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世界的YouTuberジェイク・ポール、「金稼ぎの方法」伝授するサロン始めるも“やり方”に賛否

2020年02月27日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

ジェイク・ポール

 古今東西様々なYouTube界の大物がいますが、ロスアンゼルスを拠点に活動しているローガン・ポールとジェイク・ポール兄弟ほど悪い意味で有名なYouTuberもいないのでは(個人的にはお騒がせというレベルを超えていて、目に余る)。


(参考:仙台を拠点に日本の魅力発信 英国人YouTuberクリス・ブロードが語る“ガイドブックにない日本”


 ふたりは別々にチャンネルを持っていて、主な視聴者はどちらとも19歳までの子供。ただ、度が過ぎる悪戯動画が得意で、兄であるローガン・ポールは日本の樹海で自殺者を見つけた動画をYouTubeに投稿して大バッシングにあいましたし、弟のジェイクは11歳でYouTuberデビューして以来、その過激な行動や詐欺まがいのサロン商売が非難の的になっています。


 で、この弟のジェイク・ポールが今月「Financial Freedom Movement(以下FFM)」というオンラインサロンをローンチさせたことが判明。Mashableによると、ジェイク・ポールのように成功して金銭的自由を手に入れる方法を教えるサロン商法なのだそうです。


二次方程式を学ぶより……
 ローンチに先駆け、ジェイク・ポールはこんなツイートをしていました。


 「教育システムでは教えてくれないリアルなスキルを学びたいならffmに入ろう。椅子に座って二次方程式を学ぶより、金儲けの方法を学ばないか?」


 FFMは月額19.90ドルで、ポールや他のインフルエンサーからブランディングや効果的なビジネスミーティングのコツを学ぶオンラインサロンです。


 気になる“金銭的自由”のレベルですが、Varietyがポールに確認したところ、大規模なパーティが開けたり、2ヶ月間のバケーションが楽しめたりするレベルなんだとか。


しかしやり方が賢くない
 ジェイク・ポールは言います。「学校に行っていい点数をとり、会社に入って9時から5時まで働きっぱなし。65歳で定年を迎えるなんてまっぴらごめん。俺らの世代はもっと上手くやれるはず。親の世代を見てみろ、好きなことをして生きているかーー?」


 ジェイクは馬鹿にしているようですが、ジェイクを支えているファンである子供たちの親の多くがコツコツと9時5時で働いているはず。煽り商法だとしても、ファンの親をディスるのは賢いやり方とは言えません。


 それにジェイクは過去にも同様のサロンを立ち上げ、詐欺同然の行為を働いています。それが「Edfluence」です。


Edfluenceは酷かった
 2017年、ジェイク・ポールはEdfluenceというインフルエンサー育成サイトをローンチさせました。そのサイトは7ドル支払ってジェイクの“オンラインサクセスの秘密”を語る動画にアクセスするもの。しかし内容は薄く、とても満足できる代物ではありません。そこで、さらなるコンテンツを見るために57ドル支払うシステムになっているのです。


 ただここで問題が。57ドル支払って、いざコンテンツにアクセスしようにもコンテンツは完成しておらず「coming soon」表示のまま。結局コンテンツは作られることなく、サイトは閉鎖されてしまいました。


気になるFFMの内容
 あれから3年。ジェイク・ポールは再び同様のサイトをローンチさせました。以前と違うのは、自分だけのお抱えメンバーであるTeam 10の仲間だけでなく、ネットで成功している人たちを集めてチームを組んでいるとこと。しかしHPのメンバーの動画を見る限り、彼らの成功法を伝授してもらえるというよりは、ジェイクのサポートといった感じ。あくまで主役はジェイクであり、ジェイクのストラテジーを学ぶ講座になっているようです。


 ちなみに、FFMを受講するのに適している人は以下の通り。


・金銭的自由を求めているジェイクのフォロワー。
・すでにインフルエンサーもしくは影響力を増して収入を増やしたい人。
・プロもしくはビジネスオーナーでソーシャルメディアを活用して収入と顧客を増やし、ブランディングしたい人。


 反対に、向いていない人は以下の通り。


・手早く成功したい人。(成功に導く魔法の薬はない)
・即効性を求めている人。(富と自由を手にするには時間がかかる)
・教育とは、借金をしながら、ロクにまとまった金も稼げない奴らから長い時間かけてグダグダ教えてもらうことだと信じている人。(いわゆる今の教育システムのこと)


 向いていない人の項目に、「時間がかかる」と書かれているので、例え効果が出なくても巧妙に責任逃れできるようになっていますね。それは別として、既存の教育システムを否定して、学業を疎かにしても良いと伝えているのは問題に感じます。影響力のある人なので、子供の人生を左右するようなことは言わず、リスクヘッジを考えて学業との両立を勧めてくれたら親世代から蛇蝎の如く嫌われなくても済むのですが。


 さて、ジェイク・ポールの新サロン「FFM」は成功するのでしょうか。信じてサブスクする人がいる限り、Edfluenceの二の舞にならないで欲しいです。


(中川真知子)