「まったくのデマ。トイレットペーパーの供給は十分足りています。」憤りをこう語るのは、紙製品メーカーの業界団体・日本家庭紙工業会の担当者だ。現在、全国のドラッグストアなどからトイレットペーパーが消えている。
ツイッターでも2月27日ごろから「都内のドラッグストアを見て回ったけど軒並み売り切れ…」といったツイートが多数寄せられた。
発端はSNS上の投稿。新型コロナウイルスの影響で「中国での生産が追いつかない」「原材料が輸入できなくなる」という根拠のない情報が拡散し、各店舗で買い占めが起こっている。メルカリ上でもすでに定価の2~3倍で転売が始まった。
「高額転売が目的でデマを仕掛けられたのでは、と疑いたくなるくらい」
エリエールなどを製造する大手製紙メーカーの大王製紙は、キャリコネニュースの取材に「生産は通常通り」と回答する。生産拠点については
「生産工場は愛媛、静岡などに複数ございますが、100%国内で生産加工をしています」
と話した。
日本家庭紙工業会によると、2019年に日本国内で販売されたトイレットペーパーの約98%は国内で生産されている。同工業会の担当者は「高額転売が目的でデマを仕掛けられたのでは、と疑いたくなるくらい」と漏らす。
「供給量は十分足りており、基本的に在庫を切らすことはない。だが、消費者が一度に店頭に殺到してしまうと、当然一時的に棚から消えてしまうことはあるかもしれない」
と述べ、「だまされずに落ち着いて行動してほしい」と呼び掛けた。