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佐々木李子『防振り』EDシングルは自身の世界広げる"挑戦の1枚"に

2020年02月26日 14:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●自身にも『防振り』にもリンクした表題曲が完成
『キラッとプリ☆チャン』だいあ役や『邪神ちゃんドロップキック』ぽぽろん役などで声優としても活躍する一方、ソウルフルな歌声を活かして歌手としても多数のアニメ・ゲーム主題歌を歌唱してきた佐々木李子。

彼女が2020年第一弾シングルとしてリリースするのが「Play the world」だ。表題曲は『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(以下:防振り)』のEDテーマとして起用された、彼女随一の明るくポジティブなナンバー。それ以外にも自身の新境地をみせる楽曲揃いとなったニューシングルについて、存分に語ってもらった。
○●アップテンポながらも「EDでよかった」と思えた表題曲

――今年1月に2ndワンマンライブを開催されました。ご自身にとって、どんなライブになったと思われていますか?

いちばん強く思っているのは「みんながいたから、できたライブだな」ということで。実は開催1カ月前ぐらいの時点で、チケットがやっと半分売れたという状態だったんです。でも、リリースイベントやライブを通じてだったり、あとはチラシ配りをしたりするなかで、ファンのみなさんも「私が本気で頑張っているんだな」と感じてくださったからか、友達を誘ってくださったりCD配ったりしてくださって……そのおかげで、当日は満員で開催できたライブになったんですよ。

――ライブ当日はもちろん、プロセスも含めて感慨深かった。

そうですね。私、「認められたい」とか「褒められたいから、うまく歌わなきゃ!」みたいに思っていた時期もあって。その頃は、ライブでも独りよがりで歌っていたと思うんです。でも2ndワンマンを通じて、間近にしたお客さん一人ひとりと目と心を合わせて歌うことってすごく大切なことだと感じて。その感覚は、これからもずっと大事にしていきたいと思いました。

――今回リリースされるニューシングル「Play the world」は『防振り』のEDとなっています。作品自体へはどのような印象をお持ちですか?

毎週リアルタイムで観てツイートもしているんですけど(笑)、面白いです! 主人公の(本条)楓ちゃん……メイプルちゃんが、ゲーム初心者ならではの「えっ、そんな倒し方で進んでいくの!?」っていう斬新な戦い方をするなど、観ていてすごく笑えるところもたくさんあるので、私は「毎週の癒やし」というふうに思っています。

――第1話の、ドラゴンの倒し方から破天荒でしたよね。

そうなんですよ!「食べて倒す」っていう(笑)。私もゲームすごく好きなんですけど、いつもパラメーターを割り振るときは結構防御に振ってサポートする側にいるので、共感できるところも結構あるんですよ。それに、防御に極振りした結果、盾で敵を倒せるっていうのもすごいし……新鮮さを、常に感じます。

――そんな作品のEDになると聞いたうえで「Play the world」という楽曲を受け取られて、最初の印象はいかがでしたか?

「あ、EDなんですか!?」って思いました。始まりを感じさせる曲なので、2回ぐらい「えっ? EDで合っていますよね?」みたいに聞き直した気がします(笑)。曲自体もすごく明るくて、『防振り』さんのストーリーにもちなんで「いろんな世界を冒険したい!」っていうワクワクした気持ちが込められているので。でも、「むしろEDでよかったな」と思うようになっていって。

――それは、なぜですか?

曲に次に繋がっていく感じというか、「新しい世界をみんなと一緒に冒険していこう!」というワクワクが込められていたからです。それに、2ndワンマンで初披露したときも、サビで「もう一回 明日へ(明日へ)」とコール・アンド・レスポンスをしたら、「みんなと一緒に旅に出る!」っていう楽しい想いがあふれてきて。みんなもとてもいい笑顔で一緒に歌ってくれたし、私自身そのときもレコーディングでも楽しんで歌えたので、自然に笑顔になれる曲だなって思いました。

――さまざまな場面で、楽曲からの明るさを感じた。

はい。これぐらい笑顔で歌った曲って、初めてなんですよ。ピンクで春らしい感じのCDジャケットもほぼ初めてですし、PV撮影も今までにないくらいずっと笑顔で歌わせていただいたので、新たな自分を見つけられたなとも思います。レコーディングも常に笑って歌っていたら、いつの間にか終わっていた……っていう感じでした。
○●歌だけでなく、MVでも自然と笑顔あふれる楽曲に

――いつもと楽曲のテイストが少し違うことで、苦労した部分はありませんでしたか?

はい。いい意味で、難しさとかはあまり頭で考えずに思いっきり楽しんで歌えたので。結構私、根はネガティブ思考なんですけど(笑)、自分の中にあるポジティブさや"陽"の部分を最大限に引き出して、楽しんで歌いました。

――特に歌っていて、お気に入りのポイントは?

素敵な言葉がいっぱいあるんですけど……たとえば1番Bメロの「偶然できっと 運命は動いている 思い出せば ささいなことも 奇跡のようで」というフレーズは、私がデビュー当時に秋葉原でチラシ配りをしていて、そこでたまたま出会った方に今でも応援してくださっている方もいるのですごく共感しますし、ワンマンライブでも皆さんを前にしながら「こうして出会えていることって、本当に奇跡なんだ!」と感じながら歌った記憶があります。あとは、2番のBメロの「変わっていく この心は 色を増して」というフレーズ。最近、自分の音楽に対する思いがだんだん変わっていっているなと感じるんですよ。

――どう変わってきているのでしょう?

私、デビュー前は人に心を開くことができなくて。自分の意見を言うことも苦手だったし、世界のイメージがモノクロな感じだったんですよ。でもだんだんいろんな世界を知っていろんな方と出会うにつれて、世界が色づいていっているように感じるので、すごく共感するしお気に入りのフレーズなんです。

――そしてこの曲では、MVも撮影されました。

撮影は12月で、山梨の森の近くで撮ったんですけど、その日はいい天気ですごく春っぽい日だったんですよ。寒くないようにカイロも貼りまくって"暖かさに極振り"みたいな感じにしたんですけど(笑)、それだとちょっと汗をかくぐらい暖かかったんですよね。それに、佐々木李子としてはバンドスタイルでの撮影が初だったんですけど、うしろには仲間たちがいるっていうところも曲にすごく合っていて。

――パーティー組んでいる感、ありますよね。

たしかに! そこも「一緒に行こう!」みたいな感じがしましたし、アイコンタクトとかもしながら撮影するのが楽しかったです。私は笑顔がぎこちなくなってしまうことが多いんですけど、このときは心から自然に笑えて。「ずっとこの時間が続けばいいのに」みたいな気持ちでした。撮影の合間にも、一緒にみんなでカレー食べて……。

――キャンプじゃないですか(笑)。

そう(笑)。みんなで一緒に撮影場所へ行って、お昼は自分たちでカレーよそって、帰りは一緒にバスで寝て……修学旅行みたいな気分でした。その他にも、ネコちゃんがてくてく歩いて遊びに来て懐いてくれて……初回盤付属のメイキングにはネコちゃんと戯れているほっこりした映像もあるので、そこも楽しんでほしいです(笑)。

●カップリング曲は、2曲とも英詞へのアプローチが課題でありこだわりに
○●情熱と優しさの両立に腐心した「Good Night」

――さて、今回はカップリングも2曲収録されています。まず『防振り』の挿入歌となっている「Good Night」ですが。

最初聴いたときは「えぇ、歌えるかなぁ……?」みたいに思ったといいますか(笑)。この曲は本当に難しかったです。まず、全英詞っていうところがいちばんの鬼門で。英語の歌をうたうこと自体は元々好きで、小学生低学年ぐらいから歌っていたんですけど、私、学校で英語の教科がいちばん苦手だったんです(笑)。なのでレコーディングをする時は、「こう発音すると素敵だよ」とアドバイスをいただきながら歌って。それに、ちょっとウィスパーっぽい息多めの歌い方で歌い続けるのも初めてのことだったので、レコーディングまで毎日練習していました。

――そのアプローチも、これまでの楽曲を考えるとファンの方にも少々意外だったかもしれませんね。

そうなんですよ。Twitterを見たら、EDでクレジットを見るまで気づかない方が結構多かったみたいで(笑)。でもそれは逆に、嬉しいことでした。新たな自分を見てほしかったし、自分自身も新たな佐々木李子を知るきっかけになった曲なので、挑戦してよかったなと思いましたね。

――こういったボサノヴァ調の曲は初?

初めてです。声優さんの曲というか、アニソンでラテン系の曲って、なかなかないなと思うんですけど、自分で完成した音源を聴いても「あれ、これ自分かな?」って思うぐらい(笑)、本当に異世界にいるような感じの雰囲気の曲で。この曲も新鮮でした。

――レコーディング中、特にこだわられた部分はどんなところですか?

癒やされつつ情熱もあるような曲なので、歌うときにはその情熱や歌詞にあるような芯の強さも残しつつ、温かみや優しさも出したかったというところですね。そのバランスがちょっと難しくて、自然と丸を描きながら歌っていた記憶があるんですけど(笑)、歌っているうちにだんだん体にも馴染んできました。全英詞の曲なので、最初から意味が全部わからない方も多いと思うんですけど、世界観に身を委ねて思うままに感じていただけたらと思います。

――この曲が加わると、ライブのセットリストとしても幅が広がりそうですね。

たしかに! 2018年の4月から始めた"SynapstoRy(シナプストーリー)"っていう朗読と生歌と生楽器でお届けするストーリーライブがあるんですけど、そういう世界観作り込んでやるライブにすごく合うかなと思うので、やってみたいです。歌詞を覚えるのはめっちゃ大変なんですけど(笑)、何度も歌っていくうちにだんだん馴染んできたので……練習頑張ります!
○●"挑戦の1枚"を経て、彼女が目指すものとは!?

――そしてもう1曲収録の「GALAXYZ」は、ちょっとディスコチューンっぽい曲で。

すごくファンキーな感じなんですけど、最初のセリフから私も心臓を鷲掴みにされました。世界すらも飛び越えて、銀河まで行くぞ! みたいなアゲアゲのチューンなので、歌っている間に自分もテンションが上がって、楽しんで歌い上げることができました。

――サウンドから、シンプルに気持ちよさを感じました。

私も、結構音量上げめで聴いて何度も練習しました。あと、この曲は以前にも楽曲提供してくださった白戸佑輔さんが作編曲してくださったんですけど、この曲も初めて挑戦する感じの曲で。白戸さんの曲は、すごくありがたいことに難しいんですよ。いつも「レコーディングする」というよりも「挑ませていただく」みたいな気持ちで、自分の視野や世界が広がるきっかけになっているんです。それに、英語の部分が多かったところもこの曲は挑戦でしたね。しかも速いテンポの中に、譜割りが結構詰まっているところも多かったんですよ。

――それは、どう解決されたんですか?

私の事務所のスタッフさんに海外出身の方がいらっしゃって、その方がマンツーマンから「ここはこういうふうに言ったほうがいいYO!」みたいに(笑)、ネイティブな発音の仕方を何度も教わっていきました。レコーディングにも来てくださってチェックしていただきましたし、イントロや間奏部分のセリフもその方が担当してくださったんです。そのうえで曲自体の世界にも浸りつつレコーディングしていったので、何回か録り直しもしましたね。仮歌を録って、もう1回仮歌録って、それから本番という感じで。

――回数重ねた分、この曲も体に馴染んだうえで最終レコーディングに臨めた。

はい。この曲も「寝る前に必ず1~2回歌う」みたいに決めて、毎日練習しました(笑)。発音的に、口が追いつかなくなっちゃうときがあるので。そこはそのスタッフさんも、「毎日やると馴染んでくるから、Fight!」みたいな感じで(笑)。

――筋トレみたいですね(笑)。

英語の早口言葉をメールで送ってくださって、それを練習しましたね。「絶対、今後も役に立つと思うから」みたいに鍛えていただきましたし、毎回みなさんのおかげでちょっとずつスキルが磨かれていっているのが、本当にありがたいです。

――お話を聞いていると、本当に"挑戦の1枚"になった印象があります。

たしかに。「Play the world」も初めて聴いたとき「こんなに明るい曲、ネガティブな自分に歌えるかな?」って思いましたし。でも、どの曲も挑戦してよかったなと思いますし、本当に納得のいく作品になりました。

――そこから2020年始まっていくというのも素敵ですし、繰り返しになっちゃいますけど、こういった楽曲を歌っていくことでまた過去の曲へのアプローチも変わる部分が出ることも。

そうですね。本当に素敵な曲しかいただいていないので、恵まれているなと感じています。いろんな曲に挑戦することで一皮むけて、他の曲でも新たな自分を発見できればと思います。2ndワンマン終わったあとにもすごく思ったんですけど、ここで満足せずに一歩一歩ちゃんと階段を上がって、どんどんパワーアップしていきたいです。

――その先の目標や理想像みたいなものって、今ありますか?

一番先は……さいたまスーパーアリーナみたいな大きな空間で、たくさんの人と同じ時間を共有することですね。武道館もですし、東京ドームとか……先日もあいみょんさんが代々木第一体育館でライブをされていたじゃないですか? そういう場所にも"佐々木李子"として、ひとりで立ってみたいですし、そういう大会場でも一人ひとりの心に届く歌を、ずっと歌い続けていきたいです。

○●「Play the world」

発売日:2月26日
【DVD付盤(CD+DVD)】
価格:¥2,000(税抜)
※アニメ描き下ろしデカ帯ジャケット仕様
【通常盤(CD)】
価格:¥1,500(税抜)
<CD>
1.Play the world
2.Good Night
3. GALAXYZ
4~6. 1-3の各off vocalトラック
<DVD>
1.Play the world MV
初回特典:リバーシブルB2ポスター付き

○●ライブ情報

2nd Oneman RicoRium ~ただ、君に歌いたい~アンコール公演
開催日:4/11
時間:開場 17:00/開演 18:00
会場:SHINJYUKU BLAZE
チケット:5,000円(税込)スタンディング / 整理番号付
※別途、ドリンク代500円必要
※未就学児童入場不可
※1申し込みにつき4枚まで
詳細はこちら、オフィシャルサイトはこちら(須永兼次)