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Snow Man、そこはかとなく漂う“和のテイスト”と“品の良さ” 「Crazy F-R-E-S-H Beat」のダンスに注目

2020年02月29日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

Snow Man

 1月22日に「D.D.」でCDデビューを果たしたSnow Man。デビューをきっかけに9人構成ならではの華やかなステージに魅了された人も多いことだろう。現在YouTubeでは「D.D.」のMV、「Crazy F-R-E-S-H Beat」 のダンスビデオ(いずれもYouTube ver.)が公開されている。改めてSnow Manのダンスの魅力について探ってみたい。


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 彼らのデビュー曲「D.D.」は、“これぞデビュー曲”という、耳に残るメロディが特徴。活動を続ける中で、これから何百回と披露するに相応しい楽曲だ。それだけにMVの構成も、メンバー顔にフォーカスし、初見であっても顔と歌唱パートがリンクしていて覚えやすい。


 オープニングから最年少のラウールを中心に据え、アクロバット、歌唱力、チーム全体と、グループの魅力がダイジェストで伝わる構成だ。


 「D.D.」のカップリング曲「Crazy F-R-E-S-H Beat」はダンスビデオと銘打っているだけに、ミステリアスな楽曲に沿ったストーリー性の高い振り付けが特徴。メンバーの岩本照が振り付けを担当した。「D.D.」のように激しい動きとカメラワークの構成ではなく、冒頭から細かな手の動きから頭、上半身、下半身、ステップ……と徐々に全身へと及んでいく細かな動きが面白い。


 また、衣装をモノトーンに統一したことで、首の動き、手の振りや指の先、足のステップ、脚の角度、滑らかな膝の動きなど、細かな構成要素がよく見える。衣装の“引き算”が効いている。また、ダンスやフォーメーションがよくわかるカメラワークが絶妙で「中毒性がある」と評されるのも納得だ。


■他ジャンルになくSnow Manのダンスにあるもの


 さて、Snow Manのダンスはジャニーズのグループ以外のアーティストと比較されることが多いが、同カテゴリーに分類される激しいダンスナンバーでも一味違うのは、舞台経験が多いことも挙げられるだろう。


 筋肉と会話ができるという岩本照、股下が94センチという脚の長いラウール、素人でもわかる身体能力の高さの持ち主・佐久間大介……とメンバーそれぞれの身体的な特徴もさることながら、脚の動き、手の動き、首を傾げる動作一つにもセクシーさを感じることもあれば、女形を彷彿とさせる美しさ、妖艶さと、シーンによって様々な捉え方ができる。


 バレエのような柔軟性と身体の中心に軸を感じる体幹の存在、パントマイムのような細かな動作の重なりによって創り出す世界観。そして、舞のような静的な美しさ、激しい踊りと日本舞踊も彷彿とさせる、舞台仕込みの身のこなしが生きている。


 力任せの荒々しいダンス、一糸乱れぬダンスもステキだが、コンマ数秒の身体の動かし方の違いに個性を感じつつ、グループ全体として見たときの一体感。彼らのダンスには、ワイルドさもセクシーさもあるが、そこはかとなく漂う和のテイストと、“品の良さ”も特徴の一つといえるだろう(だて様こと宮舘涼太が放つ気品も大いに影響しているに違いない)。


 さて、「Crazy F-R-E-S-H Beat」にはもう一つ、無音にして観るという楽しみ方もある。身体の動き、フォーメーションと、パントマイムのような世界観は言語を越えて魅了される人も出てくるだろう。今後、彼らが目指す世界進出を見据えると必要な要素と言えそうだ。今後も楽曲リリースと並んでどんなダンスをみせてくれるのか注目していきたい。(柚月裕実)