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グッチやラルフ ローレンなどもショー中止、新型肺炎が4~5月のファッションカレンダーにも影響

2020年03月06日 15:42  Fashionsnap.com

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イメージ Image by: FASHIONSNAP.COM
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今春に開催が予定されていたラグジュアリーブランドのショーの中止が相次ぎ、通年のファッションスケジュールにも影響が及んでいる。

 2020-21年秋冬シーズンは一部のブランドがショーの中止や無観客での開催などの措置をとったが、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリと4大ファッションウィークは一通りスケジュールを終えた。一方、感染者数が多いアジア地域では3月に予定されていた上海、ソウル、東京のファッションウィークが中止または延期となった。
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 通常のファッションカレンダーでは、4月から5月にかけて「クルーズ」や「リゾート」と呼ばれるプレコレクションが各ブランドから発表される。メインコレクションよりも日常的に着ることのできるアイテムが揃うため、コマーシャルの観点からも重要なコレクションと位置付けられている。毎年ユニークな開催地で行われるショーは、ファッションウィーク期間とは異なる大規模な演出やリラクシングなムードで賑わいを見せる。しかし、今シーズンは世界的な広がりを見せる新型コロナウイルスの収束の見込みが立たないことから、ショーを見送るブランドも多い。
 「プラダ(PRADA)」は日本で初開催のとなるはずだった5月の2021年リゾートコレクションのショー延期を決定。開催地や時期を改めて後日発表するとしている。そのほか、「バーバリー(BURBERRY)」は4月に行うはずだった上海での2020年秋冬コレクションのショーの中止、「シャネル(CHANEL)」は5月に北京で予定していたメティエ・ダールコレクションの延期がそれぞれ報じられている。いずれも各ブランドが重要なマーケットと位置付けるアジアの都市を開催地に選んでいたこともあり、ショーの中止はブランドにとって売上やメディア露出の減少などビジネス面に影を落とし、想定外の痛手を被ることになりそうだ。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、アジアの都市を開催地に選んだブランドだけに留まらない。「ラルフ ローレン(Ralph Lauren)」は、2020年フォールコレクションのショーを4月のニューヨークで予定していたが、ゲストと従業員の安全を考慮しショーの中止を決定。「グッチ(GUCCI)」では5月18日にサンフランシスコで予定していた2021年クルーズコレクションのショー開催を見送った。同ブランドでは代わりとなる発表形式を模索しており、詳細は近日発表するという。「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」は4月19~20日に予定していたドバイでのイベントを延期し、11月に開催予定と発表。さらに「ヴェルサーチェ(VERSACE)」でもアメリカの都市で開催予定だった男女の合同ショーの延期を発表したという。このように感染がそれほど広まっていないとされる地域でも社会情勢を鑑み、予防措置としてショーの開催を白紙に戻すブランドもあり、刻一刻と変化する事態に対応を余儀なくされている。
 そのほか、3月6日現時点までに中止などの発表はされていないが「ディオール(DIOR)」(未定)「マックスマーラ(MAX MARA)」(ロシア・サンクトペテルブルク)「シャネル」(イタリア・カプリ島)などプレコレクションのショーの開催を当初から予定しているブランドもあり、近日中に開催有無の判断が下されそうだ。