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英人気コメディアン、実名を「ヒューゴ ボス」に正式改名 ブランドに対する抗議

2020年03月03日 18:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

アカウント名も「ヒューゴ ボス」にしたジョー・ライセット(画像は『Hugo Boss 2020年1月16日付Twitter「Obsessions is on @BBCRadio4 NOW!」』のスクリーンショット)
英コメディアンのジョー・ライセット(31)が、実名を「ヒューゴ ボス」に改名したことを明らかにした。ドイツの有名ファッションブランド「HUGO BOSS(ヒューゴ ボス)」は中小企業などに対して商標の使用停止を要請しており、これに対する抗議として改名を決意したという。

高級ブランドの「ヒューゴ ボス」は、商標である「ボス」を商品名などに使用する小さな企業やチャリティ団体などに対して使用停止を求めている。これまでにいくつかの企業や団体が商標法違反の罪に問われ、法的手続きや商品名の変更によるコストに多額の費用を費やしてきた。

過去には英ウエールズにあるビール醸造会社「ボス・ブリューイング(Boss Brewing)」が、商品名の一部に「ボス」を使用したとして商標法違反の罪に問われた。4か月の法的争いの結果、醸造会社はビールの商品名を「Boss Boss」から「Boss Bossy」に変更、「Boss Black」は「Boss Brewing Black」へと変更した。醸造会社は法的費用に1万ポンド(約138万円)を費やしたそうだ。

コメディアンのジョー・ライセットは、こういった事実に抗議する形で改名を決意したという。英時間3月1日には自身のツイッターに改名の証拠となる証明書の写真を公開し、このようにコメントした。

「ヒューゴ ボスが、自分の名前を使われるのを嫌ってることは明らかだ。彼らにとっては残念なことだが、僕はディード・ポール(Deed Poll/改名を申請する制度)を通して法的に名前を改名した。今の僕は公式にヒューゴ ボスという名前で通っている。今後、僕からのすべての声明はジョー・ライセットではなく、ヒューゴ ボスとして発表される。楽しんでくれ。」

翌2日にはBBCの朝番組に出演し、改名の理由などについて語った。スタジオに登場したライセットは、自分の写真と新しい名前が記載されたビジターパスを見せて「BBCのシステムによると今、僕は法的にヒューゴ ボスなんだ」と自己紹介した。

「まず、ヒューゴ ボスって会社があるよね。そして、ウエールズのスウォンジーには“ボス・ブリューイング”という小さな会社があるんだ。新しくて小さな会社が、商品のビール名を商標登録しようとしたわけ。そしたらヒューゴ ボスが商標権侵害をやめるよう警告書を送ったんだ。違法行為を止めろってね。」

「巨大な企業が小さな会社を相手取るなんて、フェアじゃないよね。ヒューゴ ボスとビールを間違える人なんて、いやしないよ。」

「彼らが名前の使用停止を求めることを止めてほしいんだ。それから裁判にかかった費用を返してあげてほしい。こんなことはもうしないって約束して、謝罪してくれれば嬉しいね。」

ジョー・ライセットは英BBCの人気番組『QI』『Taskmaster』『Live AT The Apollo』などに出演する売れっ子コメディアンだ。チャンネル4では消費者を詐欺被害から守るTV番組『ジョー・ライセット・ゴット・ユア・バック(ジョー・ライセットは君の味方だ)』の司会も務めている。番組ではヒューゴ ボスとしての新製品をローンチする予定だと言い、「番組名も“ヒューゴ ボス・ゴット・ユア・バック(ヒューゴ ボスは君の味方だ)”に変えなくちゃね」と語っている。

画像は『Hugo Boss 2020年1月16日付Twitter「Obsessions is on @BBCRadio4 NOW!」、2020年3月2日付Twitter「Someone’s going on @vicderbyshire in a minute...」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)