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YouTuber週間チャート分析:ゆきりぬの後輩「かこちん」がch開設 トレンドは“次代の育成”に?

2020年03月02日 15:31  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

参考:NoxInfluencer「Top 100 登録者増加数Youtuberチャンネル」


 1週間で注目を集めたYouTubeチャンネルをピックアップし、その理由を探る本企画。YouTuberに関するデータを提供する「NoxInfluencer(ノックスインフルエンサー)」による「Top 100 登録者増加数Youtuberチャンネル」」(3月1日更新/対象期間は1週間)を参照した。


(参考:YouTuber週間チャート分析:三代目JSB・NAOTO、YouTuberデビューで登録者数爆増!


 2月23日から3月1日にかけて最も登録者数が増加したチャンネルは、「日常かこちん(↑193.9%/登録者数13.4万)」。同チャンネルを運営するかこちんは、チャンネル登録者数が120万人を超える人気クリエイター・ゆきりぬの大学の後輩だ。度々ゆきりぬの動画に出演しており、その際に「チャンネルを立ち上げてほしい」という声が多く寄せられていたことから、YouTuberデビューすることになった。


 活動をサポートする布陣は、やはり豪華だ。編集はゆきりぬに教わっており、高学歴を活かしさまざまな検証や実験を行う「はなおでんがんチャンネル」のでんがんが動画のプロデュースを担当。同チャンネルで公開された1本目の動画「ほんとにチャンネルができました」ですぐさま急上昇にランキングに登場し、開設から3日ほどで10万人もの登録者を獲得した。


 同チャンネルでは現在、でんがんがプロデュースしている様子やゆきりぬから実際に動画の編集方法を教わっている様子が公開されており、二人のファンも多くチャンネル登録したようだ。


 チャンネル登録者数が837万人に及ぶトップYouTuber・はじめしゃちょーは2018年、後輩クリエイターたちを育成する「はじめしゃちょーの畑」を立ち上げ、現在ではチャンネル登録者数が200万人に迫る人気グループに。また、コンビYouTuberとしてトップをひた走る水溜りボンドのチャンネルからは、主に裏方として動画活動を支えていた「Pさん」が昨年いっぱいで独立し、11万人以上のチャンネル登録者を集めている。かつて人気グループYouTuber東海オンエアのリーダー・てつやの家に居候していた「御曹司」(時代が俺に追いついたGames)は、今や押しも押されもしない人気ゲーム配信者であり、このようにトップYouTuberの影響、あるいは直接的なサポートを受け、人気を拡大するクリエイターは増えていきている。


 その流れの最先端にいるのが、かこちんと言えるだろう。もちろん、これからトップクリエイターへの階段を駆け上がるかは本人の努力とタレント性次第だが、新たなスターの誕生を待望しているYouTuberフリークは、今からチェックしておこう。


 以降のランキングも見ていくと、「日常かこちん」に次ぐ2位にランクインしたのは、金融や経済などの情報を発信する「高橋ダン – Dan Takahashi – 」(↑168.5%/3.01万)。彼はもともと、ニューヨーク・ウォール街で金融取引を始め、26歳でヘッジファンドを設立、30歳で会社を売却したという経歴を持つ。その経験を活かして海外のニュースを伝える、という内容のチャンネルになっている。


 今回ランクインした要因は、新型コロナウイルスの世界的な広がりを受けて株式市場が暴落したこと。高橋は以前から、動画で相場の下落を予想しており、それが的中したことで再評価される形となった。新型コロナウイルスについては、不正確な情報や興味本位の取り上げ方をしている動画も散見されるが、時事の話題に自分の特技や専門知識を活かしてアプローチする、というのはYouTuberが人気を獲得する上での王道とも言えるだろう。


 そして3位には、現在テレビでも活躍中のお笑いコンビ・かまいたちの「ねおミルクボーイ」(↑153.2%/15.2万)が登場。チャンネル名は、2019年M-1グランプリ王者に輝いたミルクボーイと、インフルエンサーのねおがゲストとして『ダウンタウンDX』に参加していたことから、番組MCのダウンタウン・松本人志につけられたものだ。


 そのミルクボーイとねおに「ねおミルクボーイ」とチャンネル名に冠するための許可を取りに行く動画を公開すると、これが95万再生(3月1日時点)を記録。元々の人気もさることながら、勢いのある二組が登場したことも話題を広げる要因になったと思われる。


 かまいたちの動画には、吉本興業のライブイベントが新型コロナウイルスで中止になっていた事情もあり、「落ち込んでるタイミングだったからこのチャンネルの更新が待ち遠しくて仕方なかった」という声も上がっている。お笑いだけでなく、あらゆる分野で大型イベントの中止が相次ぐなかで、フットワーク軽く、ファンに生のメッセージを届けられるYouTubeというプラットフォームの価値が再発見されていくかもしれない。(鳥羽竜世)