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リニューアルした「六本木 蔦屋書店」は書籍に特化 レンタルサービス終了で蔵書を約2倍に

2020年03月06日 22:22  Fashionsnap.com

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「六本木 蔦屋書店」店内の様子 Image by: FASHIONSNAP.COM
ブック&カフェ「ツタヤ トウキョウ ロッポンギ(TSUTAYA TOKYO ROPPONGI)」が、3月7日に「六本木 蔦屋書店」としてリニューアルオープンする。外国人観光客や高感度なオフィスワーカー、ファミリー層といった六本木エリアの地域性を踏まえたMD構成を採用した書籍特化型の店舗に生まれ変わる。
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 ツタヤ トウキョウ ロッポンギはTSUTAYA初のブック&カフェ業態として「スターバックス コーヒー(STARBUCKS COFFEE)」を併設し、2003年にオープン。周辺エリアに大使館や外資系企業が多く、外国人観光客が多いという立地を鑑み、リニューアル後は「六本木の洋書屋」をコンセプトに洋書だけで約3万冊を揃え、全体でリニューアル前の2倍におよぶ約7万冊を蔵書している。また、グローバルな視座を持った高感度な顧客を「Global Thinker」と捉え、アートやファッション、ライフスタイルの要素を書籍のほか雑貨のセレクトに取り入れたという。店舗デザインは「代官山 蔦屋書店」も手掛けた建築ユニットのクライン ダイサム アーキテクツ(KDa)が担当し、モノトーンを基調にした店内に仕上げた。
 1階には「日本を持ち帰る」をコンセプトにしたギフトコーナーを新設。着物の帯をリユースしたポーチや鎧兜のミニチュア、京都の老舗洋菓子店「フランス屋製菓」とコラボした店舗限定商品「大和色ショコラ」などのギフトアイテムをラインナップしている。書籍スペースの奥にはキッズ用のプレイスペースを用意し、日本語、英語のほかフランス語やイタリア語などグローバルな作品を揃える。スターバックス コーヒーは引き続き同フロアで営業する。
(左)洋書の棚、(右)ギフトコーナー
 2階では、世界中から気鋭のアーティストを紹介する「BOOK GALLERY」を新たに展開し、オープニング時はニューヨークを拠点に活動する大山エンリコイサムの作品にフォーカス。雑貨スペースでは「これからのトレンド」を提案する最先端のグッズを揃えるといい、ヴィーガンレザーを使った「ロンバート(Rombaut)」のシューズや「Alexandra K」のバッグなどをラインナップする。バーとラウンジで構成される「ザ ラウンジ(THE LOUNGE)」では、アルコールドリンクを含む飲み物を提供。ラウンジエリアではジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo)など芸術家らの作品をイメージしたカクテルも用意している。ネットフリックス(Netflix)やアマゾン(Amazon)のプライムビデオ(Prime Video)など動画のサブスクリプションサービスの普及の影響もあり、同店のレンタルサービスは終了するが、DVDの販売は継続する。
(左)アート関係・ファッション関係の書籍コーナー、(右)ラウンジの座席
 六本木 蔦屋書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの広報担当は同店について「書籍も映像作品もデジタル化が進んでいるが、実店舗の良さは偶然の出会い。周辺地域と来街者に刺激を与える本屋を目指す」と話した。元々アートに強い蔦屋書店の特徴を活かし、ファッションやアートの大判の書籍を面陳列で並べ、"ジャケ買い"を楽しめるようにしたという。
 CCCでは近年、TSUTAYA業態の不採算店舗の閉店やリニューアルを進めており、ライフスタイル全般を提案する店舗や地域性を活かしたMDの店舗作りを強化している。2018年には家具販売の島忠と協業した新業態の店舗「TSUTAYA BOOKSTORE ホームズ新山下店」を出店しており、今年4月には地元の名産品を扱う「奈良 蔦屋書店」がオープンを控えているほか、昨年11月に閉店した「ツタヤ ブック アパートメント(TSUTAYA BOOK APARTMENT)」は今年中に新業態としてリニューアルする予定。同社運営のレンタルサービスを行う店舗数は減少しているものの、「オンラインとオフラインの両方で提案力を向上させ、顧客体験を充実させる方向性だ。レンタル業態を一概に書籍特化型の店舗に変えるのではなく、地域性や顧客のニーズを踏まえた店舗設計を意識している」と説明した。
■六本木 蔦屋書店オープン日:2020年3月7日(土)営業時間:7:00~24:00※「ザ ラウンジ」10:00~24:00場所:六本木ヒルズけやき坂通り1階、2階所在地:東京都港区六本木6-11-1