トップへ

9年ぶり中止の東コレ、無観客ショーのライブ配信など支援策発表

2020年03月06日 17:02  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

(左から)日本ファッション・ウィーク推進機構 後藤信昭事務局長、今城薫ディレクター Image by: FASHIONSNAP.COM
日本ファッション・ウィーク推進機構(以下、JFWO)が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止を決定した東京ファッションウィーク「Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 A/W」の中止の詳細と参加予定だったブランドへの支援策を発表した。
【もっと詳しく】東コレが東日本大震災以来の中止決定、新型コロナの影響で

 JFWOは中止について「ブランド、スタッフ、来場者など関係する皆様の安全と安心を第一に考えた結果」だと説明。中止を決議したのは2月28日夜のことで、ブランドからの「中止決定が遅いのではないか」との批判に対して後藤信昭事務局長は「ギリギリまで開催の方向で調整していたため」と答えた。東コレの中止は2011年の東日本大震災以来9年ぶり。開催中止を受けてJFWOは、参加ブランドに対する支援策を検討し、現在暫定的に決まっているサポート内容は下記の通り。
【Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 A/W開催中止によるブランドへの支援策】(3月6日時点)・参加費15万円の一律返金・公式会場でショー開催予定だったブランドが外部でショー等を行う場合に支援金授与(具体的な金額未定)・全参加ブランドを対象に今後ショーやインスタレーションを行う場合にルック撮影、動画撮影、公式サイトでのライブ配信をサポート
 自主的にショーを行うブランドへの支援では、無観客、消毒液の設置、マスクの配布といったウイルス拡散防止の措置をとることを条件としているが、具体的なショーの運営方法はブランドと協議して決めるという。また公式会場以外の場所で開催するはずだったブランドについては、会場のキャンセル料を含む損失の補填策は無し。冠スポンサーの楽天によるオンラインプラットフォームを活用した支援策も期待されていたが上記の支援に楽天は関与せず、JFWO単独で行う。楽天とは次回の開催に向けて密に連携していくとした。
 3月6日夕方にブランド向けに支援策について説明会を開き、自主的なショー開催の有無や支援を受けるか否かを議論し、13日までに全ての参加予定ブランドと協議を終える予定。既に無観客ショーの開催を表明している「ハイク(HYKE)」「ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)」の動画撮影やライブ配信をJFWOが支援するかについても今後話し合う。無観客のショーやインスタレーションなどを行うブランドをまとめたライブ配信スケジュールを作成し、国内外のメディアでのライブ配信や記事掲載を促すという。JFWOのディレクター今城薫氏は「半年に一度の機会の為に全力を注いだブランドの皆様のコレクションが無駄にならず、可能な限り最大限発信できる形を模索している」と話した。
 今回の開催中止について、参加ブランドからは「公式会場の使用オペレーションの変更(2月25日に伝達)が一方的であった」「中止決定前の説明会やヒアリングの場がなかった」などコミュニケーション不足を指摘されている。これに対して後藤氏は、「ギリギリまで事務局で議論し、決定後も迅速に発表資料の作成に努めた」と弁明。会場オペレーションの変更については、東京都や政府関連機関からの中止要請に該当しない規模に会場利用や観客数を調整する必要があったためとし、JFWOの独断によるものではなかったという。また、25日時点では変更が決定していた訳ではなく、開催のために必要と想定される特例的なオペレーションの想定案の位置付けだったと説明した。
【あわせて読みたい】東京ファッションウィークに何を期待する?有識者にアンケート調査