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川口春奈の“激辛動画”にみる、YouTube「はーちゃんねる」の恐るべき企画力

2020年03月07日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 女優の川口春奈が3月1日、自身のYouTubeチャンネル「はーちゃんねる」に投稿した激辛パスタを食べる動画が人気を博している。


(参考:川口春奈、YouTuberデビュー即ブレイクの理由は“方言動画”の破壊力にあり?


 2月1日に突如としてYouTubeに降臨し、個人チャンネル「はーちゃんねる」を立ち上げた川口。翌2日より1週間おきに投稿された「実家でお母さんに会ってきた!」「実家でまったり過ごします!」「この島で私は育ちました!」という3つの動画群は、川口の故郷・長崎県五島を舞台にした“帰郷三部作”とでもいうべき連作となった。


 NHK大河ドラマのメインキャストを務める売れっ子女優が、久しぶりに訪れた実家で母親や親せきと方言交じりに談笑するという今までありそうでなかった本作は、その希少性も手伝って大きな注目を集め、「実家でお母さんに会ってきた!」「実家でまったり過ごします!」に至っては500万再生を突破した。


 このようにYouTubeデビュー作にして出来すぎな結果を残した川口だったが、「これ以上、バズを起こせる動画があるのか?」と思った矢先に、オフ感満載のQ&A動画を公開。そして、今回アップされたのが「【新企画】これ、辛くできますか!?【激辛】」という動画だ。これもYouTubeでバズを起こす要素をいくつも兼ね備えた企画となっている。


 同企画は、「ジャンル問わず辛いものが好きで、刺激的な辛さが大好き」という川口が様々な飲食店に訪れて、激辛メニューを実食するというもの。第1回目となる今回の動画では、東京・六本木のイタリアンレストラン「ダルマット」に訪れ、激辛アラビアータを食していた。再生回数は3月6日現在138万回で、急上昇ランキングにも登場している。


 YouTubeでは現在、「激辛」が人気コンテンツの一つとして市民権を得ている。罰ゲームの定番「デスソース」が象徴的だが、いま最もアツいのが、Twitterなどで「辛いとかそういう次元じゃない」と話題沸騰中のカップ焼きそば「ペヤング 獄激辛」だ。YouTubeで検索すれば、はじめしゃちょー、フィッシャーズ、水溜りボンドといった有名YouTuberが「獄激辛」に挑んでいるサムネイルが多数登場し、軒並み高い再生回数をマークしている。こうしたYouTubeの潮流を踏まえた川口の「激辛動画」に対して、コメント欄には「ちゃんとYouTuberっぽい企画考えてるの好感」というメッセージも。


 また、シリーズとして初回投稿であるものの、川口の「激辛動画」には一つ特徴が垣間見られた。それは決して無理をしないということ。最初に店員から「辛さを最大10倍までできます」と提案されるも、川口は通常の2倍をチョイス。途中で「もう1個(辛くする)ソースがあるのですが、お持ちしましょうか?」と聞かれるも、にべもなく「いらない!(笑)」と拒否していた。


 リアクションで再生回数を稼ぎたい芸人YouTuberなどであれば、迷わず10倍を選び、辛くするソースにも飛びつくところだが、女優の川口は決してそれをしない。その代わりに川口は、非常においしそうにパスタを食べる。「食べ盛りなんですよ」と自分で言うように激辛アラビアータ以外にも、イチゴの冷製パスタも注文して、2つともぺろりと平らげていた。激辛アラビアータを食べる時にはさすがに辛そうな表情を見せるのだが、「辛いだけじゃなくてパスタにしっかりと味が絡まっていてすごくおいしい」とやはり楽し気だ。


 そして、こうした何気ない「食事風景動画」も、実はYouTubeの人気コンテンツになっている。人気俳優の千葉雄大も、メディアでたびたび「おじさんがただ食事をしているだけの動画を観て癒されている」と語っているが、ネットで動画を観て“一緒に食事している気分になる”という楽しみ方は、それなりに一般的なのだ。


 そんななか、今回の動画では顔を紅潮させ、時に汗をぬぐい、鼻をかみながらながら「うまい!」という川口。「可愛くないアングルがない」とその美貌を評価するコメント以外にも、「後輩と食事に行ってる感が良い」「おいしいじゃなくて、うまい!って言うのなんか良い」「気取らない感じ好感度爆上がりだわ」といった、自然体に食を楽しむその姿に好感を抱くメッセージも多数寄せられている。


 先述の“帰郷三部作”では、五島という土地が川口を素にさせていた。前回2月23日に投稿された動画「みんな気になってるアレやコレについて答えてみた」では、撮影に同伴した愛犬・アムがナチュラルな言動を引き出すのに一役買っていた。そして今回の動画では、好物である激辛料理により、川口は普段見られないような表情になっていた。


 毎回、バズを起こす動画のポイントを押さえながら、確信犯的に川口を自然体にさせる仕掛けを用意しているあたり、「はーちゃんねる」にかなり優秀なブレーンがいるのは間違いないだろう。今後、どのようなギミックによって、現役大河女優の素顔が明かされていくのか、ますます注目していきたいところだ。(こじへい)