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N国党「スラップ訴訟」は二審も返り討ち ライターを訴えたら逆に95万円の支払い命令

2020年03月04日 19:41  弁護士ドットコム

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NHKから国民を守る党(N国)所属の立川市議が、ネット記事で名誉を毀損されたとして、執筆したライターに200万円を求めていた訴訟の控訴審判決が3月4日、東京高裁であった。


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一審判決は、市議の請求を棄却し、逆に提訴自体が不法行為になるとして市議に対して約79万円の支払いを命じるものだった。



高裁の川神裕裁判長は、この一審判決を支持。控訴審にかかった弁護士費用や実費を考慮し、市議に対して一審よりも16万円多い、計95万円の支払いを命じた。



●「居住実態ほぼない」の投稿がきっかけ

裁判を起こしたのは立川市議の久保田学氏。全国の選挙を取材している選挙ウォッチャーちだい氏による「立川市に居住実態がほとんどない」とする記事が名誉毀損に当たると主張していた。



高裁は、久保田氏が自ら配信した動画の中で、生活の本拠が立川市以外にあることをうかがわせる発言を繰り返していることなどから、ちだい氏の記事に真実相当性を認めた。



さらに、ちだい氏に違法性がないことを知りながら、または容易に知り得たのにあえて訴訟を起こしたと判断した。



●立花党首「スラップ訴訟」と動画で明言

なお、この裁判について、N国党の立花孝志党首は、2019年5月12日に配信された久保田氏の動画で次のように発言している。



「この裁判は、そもそも勝って、ちだい君からお金を貰いにいくためにやった裁判じゃなくて、いわゆるスラップ訴訟、スラップっていうのは、裁判をして相手に経済的ダメージを与えるための裁判の事をスラップ訴訟と言うんですよ」(一審判決ママ)