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介護職を辞めようと思った瞬間「利用者から暴力を受けても"やられる方が悪い"」「それなりの待遇にしてほしい」

2020年03月05日 07:10  キャリコネニュース

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過酷な業界とも言われる介護職。現場で働くキャリコネニュース読者から「もう辞めたい」などの悲痛な声が届いている。

40代女性は認知症の利用者のケアをしていたが「利用者様の暴力でうつ病になり退職」したという。悪意がなくても暴力を受けつづけていれば肉体的にも精神的にも限界が来る。今回は介護の仕事を辞めようと思った瞬間のエピソードを紹介する。(文:林加奈)

「職員を守らないことには利用者を支援する職員が次々といなくなります」


ある40代女性は障害者支援施設で支援員として、高齢者だけでなく幅広い世代の利用者の介助をしていた。当時を「利用者に施設での生活を心豊かに過ごしてほしくて、また人材が不足しているところで奉仕したい気持ちもあり、仕事に励んでいました」と語る。

女性は「利用者たちの笑顔が元気の源でした」というが、

「しかし行動障害を持つ利用者から突き飛ばされたり噛みつかれたりすることもありました。それでも施設長からは『やられる方が悪い』と叱責されます」

と胸中を明かす。体の大きな男性利用者に襲われたこともあった。それでも上司は「利用者の権利保護」「支援に対する認識が甘い」などと言い、環境を変えることはなかったという。好きな仕事だったが、身の危険を感じ辞めてしまったという。

「利用者の擁護はもちろん大事。しかし、職員を守らないことには利用者を支援する職員が次々といなくなります。そのことに管理職の方に気づいてほしかったです」

「好きでしている仕事なのにこんなひどい扱いで残念です」

30代の女性は、利用者からの暴力や過酷な労働環境に苦しみながらも、介護の仕事を続けている。しかし、現場を知らない別部門の人たちへの怒りをあらわにする。タイムカードはなく、「時間外で働いても事務所の人は定時で帰るので残業している現状さえ知らない」という。

「低賃金で暴力がひどい人や、コールを話さずに押し続けている人、いろんな人の対応に追われています。本当に損な仕事だなと日々思いますし、好きでしている仕事なのにこんなひどい扱いで残念です。『プロなんだから』と言われますが、プロという位ならそれなりの待遇もしてほしい」

女性は「いつも辞めたい」と思っているが、「目の前の利用者を残してはやめられません。こういう気持ちにつけこまれているんだなと思ってます」と心境を綴った。

一方、デイサービスに勤めている50代の女性はすでに退職を決意している。「小さなことでも大げさにミスしているように言われる。毎日こんな繰り返しで参っています」と語る。

どのエピソードでも仕事内容もさることながら、人間関係でも悩みが尽きない様子がうかがえる。人手不足が深刻な介護業界では、職員一人ひとりが「介護の仕事をしたい」と思える環境づくりが急務といえる。

※キャリコネニュースでは引き続き「会社を辞めようと思った瞬間」や「ウチの会社のホワイト自慢」に関するアンケートを募集しています。