連日のマスク不足には本当に頭を抱えてしまう。花粉症持ちの人間としては長時間の外出も難しい有様だ。
そして今度はトイレットペーパーやティッシュの買い占めまで、全国各地で堰を切ったかのようにスタートした。ネット上ではどっかのスーパーでマスクをした人たちがオイルショックばりにトイレットペーパーの争奪戦を展開する様子が画像や動画で投稿されている。
「この人たち、なにやってんだ」とバカバカしくなったものだ。完全に濃厚接触しまくってるようなもんだし、トイレットペーパーは生活必需品。買い占めなんかしなきゃ、そもそも枯渇するわけがない。(文:松本ミゾレ)
「店のトイレに置いてたトイレットペーパーの減りが早い」
先週末、僕は終電を逃してしまい、幡ヶ谷にある行きつけの飲み屋で始発まで時間を潰した。そのとき、この店のマスターが「店のトイレに置いてたトイレットペーパーの減りが早い」と話していた。
僕は「お腹を壊していっぱい使う人がいたのかな」ぐらいに思っていたが、それにしてはあまりにさっさとなくなるという返事。「もしかしたら、お客さんがこっそり持ち帰ってるのかなぁ」と、お客さんに対して疑心暗鬼になっちゃってて可哀想だった。
結局そのお店では、トイレットペーパーは大量にトイレに置きっぱなしにするのではなく、必要最低限の数だけをセットする作戦に出たという話だ。が、そうなると紙切れになるリスクも上がるので、結果的にいつも以上にトイレの点検をする必要性が出てくることになる。それはそれでかなり面倒だなぁと、他人事ながら同情をした。
実際飲み屋だけに限らず、色んなお店でこの問題は生じている様子だ。ツイッターで「トイレットペーパー 備品」でワード検索してみると、結構引くぐらい「備品のトイレットペーパーが盗まれた!」系の書き込みを見ることができる。そのすべてが実際に起きたものと断定することはできないが、まあ、さもありなん……といった心境だ。
案外僕らの民度は低いというか、自分さえ良ければ、他人が困っても知ったことじゃないという考えの人は多いもんだし。
パチンコ屋でも備品のトイレットペーパーを小出しで設置
それから、これも先週の土曜日のことなんだけど、外出中にお腹がいたくなってどうしようもなくなり、目についたパチンコ屋さんに飛び込むことにした。パチンコ屋のトイレは非常に清潔であることが多く、しかも基本的に今はどこもウォシュレット完備。ありがたく利用させてもらったんだけども、普通はトイレットペーパーも個室にいくつもストックされているものだ。
ところがこの日は、既に買い占め騒動が問題視されて以降ということもあってか、1ロール半ぐらいしか用意されていなかった。
まあ全然この量でも足りるんだけども、こういうところにも「ああ、買い占め騒動の余波かもなぁ」と感じるポイントが生じていた。ちなみに無料でトイレを使わせてもらうのもしのびないので、ちょっとだけ遊んで帰ろうとか思ってたら5500円も負けてしまった。人生はままならぬ。
ところで我が家では、今普通にトイレットペーパーの残りロールが少ない。だから買い足す時期なんだけども、今もしも店頭に在庫があったとして、この状況で買うというのは、なんか卑しい人間みたいに思われそうで非常に気が引けてしまう。
きっと同じような気持ちになっちゃってる人も、僕以外にいるはずだ。なんで僕らがそんな気持ちにならなきゃいけないんだろう。アホほどトイレットペーパーを買い占めた人たちには呆れるばかりだ。