトタイプの30mmのシャッターサイズよりも大きなものを製品版に用いる可能性、より様々なレンジマウントに対応する可能性、そして口径食(vignetting、撮影写真の四隅が暗くなること)を改善する可能性、などが記されている。


・カメラ沼にようこそ
 これまでポラロイドやチェキでインスタントカメラを楽しんでいたという人には、もう一歩カメラ沼に深く足を踏み入れるゲートウェイドラッグとなりうるだろう。逆に、これまでインスタントカメラに制約を感じて手を出すのを躊躇していたカメラファンにとってはインスタントを楽しむよい機会となるかもしれない。


 2月24日の記事執筆時点でキャンペーンはあと17日を残し、約290万円の目標金額に対し80%ほどの資金が集まっている。NONS SL42の希望小売価格は2300香港ドル(約3万3000円)だが、Kickstarterリワードとしては約2万2000円から提供されている。なお2万2000円のものは本体のみのリワードで、他にレンズ付きのリワードやフィルム付きリワードなども用意されている。


(Yu Ando)