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『知らなくていいコト』で“いまどき女子”を好演 期待の若手女優・関水渚の武器は瞬発力?

2020年03月04日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

関水渚『知らなくていいコト』(c)日本テレビ

 現在放送中の連続ドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)で吉高由里子扮する主人公・真壁ケイトが務める「週刊イースト」編集部の連載班・小泉愛花を演じる女優・関水渚。劇中では、ケイトと別れたばかりの野中春樹(重岡大毅)にモーションをかけ、付き合い始めるなど、天真爛漫ないまどき女子を好演している。


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 関水の女優デビュー作は、石井裕也監督がメガホンを取った『町田くんの世界』。本作では、まったくの演技未経験ながら、1000人を超えるオーディションで、ヒロインの座を獲得。この作品で、キネマ旬報ベスト・テン新人俳優賞をはじめ、ブルーリボン賞、毎日映画コンクールなど、多くの新人賞を受賞した。


 石井監督は「新人というものは計り知れない爆発力やすごみがある」と話していたが、その言葉通り、関水演じる“猪原さん”は、複雑な家庭環境に育ち、不登校になるという難役ながらも、新人ならではの瑞々しさと、すがすがしいほどに感情を爆発させるさまをフィルムに焼き付けた。


 初めての映画で感情のふり幅の上限を大きく上げることができたことは、関水にとってはかけがえのない経験だったようで「大好きな人にすごく怒るシーンがあるのですが、いままで私のなかで、好きな人にあそこまで怒るという感情はまったくなかった」と芝居を通じて、自分自身を知っていく作業を「ものすごく楽しい」と語っていた。


 デビュー作のインタビュー(トレンドニュース|https://trendnews.yahoo.co.jp/archives/631874/)で「反省点も多く、もっとできるようになりたい。負けたくないという気持ちが芽生えてきた」と語っていた関水は、その後、連続ドラマ『4分間のマリーゴールド』(TBS系)では、福士蒼汰演じる花巻みことが務める消防署で、救急救命士を目指し勉強中の阿部志乃としてレギュラー出演を果たすと、現在公開中の映画『カイジ ファイナルゲーム』でも、藤原竜也演じるカイジと行動を共にする、茶髪で明るく元気なヒロインを務めた。


 まだ出演作が少ないため、役柄の幅という意味ではガラリと違うキャラクターを演じているわけではないが、感情の幅という意味では、デビュー作でかなりみっちりと石井監督から“振り切ること”の指導を受けたおかげで、瞬時にスイッチを入るさまは小気味が良い。


 『知らなくていいコト』でも、これまでは野中を翻弄するだけで、編集部内での行動範囲は狭かったが、第7話でケイトが襲撃された場面を動画で撮影し、雑誌に貢献できたことで一気にほかの部署の人たちとの交流が広がった。仕事に対してどこか冷めた目で見ているような感じだった愛花だったが、この出来事をきっかけに、生き生きとした表情にガラリと変わった。現時点で、この瞬発力は関水の大きな武器になっているように感じられる。


 『町田くんの世界』でも『カイジ ファイナルゲーム』でも、関水は“振り切った芝居”を意識したと語っていたが、今後、編集部内で取り残されたと感じ暴走する野中に対して、愛花がどんな対応をするのか大いに注目が集まる。


 「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」のファイナリストに選ばれたことをきっかけに芸能界入りした関水。先日行われたブルーリボン賞の受賞式では「一生女優を続けられたら」と話していたが、ゴールデンウィークには、長澤まさみが主演を務め人気を博している映画『コンフィデンスマンJP』の最新作「プリンセス編」で、ダー子の「子猫」チームに新加入する少女・コックリ役として出演するなど、さらなる活躍が望まれる期待の若手女優だ。


(磯部正和)