過酷な労働で心身を疲弊させるブラック企業。キャリコネニュース読者からは、
「初出勤して5分後、いきなり社長に呼びだされ『お前を採用したのは間違いだった』と罵詈雑言」(30代男性、販売・サービス職)
「職場に行っても社員がいなかった。おまけに試用期間で退職勧奨を受けた」(30代男性、IT系技術職)
といった声が寄せられている。そんなブラック企業で迂闊に休もうものなら、
「子どもが熱を出して有休を使った日に『次からは実家に預けるとか対応を考えて』とわざわざ電話がかかってきた。実家が70㎞離れた場所だと知っているのに。唖然とした」(30代女性、建築・土木技術職)
という仕打ちまで受けたという人も。中には会社ぐるみで"気づかないふり"をするケースもあるようだ。今回は、事務・管理の20代女性がかつて在籍したブラック企業でのエピソードを紹介する。(文:鹿賀大資)
「業務レベルは小学生のころにやった"自営業の親のお手伝い"以下」
女性は当時、大手航空会社に勤めていた。所属先は航空会社ではなく、そこから雑用に近い事務作業だけをアウトソーシングとして請け負う会社だった。
入社説明会のときには「航空業界の第一線で働ける」「数年頑張れば一便の責任者になれる」など輝かしいことを言われたが、実際は違った。
「会社が受託していた業務というのは、数字やアルファベットの入力・照合・書類配り・簡易なファイリングだけでした。正社員で入社しましたが、仕事の難易度は一般的な派遣社員レベル以下。小学生の頃に自営業の親のお手伝いをしたときよりもレベルが低かったです」
上司にキャリアアップについて聞くと「定年まで仕事内容は変わらないよ」
それでも女性は「入社直後は誰だって雑用や単純作業から入るもの」という心構えでいた。ところが会社の人事部や経理部はまったく機能しておらず、マネージャー以上は別会社からの出向・転籍組だった。
「上司にキャリアアップの道筋を恐る恐る聞いてみると『定年まで仕事内容は変わらないよ』と言われました……。確かに単純作業あってこそ仕事は成り立つものですし、誰かがやらなければなりません」
とは思うものの、そうした事実を知った女性は自身の仕事について「キャリアアップを考えていない主婦のパート社員さんが納得の上で行うものなのでは」という疑問も浮かんだほどだった。さらに、
「散々期待を抱かせるようなことを言って、さあこれから社会人だと希望を抱いて入社した直後、『君これから40年間延々と単純作業ね!』と言われる、その絶望をブラック企業はまったく分かっていません」
と綴る。
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